道路・橋・上下水道・造成といった土木インフラの「図面と設計」を担う技術職(Civil Engineering Draftsperson/Technician)を養成するコースです。ANZSCO 312211・312212 に該当し、技術者不足リスト・ビザの職業リストの双方に掲載されている、就労と長期滞在の設計がしやすい分野です。
| ひとことで | 「土木の設計図を描き、数量と構造を成立させる人」を育てるコース。現場監督ではなくデザイン(設計・製図)側の技術職を目指します。 |
| 目指す職種 | Civil Engineering Draftsperson(土木製図技術者)/ Civil Engineering Technician(土木技術者)/ Civil Designer |
| ANZSCO | 312211(Draftsperson)/ 312212(Technician) |
| ビザ上の位置づけ | CSOL 掲載MLTSSL 掲載subclass 482/186/189/190/491/485 いずれの職業リストにも名前がある珍しい職種です(詳細は下記③)。 |
| 人材不足 | Jobs and Skills Australia の職種不足リスト(2025年版)で全国・NSW ともに不足職種として扱われています。 |
| 期間・学費 | Diploma 1.5年 AUD 20,000 / Advanced Diploma 0.5年 AUD 9,025(パッケージ時)。合計 約2年・AUD 29,025。TAFE NSW発行 International Student Guide 2026 の記載値。年度・為替・受講内容により変わるため、最新額はお見積りでご案内します。 |
| 入学時期 | 2月・7月(Ultimo キャンパス) |
豪州の職業訓練資格の全国登録簿(training.gov.au)では、RII50520 Diploma of Civil Construction Design は「専門エンジニアを支える designer / design paraprofessional(設計担当者・設計準専門職)の役割を反映した資格」と定義されています。学習者は、機材・手法・役割の選定を自律的に計画し、顧客要件に沿った現場ごとの設計を作成し、技術・管理・調整・計画にわたる幅広いスキルを扱えるようになることが求められます。
上位の RII60520 Advanced Diploma は「シニア土木設計者、または準専門職としての設計者」の役割で、広範・専門的・複雑かつ技術的な業務を戦略的責任のもとで行い、複雑な案件の設計を自ら進められる段階を指します。つまり Diploma で「描ける人」に、Advanced Diploma で「設計プロセスと品質を回せる人」になる構成です。
合計 20ユニット。この資格は必修(core)を置かず、20ユニットすべてを選択群から組む設計になっているのが特徴です。群ごとの最低数が決まっており、TAFE NSW が業界需要に合わせて実際の組み合わせを編成します。
| 群 | 内容 | 最低履修数 |
|---|---|---|
| Group A | マネジメント・専門職としての実務(全9ユニットから) | 2以上 |
| Group B | CAD・エンジニアリング図面(全3ユニットから) | 2以上 |
| Group C | 各種インフラの詳細設計(道路・排水・構造物ほか。全31ユニットから) | 4以上 |
| Group D | 技術・数理・空間データ・材料試験(全17ユニットから) | 4以上 |
| その他 | 他の登録訓練パッケージからの充当 | 最大3まで |
出典:training.gov.au RII50520 Release 2(2021年8月2日付)。RII50515 を引き継ぐ資格として登録されています。
合計 12ユニット(必修5+選択7)。必修は次の5つです。
| コード | ユニット名 | 内容の要旨 |
|---|---|---|
| RIICWD601E | Manage civil works design processes | 土木設計プロセス全体の管理 |
| RIIQUA601E | Establish and maintain a quality system | 品質管理システムの構築・維持 |
| BSBPMG632 | Manage program risk | プログラム(複数案件)のリスク管理 |
| BSBTWK502 | Manage team effectiveness | チームの生産性・機能の管理 |
| BSBWHS616 | Apply safe design principles to control WHS risks | 安全設計原則による労働安全リスク管理 |
選択7ユニットは、Group A(ビジネス・プロジェクト管理)から2以上、Group B(土木設計の技術系)から3以上。出典:training.gov.au RII60520 Release 2。
TAFE NSW の案内では、AutoCAD、CivilCAD、Revit、Strand7、12d、MS Project、DRAINS といった業界標準ソフトと、BIM(Building Information Modelling)を扱うと説明されています。12d や DRAINS はオーストラリアの土木実務で広く使われるツールで、現地の求人票にそのまま名前が出てくるものです。日本国内でこれらを実務レベルで学べる機会は多くありません。ここが後述⑥「豪州で学ぶ価値」の中核です。
TAFE NSW が案内している卒業後の職種は次のとおりです。
ビザ・技能査定・統計はすべて ANZSCO コードで動きます。このコースが狙うのは次の2つです。
| ANZSCO | 職種名 | 技能査定機関 | 掲載リスト |
|---|---|---|---|
| 312211 | Civil Engineering Draftsperson | Engineers Australia または VETASSESS | CSOL / MLTSSL |
| 312212 | Civil Engineering Technician | VETASSESS | CSOL / MLTSSL |
| 312116(参考・近接職種) | Surveying or Spatial Science Technician | VETASSESS | CSOL / ROL(491のみ) |
VETASSESS の学歴要件は両職種とも Group C で、AQF Diploma 以上かつ職種に高い関連性のある分野であることが基準です。TAFE の Diploma / Advanced Diploma は学歴要件の水準を満たす資格区分にあたります。査定には学歴に加えて職務経験の要件があり、個々の経歴により判断が変わります。
2026年7月時点で確認できた、312211/312212 の職業リスト上の扱いです。
| ビザ | 名称 | 適用リスト | 312211 / 312212 |
|---|---|---|---|
| subclass 485 | Temporary Graduate(Post-Vocational Education Work stream) | MLTSSL | 対象卒業直後の就労ビザ |
| subclass 482 | Skills in Demand(Core Skills stream) | CSOL | 掲載雇用主スポンサー |
| subclass 186 | Employer Nomination Scheme(Direct Entry) | CSOL | 掲載雇用主指名の永住 |
| subclass 189 | Skilled Independent | MLTSSL | 掲載ポイント制・独立 |
| subclass 190 | Skilled Nominated(州指名) | MLTSSL + STSOL | 掲載NSW の対象職種群にも該当 |
| subclass 491 | Skilled Work Regional(州指名・地方) | MLTSSL + STSOL + ROL | 掲載 |
出典:Migration (Specification of Occupations—Subclass 482 Visa) Instrument 2024、Migration (LIN 19/051) Instrument 2019、485英語要件インストゥルメント F2025L00907、NSW 州政府 skills lists。リンクは末尾の出典一覧に掲載しています。
豪州政府機関 Jobs and Skills Australia が公表する Occupation Shortage List(職種不足リスト/2025年版・2025年10月公表)において、Civil Engineering Draftsperson(312211)と Civil Engineering Technician(312212)はいずれも不足職種として扱われています。2025年版の要点レポートでは、全体では不足職種の割合が33%→29%へ縮小した一方、Technicians and Trades Workers はおよそ2職種に1職種が不足という状態が続き、建設・エンジニアリング系が2021〜2025年の「慢性的不足」職種の約51%を占めると分析されています。
| 就業者数 | 15,600人(2024年・4四半期平均) |
| フルタイム賃金中央値 | 週 AUD 1,738(年換算 約 AUD 90,400)ABS「Survey of Employee Earnings and Hours」2023年5月調査を基にした数値です。 |
| 年間の雇用増 | 年 +600人(2024年) |
| NSW の割合 | 27.0%(州別で最大。2021年国勢調査) |
| 最多の学歴層 | Advanced Diploma / Diploma 保有者が 34.7%つまりこの職種は「学士でないと入れない職種」ではありません。TAFEのディプロマが主流の入口です。 |
| 312211単体 | 就業者6,800人、フルタイム比率86%、平均年齢40歳 |
参考に、上位の Civil Engineering Professionals(2332/土木技術者・大卒系)は就業者75,400人、賃金中央値 週 AUD 2,264 です。設計・製図の技術職から入り、経験と資格を重ねて上位職へ進むという道筋が数字の上でも見えます。
実際に出ている求人と提示レンジは、豪州最大の求人サイト Seek でご確認いただくのが確実です。提示額は時期と案件で動くため、当社では固定の数字を掲げず、常に最新のページをご覧いただくようご案内しています。
比較のため、日本側の同分野の数字も並べます。出典は厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」で、年収は令和7年賃金構造基本統計調査に基づく数値です。
| 職業 | 平均年収 | 有効求人倍率 | 就業者数 |
|---|---|---|---|
| 土木施工管理技術者 | 625.0万円 | 16.30 | 263,870人 |
| 土木設計技術者 | 625.0万円 | 9.95 | 263,870人 |
| 測量士 | 543.1万円 | 4.40 | 263,870人 |
| CADオペレーター(土木製図を含む) | 470.9万円 | 0.79 | 289,300人 |
土木系3職の就業者数が同一なのは、job tag が国勢調査の「土木・測量技術者」という同一区分に紐づけているためで、誤りではありません。有効求人倍率は令和6年度ハローワーク求人統計。
国土交通省「令和6年度 国土交通白書」によれば、建設業就業者のうち55歳以上が36.7%(全産業32.4%)、29歳以下は11.7%(全産業16.9%)と、他産業より高齢化が進んでいます。また2024年4月から時間外労働の上限規制(原則 月45時間・年360時間)が建設業にも適用され、長時間労働の是正と生産性向上が急務とされています。この「担い手不足」と「働き方の見直し」が同時に来ている状況は、設計・製図・BIM といった生産性側のスキルを持つ人材の価値が、日本国内でも今後上がる方向に働きます。豪州で学んだ内容が、帰国後に無駄にならない理由でもあります。
「日本で同じ分野を学ぶとどうなるか」を具体的に比べられるよう、土木・測量・設計系の学科を持つ日本の専門学校を2校挙げます。どちらも当社と提携関係にあるわけではなく、あくまで比較のための参照先です。
学費は各校の案内ページでご確認ください。本ページでは金額を転記していません(年度により改定されるため)。
| 観点 | 日本の専門学校 | TAFE NSW(このコース) |
|---|---|---|
| 資格の性格 | 国家資格の受験・登録要件に直結(測量士補など) | 豪州の全国登録職業資格(AQF)。技能査定とビザの職業リストにつながる |
| ソフトウェア | AutoCAD 中心が一般的 | AutoCAD に加え 12d・DRAINS・Civil CAD・Revit・Strand7・BIM など豪州実務の標準ツール |
| 言語 | 日本語 | 英語で設計仕様書と図面を読み書きする経験そのものが職務能力になる |
| 卒業後の就労 | 日本国内での就職 | subclass 485 で最長18か月の就労が可能。現地実務経験を積める |
| 長期滞在 | — | ANZSCO 312211/312212 は CSOL・MLTSSL 双方に掲載。482/186/189/190/491 へ進む道がありうる |
| 賃金水準 | CADオペレーター 平均 470.9万円(job tag) | 職種プロファイル 3122 の賃金中央値 週 AUD 1,738(年約 AUD 90,400) |
| 学歴の主流 | 専門学校卒が一定の位置 | この職種の最多学歴層が Advanced Diploma / Diploma(34.7%)。TAFE が業界の正面入口 |
| 学歴要件 | オーストラリアの Year 12 相当(日本の高校卒業)が目安。国により換算が異なります。training.gov.au 上、資格そのものの entry requirement は「Nil(なし)」ですが、留学生の入学審査は TAFE NSW の基準によります。 |
| 英語要件 | Academic IELTS 6.0 相当が目安です。コース・年度により条件が異なるため、出願時に最新の条件を確認のうえご案内します。 |
| 英語コースからの進学 | TAFE NSW の案内では、同校の General English を修了すると IELTS 6.0 を入学条件とする職業教育コースへ直接進学できるとされています。IELTSのスコアが手元にない方はこちらが現実的な入口です。 |
| コース | コード | CRICOS | 期間 | 学費(AUD) | 入学 | キャンパス |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Diploma of Civil Construction Design | RII50520 | 105245F | 1.5年 | 20,000 | 2月・7月 | Ultimo |
| Advanced Diploma of Civil Construction Design | RII60520 | 105231A | 0.5年(パッケージ時) | 9,025 | 2月・7月 | Ultimo |
| パッケージ合計 | 約2年 | 約29,025 | Diploma 18か月 → Advanced Diploma 6か月 | |||
TAFE NSW発行 International Student Guide 2026 の記載値です。TAFE NSW のコースページ側では別の金額が表示されている時期があり、年度・受講内容・為替により変動します。当社ページでは推測の金額を掲載しません。ご検討時点の正確な金額はお見積りでご案内します。学費のほかに OSHC(留学生保険)、生活費、教材費が必要です。
資格そのものに前提となる学歴・職歴要件は置かれていません(training.gov.au 上は Nil)。TAFE NSW の案内でも、推奨される背景として Year 12 程度の数学・国語力と CAD への関心が挙げられている程度です。ただし図面と数値を扱う分野ですので、数学に極端な苦手意識がある方には向き不向きがあります。カウンセリングで率直にお伝えします。
いいえ。コースの修了は永住を保証するものではありません。職業リストへの掲載は「そのルートを検討できる」という意味であり、実際には技能査定、英語力、年齢、職務経験、雇用主や州の状況といった複数の要素で結果が変わります。また職業リストと州指名の条件は毎年見直されます。当社は登録移民代理人が在籍しており、ご相談時点の制度に基づいて可能性と条件を具体的にご説明します。
可能です。ただし Advanced Diploma は6か月の追加で、設計プロセス管理・品質・安全設計といった上位職側のユニットが加わります。485 や技能査定を見据える場合、上位資格まで進んでおく判断が有利に働く場面があります。ご状況により最適解が変わりますので個別にご相談ください。
ビザという観点だけで見れば、測量技術者にあたる ANZSCO 312116 は ROL のみの掲載で subclass 491 に限定されます。これに対し 312211/312212 は MLTSSL 掲載で選択肢が広く取れます。ただし現地での就職しやすさや、ご自身の適性・過去の経歴との関連性も同じくらい重要です。学生ビザの審査では「過去の学歴・職歴との関連」が見られますので、そこも含めて一緒に組み立てます。
豪州の職業教育には RPL(既習事項の評価)や単位免除の仕組みがあります。日本の土木・測量系専門学校の履修内容が該当するかは、シラバスと成績証明の内容次第です。書類をお預かりのうえ TAFE NSW へ確認します。
学歴・職歴・英語力・ご予算・目標時期をうかがって、このコースが現実的かどうかを率直にお伝えします。合わないと判断した場合は、その理由と代わりの選択肢もお出しします。
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