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TAFE NSW / HAIRDRESSING

ヘアドレッシング(美容師)

Certificate III in Hairdressing (SHB30416) / TAFE NSW コース番号 R10436 / CRICOS 093246G

オーストラリアのヘアドレッシングは、職業としては全国的な人手不足職種、しかしビザ制度上は「留学からの独立永住には直接つながらない」という、評価の分かれる分野です。さらに日本側では美容師が国家資格であるため、豪州で取った資格をそのまま日本で使うことはできません。このページは、その2つの不都合な事実から先に説明します。

Meadowbank・Ultimo Certificate III / 1年 入学:2月・7月 ANZSCO 391111 Hairdresser CSOL 掲載/MLTSSL 非掲載
ホーム専門・キャリアアップ留学TAFE NSWヘア・ビューティー分野 > ヘアドレッシング(SHB30416)

最初にお伝えすべきことPLEASE READ FIRST

このコースに関心を持たれた方の多くが、あとから知って落胆される点があります。順番を逆にして、先にお伝えします。

1)ANZSCO 391111 Hairdresser は MLTSSL に載っていません。そのため、卒業後に取得を目指す方が多い subclass 485(Temporary Graduate visa)の Post-Vocational Education Work stream は、この職業では使えません。同ストリームは「申請者の職業が MLTSSL に載っていること」を要件としており、391111 は LIN 19/051 上 STSOL に掲載されている職業だからです。485 が取れないということは、「卒業 → 485 で働きながら技能査定 → 永住」という、他分野でよく見る流れがそのまま使えない、という意味になります。

2)日本の美容師は国家資格です。オーストラリアの Certificate III を持っていても、日本で美容師として働くことはできません。日本で美容師(カット・パーマ・カラー等の美容行為)を業として行うには、美容師法にもとづく厚生労働大臣免許が必要で、その前提として都道府県知事指定の美容師養成施設を修了し、美容師国家試験に合格する必要があります。豪州の資格に対する読み替えや免除の制度を、弊社では確認できていません。「オーストラリアで美容師資格を取って日本に帰って働く」という組み立ては、現行制度上は成立しないとお考えください。

3)オーストラリアの美容師は本来「見習い(Apprenticeship)」で育つ職業ですが、留学生はその制度に入れません。オーストラリア人向けの SHB30416 は、サロンに雇用されて Training Contract(訓練契約)を結んだ見習いが、働きながら通う形が基本です。この Australian Apprenticeships の枠組みは市民権保持者・永住者・一定のニュージーランド市民などが対象で、学生ビザの留学生は対象外と案内されています。留学生は代わりに、学内サロンでの実習を中心としたフルタイムの留学生向けコース(TAFE NSW コース番号 R10436)を1年間受講する形になります。同じ資格名でも、到達までの道筋が違います。

4)それでも学ぶ価値がないわけではありません。Hairdresser は Jobs and Skills Australia の Occupation Shortage List で全国的な不足(National Shortage)と判定されている職業で、CSOL(Core Skills Occupation List)にも掲載があるため、雇用主がスポンサーとなる subclass 482 Core Skills stream や、subclass 186 Direct Entry stream の対象職業です。つまり「学校を出れば自動的に」ではなく「サロンに雇われ、スポンサーを得られれば」という条件付きで、道は残っています。このページはその条件を具体的に示すために書いています。

30秒で分かるこのコースSUMMARY

コース名Certificate III in Hairdressing(SHB30416)
TAFE NSW の留学生向けコース番号:R10436/CRICOS コース番号:093246G
AQF レベルCertificate III(AQF レベル3)
期間1年(フルタイム)
キャンパスMeadowbank、Ultimo
入学時期2月、7月
学費(留学生)TAFE NSW の 2026 International Student Guide 掲載値は AUD 17,425。TAFE NSW International のコース案内では AUD 17,425〜20,040(別途 AUD 300〜1,000 程度の教材費等)という幅で示されている表示も確認しました。数値が一致しないため、どれが最新かは断定しません。お申込み前に必ず現行の Letter of Offer でご確認ください。
目指す職種Hairdresser(ANZSCO 391111、Skill Level 3)。TAFE NSW の案内では Hairdresser/Hair Stylist/Hair Colourist/Freelance Session Stylist/Creative or Artistic Director/Technical or Sales Advisor が挙げられています。
技能査定機関TRA(Trades Recognition Australia)
ビザ上の扱い(要点)掲載CSOL(482 Core Skills) 掲載subclass 186 Direct Entry 掲載STSOL 非掲載MLTSSL 非掲載ROL
482/186 は対象。189 は不可。485 Post-Vocational Education Work も不可。
NSW の州推薦NSW が公表している subclass 190・491 の対象職業リストに 391111 は含まれていません(弊社が確認した時点)。NSW 経由の州推薦ルートは現実的ではありません。
人手不足判定Jobs and Skills Australia の Occupation Shortage List で National Shortage(全国不足)。特定地域だけの Regional Shortage ではありません。
日本での資格読み替え不可。日本で美容師として働くには美容師法にもとづく国家資格が別途必要です。
向いている方豪州のサロンで働くことを目標に据えられる方/将来スポンサーを探す前提で動ける方/英語での接客に取り組む意思がある方
向いていない方「留学 → 485 → 永住」の定型ルートを想定している方/日本の美容師免許の代わりにしたい方/短期で資格だけ欲しい方

※ 上記は弊社が公開情報から確認した範囲です。学費・開講キャンパス・入学時期は改定されます。最終確認は TAFE NSW の発行書類でお願いします。

① コースの主旨と学習ユニットCOURSE STRUCTURE & UNITS OF COMPETENCY

このコースが目指しているもの

SHB30416 Certificate III in Hairdressing は、オーストラリアの職業訓練パッケージ SHB Hairdressing and Beauty Services Training Package に属する資格です。training.gov.au の資格記述では、この資格は「ヘアドレッサーとして、サロンのすべての業務を、幅広い顧客に対して、判断を伴いながら遂行できる者」を想定した水準として位置づけられています。単なる技術習得ではなく、予約管理・顧客カウンセリング・薬剤の選定と責任・在庫と衛生・チームでの店舗運営までを含む「サロンで一人前として回せる」ことがゴールに置かれている点が、日本の美容学校のカリキュラムと最も違うところです。

パッケージング・ルール(修了要件):合計28ユニット
コア(必修)21ユニット
選択(elective)7ユニット。内訳は「Group A から3ユニット」または「Group B から3ユニット」のいずれかを選び、加えて Group C から4ユニット、という構成です。
※ ユニット構成は改定(release)ごとに変わることがあります。下表は弊社が training.gov.au の資格 PDF で確認した内容です。

コア(必修)ユニット21件

ユニットコードユニット名(英語)内容の要旨
SHBHIND001Maintain and organise tools, equipment and work areas器具・作業スペースの管理と整備
SHBHIND003Develop and expand a client base顧客基盤の開拓と維持
SHBHBAS001Provide shampoo and basin servicesシャンプー・ベーシン業務
SHBHCLS002Colour and lighten hairカラーおよびブリーチ
SHBHCLS003Provide full and partial head highlighting treatmentsハイライト(全体・部分)
SHBHCLS004Neutralise unwanted colours and tones不要な色味の打ち消し・補正
SHBHCLS005Provide on-scalp full head and retouch bleach treatments地肌からのブリーチ・リタッチ
SHBHCUT001Design haircut structuresヘアカットの構造設計
SHBHCUT002Create one length or solid haircut structuresワンレングス/ソリッドのカット
SHBHCUT003Create graduated haircut structuresグラデーションカット
SHBHCUT004Create layered haircut structuresレイヤーカット
SHBHCUT005Cut hair using over-comb techniquesオーバーコーム技法(刈り上げ等)
SHBHDES003Quality manage hair services and retail products施術と店販商品の品質管理
SHBHREF002Straighten and relax hair with chemical treatments縮毛矯正・ストレート施術
SHBHTRI001Identify and treat hair and scalp conditions毛髪・頭皮の状態把握とトリートメント
SHBXCCS001Provide salon services to clientsサロンでの接客サービス提供
SHBXCCS002Provide salon services to clients(応用・顧客対応)顧客対応と苦情処理を含む接客
SHBXIND001Comply with organisational requirements within a personal services environment店舗ルール・法令の遵守
SHBXIND002Research and use hair, beauty and personal services information業界情報の調査と活用
SHBXWHS001Apply safe hygiene, health and work practices衛生・安全衛生(WHS)の実践
BSBSUS201Participate in environmentally sustainable work practices環境に配慮した業務実践

※ ユニット名は training.gov.au 掲載の英語表記に基づきます。日本語は弊社による内容の要旨で、正式な訳語ではありません。

選択ユニットで何を足すか

選択ユニットのグループは、大づかみに言うと「ロングヘアのアップスタイル・セット寄り」か「メンズ/バーバー寄り」かという方向づけになっており、さらに Group C で幅を広げます。Group C にはドライヘアカット、まつげ・眉のサービス、メイクアップ、ヘアエクステンション、写真撮影やコンペティション向けのスタイリング、店販の販売強化など、実務で差がつく領域が並びます。どの選択が実際に開講されるかはキャンパスと学期によって変わりますので、志望動機が特定分野(例:ブライダルのアップスタイル、メンズのフェード)にある場合は、出願前にその学期の開講ユニットを確認されることをおすすめします。

「学内サロン」で学ぶという意味

TAFE NSW の Ultimo・Meadowbank には一般客が来店する実習サロンがあり、留学生向けコースの実技はここが中心になります。教員の監督下で、実際の来店客に対して施術する形式です。日本の美容学校で言えば「校内実習」に近いのですが、価格をつけて一般客を受け入れている点、予約管理から会計まで一連の業務として運営されている点が異なります。逆に言えば、商業サロンでの雇用実務経験そのものではないため、後述する TRA の技能査定(実務経験を厳格に問う)では、この時間がそのまま職歴として数えられるとは限りません。この点は誤解が生じやすいので、後段で改めて整理します。

ヘアドレッシング系のその他の資格(参考)

コード資格名構成留学生の受講可否(弊社確認範囲)
SHB30416Certificate III in Hairdressing28ユニット(コア21+選択7)。TAFE NSW コース番号 R10436/CRICOS 093246G。1年・Meadowbank/Ultimo・2月/7月開講
SHB30516Certificate III in Barbering26ユニット(コア21+専門5)2026 International Student Guide に留学生向けとしての掲載を確認できませんでした。国内学生向け(見習い中心)の資格として扱われています。
SHB20216Certificate II in Salon Assistant入門レベル留学生向けの掲載は確認できませんでした。
SHB40216Certificate IV in Hairdressing11ユニット(コア2:SHBHTLS001/SHBHTLS002 +選択9)入学要件として Certificate III 修了後、サロン環境で最低1年のフルタイム勤務経験が求められると案内されています。留学生向けコースとしての掲載は確認できませんでした。
SHB50216Diploma of Salon Management10ユニット(コア7+選択3)TAFE NSW は入学時に「ヘア・ビューティー業界でマネージャーまたはスーパーバイザーとして現在勤務していること」を示す書面を求めると案内しています。弊社が確認した時点で TAFE NSW に開講中の Salon Management コースは見当たりませんでした。
SHB50121Diploma of Beauty TherapyDiploma(AQF レベル5)。CRICOS 112052A・1年・AUD 22,425・Granville/Liverpool/Ultimo・2月/7月。ただしこれは「Salon Management」ではなくビューティセラピー(エステ)の資格です(後述)。

コード表記についての訂正・注意
「SHB50121 Diploma of Salon Management」という表記を見かけることがありますが、弊社が確認した限り SHB50121 は Diploma of Beauty Therapy であり、Salon Management の資格コードは SHB50216 です。両者は別分野(ヘア/ビューティ)の別資格です。資料の中でコードと名称が食い違っている場合は、コード側を training.gov.au で照合されることをおすすめします。

Statement of Attainment(部分修了証明)について
TAFE NSW には Hairdressing 関連の短期プログラム(例:バーバーのフェード技法を扱うもの、ヘア分野への導入的なもの)も設定されていますが、弊社が確認した範囲ではこれらは国内学生向けで、学生ビザで受講できる CRICOS 登録コースとしての掲載は見当たりませんでした。学生ビザで渡航して受講できるのは、CRICOS 番号が付いたコースに限られます。

② このコースで就ける職種ANZSCO OCCUPATIONS

ANZSCO職業名Skill Level技能査定機関この資格との関係
391111Hairdresser3TRA(Trades Recognition Australia)SHB30416 が対応する中核職業。ANZSCO 上、Skill Level 3 は AQF Certificate III/IV に相当する水準とされています。

ANZSCO の 391111 Hairdresser は、大分類 3(Technicians and Trades Workers)の中の Unit Group 3911 Hairdressers に属し、この Unit Group には Hairdresser の1職業のみが含まれます。Barber(理容師)に独立した ANZSCO コードはなく、バーバー業務も実務上この 391111 の枠内で扱われます。この構造は、日本の「理容師」と「美容師」が別々の国家資格として制度上分かれているのとは対照的です。

TAFE NSW が挙げている進路

※ 後半3つ(Freelance Session Stylist、Creative Director、Technical Advisor)は、Certificate III 修了直後に就ける職ではなく、実務経験を積んだ先のキャリアとしての例示と読むのが妥当です。弊社としては、修了直後の現実的な出発点はサロンのジュニア・スタイリストまたはカラーリストとご説明しています。

ビザとの関係で重要な注意
上記のうち、ビザの「指名職業」として使えるのは 391111 Hairdresser のみと考えてください。Creative Director や Sales Advisor といった肩書きは、ANZSCO 上は別のコード(管理職や営業職)に落ちる可能性があり、そのコードがビザのリストに載っているかどうかは別途確認が必要になります。肩書きが良くなるほどビザが有利になる、という関係ではありません。

③ ビザ対応職種としての扱い(適用 subclass)OCCUPATION LISTS & VISA PATHWAYS

ここが、このコースを検討するうえで最も重要な部分です。リストごとに、載っているか載っていないかを個別に書きます。

各リストへの掲載状況(ANZSCO 391111 Hairdresser)

リスト根拠となる法定文書掲載意味
CSOL
Core Skills Occupation List
LIN 24/089(F2024L01620)掲載あり弊社が確認した CSOL の一覧では、Hairdresser(391111)が掲載され、技能査定機関は TRA と記載されています。→ subclass 482 Skills in Demand visa の Core Skills stream の対象職業
subclass 186 Direct Entry
対象職業リスト
LIN 24/093(F2024L01618)掲載あり186 Direct Entry stream の対象職業は CSOL を取り込む形で定められています。→ 186 DE の対象職業
MLTSSL
Medium and Long-term Strategic Skills List
LIN 19/051(F2019L00278)掲載なし391111 は MLTSSL に載っていません。→ subclass 189(独立技術移住)は不可。→ subclass 485 Post-Vocational Education Work stream も不可(同ストリームは MLTSSL 掲載を要件とします)。
STSOL
Short-term Skilled Occupation List
LIN 19/051(F2019L00278)掲載あり弊社が確認した STSOL 上に Hairdresser(391111・TRA)の記載があります。→ 制度上は 190/491 の対象になりうる職業区分ですが、実際に申請できるかは州・準州の推薦リスト次第です(下記)。
ROL
Regional Occupation List
LIN 19/051(F2019L00278)掲載なし391111 は ROL には載っていません
NSW の 190 対象職業NSW 州政府の公表リスト掲載なし弊社が確認した時点の NSW subclass 190 対象 unit group 一覧に、Hairdressers(3911)は含まれていませんでした。
NSW の 491 対象職業NSW 州政府の公表リスト掲載なし同じく、NSW subclass 491 の対象 unit group 一覧にも Hairdressers(3911)は含まれていませんでした。

※ 職業リストは改定されます。上記は弊社が確認した時点の内容であり、申請時点の内容とは異なる可能性があります。ビザ申請の可否についての判断は、登録移民代理人(MARA 登録)にご確認ください。

subclass 別に、率直に整理すると

subclass可否理由・条件
482 Skills in Demand(Core Skills stream)対象391111 は CSOL 掲載職業。雇用主(サロン)がスポンサーとなり、指名(nomination)を行うことが前提です。学校を出ただけでは取得できません。関連する技能・経験要件、給与水準(雇用主指名の所得しきい値)等の要件も別途あります。
186 Employer Nomination Scheme(Direct Entry stream)対象391111 は 186 DE の対象職業。ただし DE は一般に3年以上のフルタイム相当の職務経験と、指名職業についての適切な技能査定(TRA)が求められます。卒業直後に到達できる要件ではありません。
186 Temporary Residence Transition stream条件付き482 で同一雇用主のもとで所定期間就労した後の移行ルート。まず 482 を得ることが前提になります。
189 Skilled Independent不可MLTSSL 非掲載のため対象外です。
190 Skilled Nominated(州推薦)NSW では現実的でないSTSOL 掲載職業なので制度の枠組み上は 190 の射程に入りますが、NSW の対象職業リストに 391111 が含まれていないため、NSW からの推薦は見込めません。他州が独自リストに入れている可能性はありますが、州ごとに毎年変わるため、その時点で個別確認が必要です。
491 Skilled Work Regional(州推薦)NSW では現実的でない同上。NSW の 491 対象職業一覧にも含まれていませんでした。
485 Temporary Graduate(Post-Vocational Education Work stream)不可このストリームは「指名職業が MLTSSL に掲載されていること」を要件としています(そのほか、申請時 35歳以下、IELTS 総合6.5・各項目5.5以上などの要件、滞在期間は原則18か月)。391111 は MLTSSL 非掲載のため、この職業では申請できません
500 Student visa在学中SHB30416(CRICOS 093246G)は CRICOS 登録コースなので、学生ビザで就学できます。就労可能時間の上限(学期中の制限)は別途規則があります。

「485 が使えない」ことの実務上の意味
豪州の技能職で永住を目指す典型的な流れは、卒業 → subclass 485 で滞在 → その間に TRA の Job Ready Program(JRP)を完了 → 技能査定を取得 → 190/491 や 186 へ、というものです。JRP は豪州で技能を身につけた者が、豪州の職場で就労しながら査定を完了する制度で、Job Ready Workplace Assessment(863時間・最短6か月)、Job Ready Final Assessment(累計1,725時間・最短12か月)といった就労時間の要件があります。
391111 では 485 が取れないため、この「働きながら査定を完了させるための滞在資格」を確保する手段が事実上ありません。そのため現実的な選択肢は、(a) 在学中〜卒業直後にサロンから 482 のスポンサーを得る、(b) 他州の推薦リストに 391111 が載っているタイミングを狙う、(c) 日本や他国で職歴を積んでから改めて 186 DE を目指す、といった形に限られます。いずれも学校側が保証できるものではありません

技能査定(TRA)についての補足
391111 の技能査定機関は TRA です。TRA には、豪州国内で学んだ人向けの Job Ready Program のほか、海外で職業訓練と職歴を積んだ人向けの Offshore Skills Assessment Program(OSAP)があります。OSAP は「日本で美容師として長く働いてきた方」に関係しうるルートですが、対象職業・対象国・必要書類が個別に定められています。日本の美容師免許・実務経歴が豪州側でどう評価されるかは案件ごとに異なるため、弊社では個別に TRA の現行要件をご一緒に確認するという進め方をしています。

NSW の美容師資格と見習い(Apprenticeship)制度LICENSING & APPRENTICESHIP IN NSW

そもそも NSW に「美容師免許」はあるのか

日本の感覚だと最初に気になる点だと思います。NSW では、ヘアドレッサーとして働くために州が発行する個人免許(ライセンス)を取得する制度を、弊社では確認できませんでした。日本のように「国家試験に合格して免許を得なければ施術できない」という構造ではなく、職業資格(Certificate III in Hairdressing)が事実上の業界標準の入場券として機能している、という理解が実態に近いものです。ただし、サロンの営業には保健・衛生関連の規制(皮膚穿孔を伴う施術の届出など)が別途かかりますし、雇用主が Certificate III 保持を採用条件にすることは一般的です。

この違いが持つ意味
「免許制ではない」というのは、参入が緩いという意味ではありません。むしろ、資格の価値を担保しているのが国家試験ではなく「訓練契約にもとづく職場での積み上げ」である、ということです。だからこそ次に説明する見習い制度が中心になり、その制度に入れない留学生の立ち位置が問題になります。

オーストラリア人が美容師になる標準ルート

TAFE NSW の国内学生向け SHB30416 の入学条件も、この構造を反映しています。弊社が確認した案内では、(a) 見習いとして雇用され訓練契約が登録されていること、または (b) 21歳以上で、ヘアドレッシング業界での2年以上の経験があり、かつ現在サロンに雇用されていること、といった条件が示されていました。いずれも「サロンに雇われていること」が前提です。

留学生はこの制度に入れません

Australian Apprenticeships の対象は、オーストラリア市民、永住者、および就労が認められた一定のニュージーランド市民などに限られると案内されています。弊社が確認した説明では、「留学生および通常の学生ビザ保持者は対象外であり、現時点で Australian Apprenticeships の枠組みの下で訓練契約を結ぶことを可能にするビザは存在しない」旨が明記されていました。
したがって、学生ビザで渡航する方が SHB30416 を取得する道は、訓練契約を伴わないフルタイムの留学生向けコース(TAFE NSW コース番号 R10436、1年)になります。

「1年」と「3〜4年」の差をどう理解するか

ここで多くの方が「留学生の方が短くて得なのでは」と考えられますが、弊社はそう単純ではないとご説明しています。差は期間ではなく中身にあります。

見習いルート(国内学生)

期間:3〜4年

給与:あり(見習い賃金)

経験:修了時点で実務経験3〜4年分

就職:既に雇用されている

留学生ルート(R10436)

期間:1年(フルタイム)

給与:なし(学費を払う側)

経験:学内サロンでの実習が中心

就職:修了後に自力で探す

つまり留学生ルートは「短期間で資格に到達できるが、修了時点での実務経験と雇用のつながりが薄い」という構造です。そして 391111 は 485 が使えないため、その薄い部分を卒業後に埋めるための滞在資格を確保しにくい。この2つが重なるのが、この分野の最も難しいところです。逆に言えば、在学中から現地サロンとの接点をどれだけ作れるかが、この留学の成否をほぼ決めます。学生ビザの就労可能時間の範囲でサロンのアシスタント業務に入る、学内サロンでの評価を担当教員から得ておく、といった動きを在学中から積み重ねられる方には、意味のある1年になり得ます。

④-A オーストラリアの就職状況と年収AUSTRALIA: DEMAND & PAY

人手不足の判定:National Shortage

Jobs and Skills Australia(JSA)が毎年公表している Occupation Shortage List(OSL、旧 Skills Priority List の後継)において、Hairdresser は「National Shortage(全国的な不足)」と判定されていることを、弊社は 2024年版・2025年版の要約から確認しました。特定の地方部だけの Regional Shortage ではなく、全国区分・地域区分の双方で不足と示されている点が、この職業の特徴です。人材が足りていないという評価と、永住ビザのリスト(MLTSSL)に載っていないという事実は、矛盾しているように見えて両立します。OSL は労働市場の需給評価であり、移住職業リストは政策判断で決まるからです。この2つを混同した説明を見かけますが、別物です。

ここは正直に書きます。JSA のサイト(jobsandskills.gov.au)および Job Outlook 系のサイトは、弊社の環境からは直接取得できませんでした(robots によるアクセス制限)。上記の「National Shortage」判定は、業界団体等が公表した OSL 要約の記載から確認したもので、JSA 原本での最終確認は弊社では取れていません。最新の判定は JSA のサイトでご確認ください。

年収の目安(SEEK)

求人サイト SEEK の職業別給与ページでは、Hairdresser の給与レンジが以下のように示されていました(弊社確認時点)。

区分掲載されていた年収レンジ/中央値
オーストラリア全体AUD 70,000〜80,000(レンジ表示)
シドニー(NSW)AUD 80,000
メルボルン(VIC)AUD 77,500
パース(WA)AUD 79,500
アデレード(SA)AUD 78,750
キャンベラ(ACT)AUD 82,500

※ SEEK の数値は求人掲載データにもとづく参考値であり、統計調査ではありません。また表示は随時更新されます。新人スタイリストがいきなりこのレンジに入るわけではありません。実際には後述の Award(最低賃金)に近い水準から始まり、指名客と技術の積み上げに応じて上がっていく、というのが一般的な形です。

法定の最低賃金(Award)

ヘア・ビューティ業界の労働条件は、Hair and Beauty Industry Award(MA000005)という産業別裁定(Award)で定められています。弊社が確認した 2026年7月1日以降適用の水準は次のとおりです。

レベルおおよその位置づけ週給(フルタイム)時給
Level 3資格取得直後のヘアドレッサーが該当しうる水準AUD 1,119.10AUD 29.45
Level 5経験を積んだヘアドレッサーAUD 30.89
Level 6上位・指導的立場AUD 32.00

※ カジュアル雇用の場合は上記時給に 25% のローディングが上乗せされるのが一般的です。Award の内容・レベル区分は改定されます。fairwork.gov.au は弊社の環境から直接取得できなかったため、上記は Award を解説する二次情報から確認した数値です。正確な適用レベルと最新額は Fair Work Ombudsman でご確認ください。

SEEK の「70,000〜80,000」と Award の「時給29.45ドル」の差をどう読むか
時給 AUD 29.45 で週38時間・年52週なら、単純計算で年 AUD 58,000 前後です。SEEK のレンジがそれより高いのは、指名料・歩合(commission)・店販インセンティブ・チップ、および経験者中心の求人が反映されているためと考えられます。「豪州の美容師は年800万円」といった説明を見かけたら、それは経験者の上限側の話だとご理解ください。渡航1年目の想定としては、Award 水準+歩合、という前提でご計画されるのが安全です。

就業者数について

オーストラリア国内のヘアドレッサー就業者数について、弊社は信頼できる最新の公的数値を確認できませんでした。ABS および JSA の該当ページは弊社の環境から取得できず、検索で得られたのは 2017年時点の概数(約5万4千人)という古い民間集計のみでした。この数字は現状を表していない可能性が高いため、本ページでは判断材料として用いていません。

④-B 日本での就職状況と年収JAPAN: LICENSING, DEMAND & PAY

日本の美容師は国家資格です

日本で美容(パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること)を業として行うには、美容師法にもとづく美容師免許が必要です。免許を得るには、原則として次の手順を踏みます。

オーストラリアの Certificate III in Hairdressing は、上記1の「指定養成施設の修了」には該当しません。弊社が確認した範囲では、豪州の職業資格を日本の美容師免許に読み替える制度、または国家試験を免除する制度は存在しません。したがって、豪州で SHB30416 を修了しても、日本国内で美容師として施術する資格にはなりません。日本で美容師として働きたい方は、日本の養成施設に通う必要があります。
逆方向、すなわち「日本の美容師免許を持つ方が豪州で働く」場合は、TRA の技能査定(OSAP 等)を通じて豪州側で評価される可能性があり、こちらは道が開けています。非対称なのです。

外国人が日本で美容師として働けるか

外国籍の方が日本で美容師として就労することについては、通常の就労在留資格(技術・人文知識・国際業務など)では美容の施術行為そのものを職務内容とすることが認められていません。例外として、国家戦略特別区域における外国人美容師育成事業があり、在留資格「特定活動」により、日本の指定養成施設を修了し美容師免許を取得した外国人が、一定期間(最長5年)日本のサロンで就労できる仕組みが設けられています。弊社が確認した時点では実施区域は東京都、要件として日本語能力試験 N2 以上、18歳以上などが挙げられていました。いずれにせよ「日本の養成施設修了+日本の免許」が前提であり、豪州資格からの近道にはなりません。

日本の美容師の年収と市場規模

平均年収388.5万円(厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」美容師)
就業者数351,060人(同上)
労働時間175時間(同上)
美容所(店舗)数274,070施設(令和5年度 衛生行政報告例)
就業美容師数579,768人(同上)

※ job tag の「就業者数」と衛生行政報告例の「就業美容師数」は集計方法・対象が異なるため、数字が一致しません。前者は労働力調査系の職業分類にもとづく推計、後者は美容所からの届出にもとづく集計です。どちらかが誤りということではなく、見ている対象が違うとご理解ください。

日豪の比較で押さえておくべき点
・平均年収の額面だけを見れば豪州が高く見えますが、豪州の生活費(特にシドニーの家賃)を差し引いて比較する必要があります。
・日本の美容業界は店舗数が就業者数の約半分に迫る(274,070店舗に対し就業美容師 579,768人)という、極めて小規模店中心の構造です。1店舗あたり平均2人強という計算になります。独立開業のハードルが低い代わりに、競争は激しくなります。
・豪州は Award による法定最低賃金があり、下限が制度的に守られているのが構造的な違いです。

⑤ 日本の同種の専門学校(比較用)2校COMPARABLE SCHOOLS IN JAPAN

「日本で美容師免許を取る」場合にどのくらいの時間と費用がかかるかを、実在する2校を例に示します。豪州留学と比較検討するための材料としてご覧ください。弊社はこれらの学校と提携関係にはなく、学費・課程は各校の公表情報にもとづく参考値です。

山野美容専門学校

所在地:東京都渋谷区代々木1-53-1

課程:専門課程(美容科・昼間2年)/通信課程(3年)ほか

学費:専門課程の初年度納入金 1,711,000円(2026年度の公表参考値)/通信課程 3年間で 820,000円

https://www.yamano-bc.ac.jp/

資生堂美容技術専門学校

所在地:東京都板橋区加賀2-15-1

課程:美容師科(2年)

学費:1年次 1,640,000円 + 2年次 1,405,000円 = 2年間合計 3,045,000円(公表参考値)

https://academy.shiseido.co.jp/admission/expenses/

この2校と TAFE NSW を並べて見ると
期間:日本は昼間2年(通信3年)、TAFE NSW の留学生向けコースは1年。
費用:日本の昼間課程は2年で概ね300万円台。TAFE NSW は学費 AUD 17,425〜(1年)に加え、渡航費・生活費・海外学生保険(OSHC)が乗ります。生活費を含めた総額では、豪州留学の方が高くなるのが通常です。
資格の効力:日本の2校を出れば国家試験の受験資格が得られ、合格すれば日本で美容師として働けます。TAFE NSW を出ればオーストラリアで働くための資格が得られます。相互に代替できません。
・したがって、この比較は「どちらが安いか」ではなく「どちらの国で働きたいか」で決まります。日本で働きたい方が豪州に行く理由は、資格の面では見当たりません。

※ 学費は各校の公表値を弊社が参照した時点のものです。年度により改定されます。入学金・実習費・教材費の扱いは学校により異なりますので、必ず各校の最新の募集要項でご確認ください。

⑥ オーストラリアで学ぶ価値と、日本との違いWHAT YOU ACTUALLY GAIN

ここまで不都合な点を並べてきましたので、では何のために行くのか、を整理します。

1)「豪州で働く」ことが目的なら、これが最短の入口

留学生が Australian Apprenticeships に入れない以上、豪州のサロンで働くために必要な Certificate III に到達する手段は、実質的にこの留学生向けコースだけです。しかも Hairdresser は全国的な不足職種として評価されており、CSOL 掲載職業として 482/186 のスポンサーシップの土俵には乗っています。「永住が保証されない」ことと「働く道がない」ことは違います。

2)扱う髪質・薬剤・技法が違う

オーストラリアのサロンでは、直毛の日本人客だけでなく、欧州系のくせ毛・細毛、アジア系の硬毛、アフリカ系の縮毛など多様な髪質を扱います。カラーの比重も日本より大きく、コアユニットにブリーチ・ハイライト・トナー関連が4つも入っている構成がそれを表しています。日本で「カラーが得意」と言うのとは、扱う薬剤も設計の考え方も異なります。この経験は、帰国後に日本で美容師として働けないとしても、技術者としての引き出しとしては明確に増えます(ただし、繰り返しますが日本で施術するには日本の免許が必要です)。

3)接客が英語になる

コアユニットに顧客対応(SHBXCCS001/002)や顧客基盤の開拓(SHBHIND003)が含まれているとおり、豪州のヘアドレッシング教育はコミュニケーションを技術と同格に扱います。カウンセリングで仕上がりの合意を取る、クレームを処理する、店販を提案する、といった行為を英語で行えるようになることが、このコースで得られるもう一つの中身です。逆に言えば、英語での会話に強い抵抗がある方には、実技以前の段階で厳しいコースです。

4)日本との構造的な違い(まとめ)

観点日本オーストラリア(NSW)
資格の性質国家資格(美容師法・厚生労働大臣免許)職業資格(AQF Certificate III)。個人免許制ではないと確認
資格取得までの標準養成施設2年(昼間)+国家試験見習い3〜4年(就労と一体)/留学生は1年のフルタイム課程
学ぶ間の収入なし(学費を払う)見習いは有給/留学生は学費を払う
理容と美容理容師法・美容師法で別資格ANZSCO 上は 391111 に一本化(Barbering は別コードなし)
賃金の下限各都道府県の最低賃金Hair and Beauty Industry Award(MA000005)で職務レベル別に規定
資格の相互承認ありません。豪州資格で日本では働けず、日本の免許だけで豪州で自動的に働けるわけでもありません(TRA の査定が必要)。

弊社としてお勧めしないケース
・「留学して 485 を取り、働きながら永住を目指す」という前提でお考えの方 → 391111 ではこの流れが成立しません。同じ TAFE NSW でも、MLTSSL 掲載職業につながる分野をご検討いただいた方が、目的に合致します。
・「日本で美容師になるための近道」としてお考えの方 → 近道になりません。
・費用を抑えたい方 → 生活費を含めると日本の専門学校より高額になるのが通常です。

入学条件・英語条件ENTRY REQUIREMENTS

学歴要件

留学生向けの Certificate III レベルのコースについて、TAFE NSW は一般に日本の高等学校卒業に相当する学歴を求めています。ヘアドレッシングは実技中心のため、事前の美容経験は必須要件とはされていません。ただし、国内学生向けの SHB30416 に課されている「サロンでの雇用」要件は、留学生向けコースには適用されません(適用できないため、別建てのコースになっています)。

英語要件

ここは正直にお伝えします。弊社は、SHB30416 の留学生向けコースに求められる具体的な IELTS スコアを、TAFE NSW の公表資料から確定的に確認できませんでした。TAFE NSW の入学要件ページは AQF レベル別の英語スコア表を別 PDF で提供しており、その PDF の内容を弊社の環境から取得できなかったためです。
弊社が確認できたのは、TAFE NSW の English 課程に関する次の記述です。「General English を修了すると、IELTS 6.0 を入学要件とする TAFE NSW の職業教育コースへ直接進むことができる」。ここから、多くの職業教育コースの目安が IELTS 6.0 前後であることは推測できますが、Certificate III レベルがそれより低い水準で設定されている可能性もあり、断定は避けます。現行の要求スコアは、出願時に必ず TAFE NSW の発行資料でご確認ください。

英語スコアが足りない場合の一般的な進み方としては、TAFE NSW 系列や提携の語学課程で English を修了してから本コースに進む形があります。弊社では、語学期間を含めた総費用と総期間を先に試算したうえで、留学するかどうかをご判断いただくようお願いしています。語学から数えると、実際には1年ではなく1年半〜2年の計画になる方が多いためです。

TAFE NSW の語学課程については TAFE NSW(Ultimo)の語学プログラム のページでも扱っています。

年齢・その他

費用と期間FEES & DURATION

学費について、確認できた数値が一致しません。弊社は以下の3つの数値を確認しましたが、どれが現行の正しい値かを断定できる材料がありません。そのため3つとも併記します。実際の金額は、TAFE NSW から発行される Letter of Offer に記載された額が唯一の確定値です。

出所掲載されていた金額弊社の注記
TAFE NSW 2026 International Student GuideAUD 17,425(コース全体)留学生向けガイドの一覧表に掲載された値。
TAFE NSW International のコース案内AUD 17,425〜20,040
+ 教材費等 AUD 300〜1,000 程度
幅で表示されていました。選択ユニットやキャンパスによって差が出る可能性があります。
第三者のコース比較サイトAUD 13,260これは国内学生向けの金額と考えられます。留学生の学費ではありません。参考として掲げていますが、留学生の予算計算には使えません。

学費以外に必ずかかるもの

弊社は推測の金額を書きません。OSHC・生活費・渡航費は、時期・都市・滞在形態(ホームステイ/シェア)で大きく変わります。ご希望条件をうかがったうえで、その時点の実額で総額をお出しします。「だいたいいくら」という数字を先に置くと、あとで足りなくなる方が出るためです。下のフォームからお問い合わせください。

期間

コース本体1年(フルタイム)
入学時期2月・7月
語学が必要な場合英語力に応じて追加。総期間 1年半〜2年になる方が多くいらっしゃいます。
キャンパスMeadowbank、Ultimo

よくあるご質問FAQ

Q1. 卒業後、subclass 485 で残ることはできますか。

できません。485 の Post-Vocational Education Work stream は、指名職業が MLTSSL に掲載されていることを要件としており、ANZSCO 391111 Hairdresser は MLTSSL に掲載されていません(STSOL には掲載されています)。この点は、このコースを検討するうえで最初に確認すべき事項だと弊社は考えています。なお、Post-Higher Education Work stream は学位等の課程を修了した方向けのストリームで、Certificate III はその対象になりません。

Q2. では、豪州で働き続ける方法はまったくないのですか。

「まったくない」わけではありませんが、雇用主に依存します。391111 は CSOL に掲載されているため、サロンがスポンサーとなれば subclass 482 Core Skills stream の対象になり、その先に 186(Temporary Residence Transition)への移行も視野に入ります。また、3年以上の職務経験と TRA の技能査定が揃えば 186 Direct Entry という道もあります。ただし、いずれも学校や弊社が保証できるものではなく、雇用主が指名要件(給与水準を含む)を満たす意思と体力を持っているかにかかっています。在学中からサロンとの関係を作れるかが実質的な勝負どころです。

Q3. 日本で美容師免許を持っています。豪州で働けますか。

日本の免許がそのまま通用するわけではありませんが、こちらの方向は道があります。ANZSCO 391111 の技能査定機関は TRA で、海外で訓練と職歴を積んだ方向けの Offshore Skills Assessment Program(OSAP)という枠組みがあります。日本での養成施設修了・免許・実務経歴が評価対象になり得ますが、対象職業・必要書類・実務年数の要件は個別に定められています。免許をお持ちの方は、留学よりも先に TRA の現行要件を確認された方が、時間もお金も節約できる場合があります。弊社ではその確認からお手伝いしています。

Q4. Certificate III のあと、Certificate IV や Diploma に進めますか。

制度上の順序としては SHB30416 → SHB40216 Certificate IV in Hairdressing → SHB50216 Diploma of Salon Management という積み上げがありますが、留学生がそのまま進める形にはなっていません。SHB40216 は入学要件として「Certificate III 修了後、サロン環境で最低1年のフルタイム勤務経験」が示されており、SHB50216 は「ヘア・ビューティ業界でマネージャーまたはスーパーバイザーとして現在勤務していること」を示す書面を TAFE NSW が求めると案内されています。つまりいずれも「働いている人」が前提で、卒業直後の留学生が要件を満たすのは困難です。加えて、弊社が確認した時点で TAFE NSW に開講中の Salon Management コースは見当たりませんでした。

Q5. SHB50121 は Diploma of Salon Management ではないのですか。

違います。弊社が確認した限り SHB50121 は Diploma of Beauty Therapy(ビューティセラピー=エステティック)で、Salon Management は SHB50216 です。TAFE NSW は SHB50121 を留学生向けに開講しており(CRICOS 112052A、1年、AUD 22,425、Granville/Liverpool/Ultimo、2月・7月)、ヘアではなくスキンケア・フェイシャル・ボディトリートメント等を扱います。ヘアドレッシングとは別の職業(ANZSCO は Beauty Therapist 451101 系)に向かうコースですので、混同しないようご注意ください。

Q6. Barbering(バーバー/理容)を学びたいのですが。

SHB30516 Certificate III in Barbering という資格は存在しますが、弊社が確認した 2026年の留学生向けガイドには掲載がなく、留学生が学生ビザで受講できるコースとしては見当たりませんでした(見習い前提の国内学生向けとして運用されている模様です)。ただし、SHB30416 のコアユニットには SHBHCUT005 Cut hair using over-comb techniques(オーバーコーム=刈り上げ技法)が含まれ、選択ユニットのグループにもメンズ寄りの方向づけがあります。「バーバー的な技術を含む美容師資格」としては SHB30416 で相当程度カバーできるとお考えください。開講状況は変わりますので、最新のコース一覧は出願時にご確認ください。

確認できなかったことWHAT WE COULD NOT VERIFY

弊社が公開情報を当たって確認しきれなかった事項を、正直に列挙します。これらは「ない」という意味ではなく、「弊社では裏が取れなかった」という意味です。判断に関わる項目については、必ず一次情報でご確認ください。

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本ページは、TAFE NSW および豪州政府の公開情報をもとに、ICN(オーストラリア留学情報館)が留学の検討材料としてまとめたものです。ビザ・移住に関する記述は、弊社が確認した時点の職業リストおよび公表要件にもとづく一般的な説明であり、個別の申請の可否・見通しについての助言ではありません。オーストラリアの移住法に関する助言は、法令上、登録移民代理人(Registered Migration Agent/MARA 登録)または豪州の法律実務家のみが行うことができます。個別のビザ申請については、必ず登録移民代理人にご相談ください。また、コース内容・学費・入学条件・職業リストはいずれも改定されます。最終的な確認は、TAFE NSW および Department of Home Affairs の発行情報でお願いいたします。日本の美容師免許に関する記述は、美容師法および厚生労働省の公開情報にもとづく一般的な説明です。

出典一覧SOURCES

1)コース・資格に関する情報

2)ビザ・職業リストに関する情報

3)豪州の労働市場・賃金

4)日本の美容師制度・統計・専門学校

※ 上記のうち、jobsandskills.gov.au、fairwork.gov.au、abs.gov.au、legislation.gov.au の一部ページは、弊社の作業環境からアクセスできず、内容の最終確認が取れていません。リンクは掲げていますので、必要に応じて直接ご参照ください。掲載内容は弊社が確認した時点のものです。