クイーンズランド州は 2032年ブリスベン五輪に向けた建設需要で、大工をはじめとする建設技能者が足りていないと各所で指摘されています。ただし、この分野には留学生にとって避けて通れない構造的な制約があります。オーストラリアの大工は本来 apprenticeship(見習い雇用契約)で資格を取る職種であり、学生ビザの留学生は apprenticeship に就けません。このページは、その事実を最初にお伝えしたうえで、それでも残る道筋を出典付きで整理するために作りました。
オーストラリアの大工は、本来「学校に行って取る資格」ではありません。正規のルートは apprenticeship(アプレンティスシップ=見習い雇用契約)です。建設会社などの雇用主と訓練契約(training contract)を結び、給料をもらいながら現場で働き、その一部の時間を RTO(訓練機関)での座学・実習に充てる、という形で3〜4年かけて Certificate III を取得します。TAFE Queensland の Certificate III in Carpentry のページにも、国内学生向けの案内として「You must already be employed to enrol as an apprentice or trainee with TAFE Queensland(アプレンティス/トレイニーとして入学するには、すでに雇用されている必要があります)」という趣旨の記載があることを弊社では確認しました。
そして、学生ビザ(subclass 500)の留学生は、この apprenticeship に就けません。Australian Industry Group の Centre for Education and Training が2025年6月12日付で公開したブログ記事には、「State and territory Governments decide eligibility for apprenticeships, and most of them restrict eligibility to Australian citizens or permanent residents, with a couple of minor exceptions. None allow those on a student visa to participate.(アプレンティスシップの資格要件は州・準州政府が決めており、その多くは豪州市民または永住者に限定している。学生ビザ保持者の参加を認めている州・準州はひとつもない)」と書かれています。実際、ACT 政府が公開している対象ビザ一覧でも、subclass 500 学生ビザは「対象外」の側に置かれています。
出典:Ai Group Centre for Education and Training「Should international students be eligible for apprenticeships?」(2025年6月12日)/ACT Government — Australian Apprenticeships: eligible visa holders。なお州ごとの取り扱いは異なり得るため、QLD 単独の州の一覧については後述の「確認できなかったこと」に記載しています。
では留学生はこの分野を学べないのか、というとそうではありません。TAFE Queensland は CPC30220 Certificate III in Carpentry を留学生向け(CRICOS 104863K)にも開講しており、こちらは apprenticeship ではなく フルタイムの学生として2年間(週3日)通い、400時間の実習(vocational placement)を承認された現場で行うという組み立てになっています。つまり「雇用契約なしで学ぶルート」は存在します。
ただし、そこから先に3つの段差があります。
「それでも建築・木工の技能を身につけたい」「時間をかけてでも豪州で職人として立ちたい」という方には意味のある選択肢だと弊社は考えています。逆に「2年通えば大工として永住できる」という理解の場合は、期待とのずれが大きいため渡航前に必ずご相談ください。
もう一点、キャンパスの注意です。留学生が受講できるコースはキャンパスごとに異なります。国内学生向けには Cairns、Townsville、Toowoomba など広い範囲で carpentry が開講されていますが、留学生向けの開講キャンパスはそれより限られます。「行きたい街」を先に決めてしまうと受講できないことがあるため、キャンパスとコースは必ずセットでご確認ください。
| 学校 | TAFE Queensland(RTO 0275 / CRICOS 03020E / 高等教育 PRV13003) |
| 主なコース | CPC30220 Certificate III in Carpentry(CRICOS 104863K)/MSF30322 Certificate III in Cabinet Making and Timber Technology(CRICOS 114314A) |
| 期間 | いずれも2年。Carpentry は「週3日通学」の形で案内されているのを弊社では確認しました。 |
| 実習 | いずれも 承認された現場での実習 400時間が組み込まれています。 |
| 留学生の学費 | Carpentry $27,800/Cabinet Making $26,800(弊社が確認できた2026年入学向けの金額。年度・入学期により改定されます) |
| 留学生向け開講 | Carpentry:Acacia Ridge(グレーター・ブリスベン)・Ashmore(ゴールドコースト)・Nambour(サンシャインコースト)/Cabinet Making:Acacia Ridge・Ashmore |
| 入学時期 | 2026年7月13日 / 2027年1月27日(弊社が確認した時点の案内。変更され得ます) |
| 英語条件 | Academic IELTS 6.0(各バンド 5.5 以上)または同等、と案内されているのを弊社では確認しました。 |
| 最重要ポイント | 学生ビザの留学生は apprenticeship に就けません。フルタイム学生として学ぶルートは存在しますが、移住まで見据える場合は卒業後の実務経験(TRA Job Ready Program 等)が別途必要になります。 |
| ANZSCO | 331212 Carpenter / 331211 Carpenter and Joiner / 331213 Joiner / 394112 Cabinet Maker(※ご指定の 394111 は要注意。②で説明します)/ 133111 Construction Project Manager |
| ビザ上の扱い | 331211・331212・331213・133111 は CSOL・186DE・MLTSSL いずれにも掲載を確認。Cabinet Maker はリストによってコードが違います(③参照)。 |
| QLD 特有 | 建設工事の請負には QBCC ライセンスが必要な場合があります。現場入場には 白カード(general construction induction)が必須です。 |
※ 学費・入学時期・開講キャンパス・英語条件はいずれも改定されます。最新の内容は TAFE Queensland の発表と、当社からのお見積りでご確認ください。
CPC30220 は、豪州の建設訓練パッケージ CPC(Construction, Plumbing and Services)に属する Certificate III です。training.gov.au が公開しているリリースファイルには、この資格が 「suitable for an Australian apprenticeship pathway」(豪州のアプレンティスシップ経路に適した資格である)と明記されています。つまり制度の設計思想として、雇用しながら育てることが前提に置かれた資格です。
内容は「木造住宅を一棟建てるために必要な作業」を一通り網羅する構成です。墨出しに始まり、床組、壁枠、天井枠、トラス、勾配屋根、軒、外部階段、外装材、内装造作、開口部まで、日本の在来木造で言えば「大工の手元から一人前まで」に相当する範囲が並び、足場、高所作業、簡易型枠とコンクリート、図面読解、積算といった現場運営の基礎も入ります。
training.gov.au のリリースファイルで弊社が確認したコアユニットは以下の28です。ユニットコードは資格の版によって差し替わるため、出願時点の最新版でご確認ください。
| コード | ユニット名 |
|---|---|
| CPCCCA2002 | Use carpentry tools and equipment |
| CPCCCA2011 | Handle carpentry materials |
| CPCCCA3001 | Carry out general demolition of minor building structures |
| CPCCCA3002 | Carry out setting out |
| CPCCCA3003 | Install flooring systems |
| CPCCCA3004 | Construct and erect wall frames |
| CPCCCA3005 | Construct ceiling frames |
| CPCCCA3006 | Erect roof trusses |
| CPCCCA3007 | Construct pitched roofs |
| CPCCCA3008 | Construct eaves |
| CPCCCA3010 | Install windows and doors |
| CPCCCA3016 | Construct, assemble and install timber external stairs |
| CPCCCA3017 | Install exterior cladding |
| CPCCCA3024 | Install lining, panelling and moulding |
| CPCCCA3025 | Read and interpret plans, specifications and drawings for carpentry work |
| CPCCCA3028 | Erect and dismantle formwork for footings and slabs on ground |
| CPCCCM2006 | Apply basic levelling procedures |
| CPCCCM2008 | Erect and dismantle restricted height scaffolding |
| CPCCCM2012 | Work safely at heights |
| CPCCCO2013 | Carry out concreting to simple forms |
| CPCCOM1012 | Work effectively and sustainably in the construction industry |
| CPCCOM1014 | Conduct workplace communication |
| CPCCOM1015 | Carry out measurements and calculations |
| CPCCOM3001 | Perform construction calculations to determine carpentry material requirements |
| CPCCOM3006 | Carry out levelling operations |
| CPCCWHS1001 | Prepare to work safely in the construction industry ← 白カードの元 |
| CPCCWHS2001 | Apply WHS requirements, policies and procedures in the construction industry |
| CPCWHS3001 | Identify construction work hazards and select risk control strategies |
出典:training.gov.au — CPC30220 リリースファイル(PDF)。同ファイルには、コア28ユニットに加えて選択7ユニット(うち5つ以上を Group A から選ぶ)という構成である旨も記載されています。
CPCCWHS1001 が入っていることの意味。これは、豪州の建設現場に入るために全員が必要な「white card(general construction induction card/白カード)」の基礎になるユニットです。TAFE Queensland の留学生向け入学条件にも、有効な白カードを持っているか CPCCWHS1001 を取得していることが挙げられているのを弊社では確認しました。詳しくは ③-D で説明します。
TAFE Queensland の CPC30220 のページには、承認された現場での 400時間の vocational placement が必要である旨が記載されているのを弊社では確認しました。これは apprenticeship の「雇用契約に基づく就労」とは別のもので、学業の一部として行う実習という位置づけです。受入先の確保、報酬の有無、保険の取り扱いなどの細部は弊社では確認できていないため、募集要項と入学前の説明で必ずご確認ください。
MSF30322 は MSF(Furnishing)訓練パッケージの Certificate III です。2022年の改定で、旧来「Cabinet Making」「Furniture Making」等に分かれていた領域が「Cabinet Making and Timber Technology」として整理され、キッチン・バスルームのキャビネット、家具、木工機械加工といった複数の選択経路を1つの資格の中に持つ構成になりました。TAFE Queensland のページで弊社が確認した限り、コア8ユニット+選択17ユニットという構成です。
| コード | ユニット名 |
|---|---|
| MSFFM2013 | Prepare surfaces |
| MSFFM3030 | Assemble furnishing components |
| MSFFM3031 | Fabricate custom furniture |
| MSFGN2001 | Make measurements and calculations |
| MSFGN3005 | Read and interpret work documents |
| MSMENV272 | Participate in environmentally sustainable work practices |
| MSMSUP102 | Communicate in the workplace |
| MSMSUP106 | Work in a team |
選択17ユニットは、General/Furniture/Kitchens and Bathrooms/Wood Machining といった経路ごとに束ねられており、どの経路を選ぶかで卒業後の職種イメージが変わります。住宅市場と直結する造作キャビネットの経路が求人量では最も厚いという見方が業界では一般的ですが、弊社として数値で裏付ける資料は確認できていないため、参考意見としてお読みください。
出典:TAFE Queensland — Certificate III in Cabinet Making and Timber Technology (MSF30322)/TAFE Queensland — Certificate III in Carpentry (CPC30220)
CPC50220 Diploma of Building and Construction (Building) は、弊社が確認した範囲では「留学生向けの開講」を確認できませんでした。TAFE Queensland の同コースのページには CRICOS コードの記載がなく、留学生向けの学習オプションも示されておらず、掲載されている学費は国内学生向けの full fee のみでした。また TAFE Queensland International の価格表にも同コースは載っていません。したがって「留学生が Diploma of Building and Construction に進める」とは、現時点では書けません。この点は「確認できなかったこと」にも再掲します。
一方、同じ価格表には CPP40121 Certificate IV in Residential Drafting(CRICOS 106738K・6か月・South Bank/Nambour/Coomera)と CPP50921 Diploma of Building Design(CRICOS 108107C・1年・South Bank/Coomera)が留学生向けに掲載されているのを弊社では確認しました。手を動かす施工ではなく住宅の作図・設計側に進みたい場合の選択肢になり得ます。ただしこの2コースの学費は弊社の確定情報に含まれていないため、金額はこのページには記載しません。お見積りをご依頼ください。
出典:TAFE Queensland — Diploma of Building and Construction (Building) (CPC50220)/TAFE Queensland International — International pricelist
ご相談時にいただくことの多い5つのコードについて、弊社で一つずつ照合しました。結論から書くと、4つは正しく、1つは「使う場面によっては誤り」になります。
| ご提示のコード | 職業名 | 検証結果 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 331212 | Carpenter | 正しい | 大工。CSOL・186DE・MLTSSL のいずれにも同じコードで掲載されているのを確認しました。 |
| 331211 | Carpenter and Joiner | 正しい | 大工と建具・造作の両方を行う職種。同じく3リストで確認。 |
| 331213 | Joiner | 正しい | 建具・造作工。同じく3リストで確認。 |
| 394111 | Cabinetmaker | 要訂正(条件付き) | MLTSSL(LIN 19/051)には 394111 Cabinetmaker として載っています。しかし CSOL および subclass 186 Direct Entry の職業リストには 394111 は載っておらず、代わりに 394112 Cabinet Maker が掲載されています。下で詳述します。 |
| 133111 | Construction Project Manager | 正しい | 建設プロジェクトマネージャー。3リストいずれにも掲載を確認。査定機関は VETASSESS。 |
これはANZSCO の版の違いによるものだと弊社では理解しています。
したがって実務上は、どのビザを見るかでコードを使い分ける必要があります。189/190/491/485 の文脈では 394111 Cabinetmaker、482(Core Skills stream)や 186 Direct Entry の文脈では 394112 Cabinet Maker(または家具寄りなら 394113 Furniture Maker)です。「394111 が CSOL に載っている」と書かれた情報を見かけた場合は、版が古い可能性があります。
出典:ABS — ANZSCO 2022, Unit Group 3941 Cabinet and Furniture Makers(弊社ではこのページで 394112 / 394113 への分割を確認しました)
| 職種 | 仕事の内容と、このコースとの関係 |
|---|---|
| 331212 Carpenter 大工 | 木造・軽量鉄骨の躯体、床・壁・屋根の下地、外装、内装造作を担う現場職。CPC30220 の主たる到達点です。 |
| 331211 Carpenter and Joiner 331213 Joiner | 躯体施工に加え、階段・建具・造作材の製作まで担う職種。331213 Joiner は建具・造作材を工房で製作し現場で取り付ける職種で、いずれも求人票では carpenter とひとまとめに書かれることが多く、実態は会社によります。 |
| 394112 Cabinet Maker キャビネットメーカー | キッチン・バスルーム等の造作キャビネットを木材・ラミネート・MDF から製作し取り付ける職種。MSF30322 の主たる到達点で、豪州の住宅リフォーム市場と直結しています。 |
| 394113 Furniture Maker 家具製作 | 家具そのものの製作。MSF30322 の Furniture 経路の到達点になり得ます。CSOL には掲載を確認しましたが、MLTSSL は要確認です。 |
| 133111 Construction Project Manager 建設プロジェクトマネージャー | 工程・原価・品質・安全を統括する職種。Certificate III を出てすぐ就ける職種ではありません。 |
133111 について、誤解が生じやすい点です。Certificate III in Carpentry は AQF レベル3の資格であり、133111 の技能査定(VETASSESS)で想定されている学歴水準とは大きな開きがあります。「Cert III → 数年働く → そのまま Construction Project Manager で申請」という道筋は、弊社としてお勧めできる形では確認できていません。この職種を目標にするなら、Diploma/学位といった上位課程と実務経験を積み上げる長期計画が必要です。
弊社が確認した範囲での掲載状況を、リストごとに整理します。〇=掲載を確認、×=掲載を確認できず(=載っていない)です。
| 職業(ANZSCO) | CSOL 482 Core Skills | 186 DE LIN 24/093 | MLTSSL 189/190/491/485 | STSOL | ROL | 技能査定機関 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 331211 Carpenter and Joiner | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | TRA |
| 331212 Carpenter | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | TRA |
| 331213 Joiner | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | TRA |
| 394111 Cabinetmaker (ANZSCO 2021 の番号) | × | × | 〇 | × | × | TRA |
| 394112 Cabinet Maker (ANZSCO 2022 の番号) | 〇 | 〇 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | TRA |
| 394113 Furniture Maker | 〇 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 |
| 133111 Construction Project Manager | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | VETASSESS |
「リストに載っている=ビザが下りる」ではありません。職業リストは入口の条件にすぎず、実際には技能査定(TRA/VETASSESS)、英語スコア、点数(189/190/491 の場合)、雇用主とスポンサーシップ(482/186 の場合)、そして賃金基準が別途かかります。2026年7月1日以降の基準額として、Core Skills Income Threshold(CSIT)AUD 79,499、Specialist Skills Income Threshold(SSIT)AUD 146,717 という数字が示されているのを弊社では確認しました。大工の初任給水準ではこの CSIT に届かないことがあり得るため、482 を前提に計画を立てる場合は必ず賃金の裏取りが必要です。
出典:Department of Home Affairs — Core Skills Occupation List(PDF)/Migration (LIN 24/093) Instrument 2024(subclass 186 Direct Entry)/Migration (LIN 19/051) Instrument 2019(MLTSSL / STSOL / ROL)/Home Affairs — Skilled occupation lists
各リストの日本語での全体像は、当社の CSOL(Core Skills Occupation List)解説ページもあわせてご覧ください。
ここが、このページで最もお伝えしたい部分です。「CPC30220 を留学生として修了した人は、どうやって実務経験の要件を満たすのか」という問いに、確認できた範囲でお答えします。
331211・331212・331213・394111/394112 のいずれも、上の表のとおり技能査定機関は TRA と指定されています。つまり、大工でも家具製作でも、ビザに使う技能査定は TRA を通ります。
TRA の Job Ready Program は、豪州の教育機関でトレード資格を取得した留学生向けに設計された、就労を通じた技能確認の枠組みです。弊社が移住手続きの解説記事等で確認した限り、おおむね次の流れです。
参加の前提としては、豪州の Certificate III 以上のトレード資格を CRICOS 登録コースで52週間以上学んで取得していること、および有効な学生ビザまたは卒業生ビザ(subclass 485 が一般的)を保持していることが挙げられているのを確認しました。全体で12〜15か月程度かかるという説明が一般的です。
正直にお伝えします。TRA のサイト(tradesrecognitionaustralia.gov.au)は、弊社の環境からは robots.txt の制約で本文を取得できませんでした。上記の手順・週数は移住実務の解説記事等から拾ったものであり、弊社では TRA のページ上で最終確認ができていません。実際に申請される際は、必ず TRA の案内と登録移民代理人の確認を受けてください。リンクのみ掲げます:Trades Recognition Australia — Job Ready Program
この時間軸の中で、最も読めないのが「JRE 用の雇用が見つかるか」です。52週間、関連職種で、要件を満たす形で雇ってくれる雇用主を自分で見つける必要があります。英語力、現場での立ち居振る舞い、白カード、運転免許(QLD の郊外現場では実質必須です)、在学中に築いた紹介の輪が効いてきます。この部分を「学校が用意してくれるもの」と考えないでいただきたい、というのが弊社からの率直なお願いです。
なお、この構造的制約は豪州国内でも議論されており、Jobs and Skills Australia は2024年に 「Apprenticeships: a missing pathway for international students?」という検討資料を公開しています(弊社の環境では本文を取得できませんでした)。前掲の Ai Group の記事も、現行のビザ設計が apprenticeship と噛み合っていないと指摘しています。将来的に制度が変わる可能性はありますが、現時点の計画は現行制度で立ててください。
クイーンズランド州では、建設工事の実施・請負に QBCC(Queensland Building and Construction Commission)のライセンスが必要になる場合があります。「Certificate III を持っている=仕事を請けられる」ではない点は、日本の感覚とずれやすいところです。
| 原則 | 建設工事(building work)の価値が 3,300 ドルを超える場合、QBCC ライセンスが必要とされています。 |
| 金額に関係なく必要 | 排水(drainage)、配管(plumbing)、ガス工事、化学的シロアリ処理、防火設備、建物検査、設計業務、機械設備工事などは金額にかかわらずライセンスが必要とされています。 |
| 1,100 ドル基準 | Hydraulic Services Design については 1,100 ドルの基準が示されています。 |
| 被雇用者の場合 | ライセンスを持つ事業者に雇われて働く人は原則として自分のライセンスは不要とされています。ただし工事を監督する立場・品質適合を保証する立場の人は該当ライセンスが必要と案内されています。職業ライセンス(occupational licence)が必要な業務は雇用形態にかかわらず必要です。 |
| 持ち家の自己施工 | 自己所有物件で 11,000 ドル以下の工事は免除の扱いが示されています。 |
出典:QBCC — When you need a licence
QBCC の carpentry ライセンスのページで弊社が確認した内容は、おおむね次のとおりです。
整理すると、こうです。「CPC30220 を修了 → 会社に雇われて大工として働く」までは、原則としてご自身の QBCC ライセンスは不要です。しかし「独立して工事を請け負う」「現場を監督する」段階には QBCC ライセンスが必要で、そこには技術要件だけでなく経営ユニットと財務要件がかかります。なお、申請にビザ上の在留資格の要件がかかるかどうかは確認できませんでした。
豪州の建設現場に入るには、州を問わず「白カード」と呼ばれる建設業一般安全教育の修了カードが必要です。QLD では WorkSafe Queensland が「general construction induction」として案内しています。
| 誰に必要か | QLD の建設業で働くすべての人。訓練を受けずに現場作業に従事することはできないとされています。 |
| 訓練の中身 | RTO(登録訓練機関)が提供する general construction induction training。ユニットコードは CPCCWHS1001 Prepare to work safely in the construction industry。 |
| 受講形態 | QLD では対面での訓練が求められる旨が案内されています(オンラインのみで完結しない)。 |
| 携帯義務 | カードは現場で携帯する必要があるとされています。 |
| 州をまたぐ扱い | 他州で発行されたカードは QLD でも認められ、QLD のカードも豪州全土で受け入れられるとされています。 |
| 失効の扱い | 2年間、建設業での就労実績がない場合は再受講が必要とされています。 |
出典:WorkSafe Queensland — General construction induction
留学生にとっての実務的な意味。CPC30220 のコアユニットには CPCCWHS1001 が含まれ、TAFE Queensland の留学生向け入学条件にも「有効な白カードを保持しているか、CPCCWHS1001 を取得していること」が挙げられているのを弊社では確認しました。渡航前に日本で取ることはできません(豪州の RTO による対面訓練が前提のため)。渡航後の早い段階で取得すると、在学中のアルバイト先の選択肢が広がります。卒業後にブランクを空けると「2年間の失効ルール」で再受講が必要になり得ます。
よくある誤解を訂正します。「ブリスベンは Category 2 の地方指定都市である」と説明されることがありますが、弊社が Home Affairs の指定地方地域(designated regional area)の郵便番号一覧を確認した限り、ブリスベンはCategory 2 にも Category 3 にも掲載されていませんでした。つまりブリスベンは、シドニー・メルボルンと同様に「指定地方地域ではない」扱いです。パース・アデレード・ゴールドコースト等が Category 2 に含まれる一方で、ブリスベンは含まれない、という整理になります。
これは subclass 491(Skilled Work Regional)や、地方就学に伴う 485 の延長などに直接関わる差です。「クイーンズランド=地方」ではありません。
弊社が確認した QLD の郵便番号の範囲は次のとおりです(2026年7月時点)。
| 区分 | QLD の郵便番号(弊社が確認した範囲) |
|---|---|
| Category 2 Cities and Major Regional Centres | 4019-4022、4025、4037、4074、4076-4078、4207-4275、4300-4301、4303-4305、4500-4506、4508-4512、4514-4516、4517-4519、4521、4550-4551、4553-4562、4564-4569、4571-4575 |
| Category 3 Regional Centres and Other Regional Areas | 4124、4125、4133、4183-4184、4280-4287、4306-4498、4507、4552、4563、4570、4580-4895 |
Ashmore(ゴールドコースト・4214)は 4207-4275 の範囲、Nambour(サンシャインコースト・4560)は 4553-4562 の範囲に入るため、いずれも Category 2 に該当します。Acacia Ridge(グレーター・ブリスベン・4110)は Category 2・Category 3 のいずれの範囲にも入りません(=指定地方地域ではありません)。
重要な注意。上の照合は、弊社がキャンパス所在地の郵便番号を一般的な情報から確認して当てはめたものです。郵便番号は住所単位で細かく分かれており、また一覧自体が改定されます。ご自身の住所・キャンパスがどの区分になるかは、必ず Home Affairs の一覧で郵便番号を直接ご確認ください。出典:Department of Home Affairs — Designated regional area postcodes
QLD の州指名(subclass 190/491)は Migration Queensland が運用しています。弊社が確認した時点では、2025-26年度の State Nominated Migration Program の Registration of Interest(ROI)は締め切られ、枠はすべて埋まっている旨が案内されており、今後の設定は豪州連邦政府からの通知待ちとされていました。州指名は年度ごとに枠と条件が変わるため、渡航2年後の条件を今の情報で確定的に読むことはできません。
建設業向けの経路が用意されている点は、この分野の追い風です。Migration Queensland は経路のひとつとして「building and construction workers(建設・建築の労働者)」を掲げています。弊社が確認した条件は次のとおりです。
そして Queensland Onshore Skilled Occupation List について弊社が確認した限り、331211・331212・331213・133111 はこの建設経路の対象としてフラグが立っており、394111 Cabinetmaker はリストには載っているものの建設経路の対象ではありません(491 のみの対象という整理)。家具・キャビネット系を選ぶ場合、QLD の州指名では大工より一段不利になる、ということです。
出典:Migration Queensland/Migration Queensland — Building and construction workers/Queensland Onshore Skilled Occupation List
DAMA は、地域の人手不足に合わせて職業や条件を緩和する労働協定の枠組みです。弊社が Home Affairs の一覧で確認した限り、クイーンズランド州には Far North Queensland DAMA(ケアンズ商工会議所が指定地域代表)と Townsville DAMA(Townsville Enterprise Limited が指定地域代表)の2つがあります。ダーリングダウンズ(トゥーンバ)の DAMA は、確認した現行13協定の一覧には含まれていませんでした。
ケアンズ・タウンズビルはいずれも留学生向けの carpentry 開講キャンパスではありませんが、卒業後に働く場所として検討する価値はあります。対象職業・条件は協定ごとに異なり随時改定されるため、個別の確認が必要です。
出典:Home Affairs — Designated Area Migration Agreements (DAMA)/Cairns Chamber of Commerce — FNQ DAMA/Townsville Enterprise — Townsville DAMA
| 項目 | Carpenters and Joiners(ANZSCO 3312) | Cabinetmakers(3941) |
|---|---|---|
| フルタイムの週あたり収入の中央値 | $1,760 | $1,216 |
| 就業者数 | 149,900人 | 33,100人 |
| 年あたりの増加見込み | 3,400人 | 1,600人 |
| Certificate III/IV 保有率 | 67.1% | 62.9% |
| 登録・免許 | 「registration or licencing may be required(登録または免許が必要な場合がある)」と記載 | — |
出典:Jobs and Skills Australia — Carpenters and Joiners (3312)/Jobs and Skills Australia — Cabinetmakers (3941)(いずれも弊社が確認した時点の掲載値。更新されます)
この2つの数字の差は、進路選択に直結します。週 $1,760 と週 $1,216 では、52週換算で約 $91,520 と約 $63,232 の開きです。もっとも、これは中央値であって初任給ではなく、資格を取った直後の水準はこれより低いのが通常です。また Cabinet Maker は工場・工房勤務が多く、労働環境が安定しているという別の価値もあります。なお 133111 の収入データは、弊社の環境から該当ページの本文を取得できなかったため記載していません。
QBCC が2025年12月3日に公開した記事「Queensland's building workforce ageing」で、弊社は次の数字を確認しました。
出典:QBCC — Queensland's building workforce ageing(2025年12月3日)
需要があることと、留学生が採用されることは別問題です。需要の中心は「即戦力の有資格者」であり、apprenticeship を修了した現地の職人がまず採られます。留学生が入っていくには、白カード、運転免許、工具、そして何より現場で通じる英語が必要です。在学中に現場に近いアルバイト(labourer、工場の組立など)で耳を慣らしておくことを、弊社では強くお勧めしています。
求人の実勢感を掴むための参考リンク(弊社では本文の数値を確認できていないため、金額は引用していません):SEEK — Carpenter salary/SEEK — Cabinetmaker salary
比較のために、日本側の公表値も出典付きで並べます。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の数値です。
| 職業 | 平均年収 | 平均年齢 | 労働時間 | 就業者数 | 関連資格として挙げられているもの |
|---|---|---|---|---|---|
| 大工 | 485.5万円 | 50.2歳 | 174時間/月 | 297,900人 | 二級建築士、木造建築士 |
| 型枠大工 | 414.5万円 | 41.9歳 | 166時間/月 | 40,840人 | 1級・2級型枠施工技能士 |
| 木材製造 | 434.2万円 | 44.9歳 | — | 273,160人 | — |
| 建具製造 | 434.2万円 | 44.9歳 | — | — | 1級・2級建具製作技能士 |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版 O-NET)job tag。上記各リンク先の掲載値。数値は更新されます。
「大工」の欄で最も注目すべきは、年収ではなく自営率です。job tag の大工のページでは自営率 64.6% という数値が示されています。日本の大工は6割以上が一人親方・自営であり、平均年収485.5万円も自営を多く含んだ数字だという点を踏まえて読む必要があります。豪州の「週あたり収入の中央値」(雇用者ベース)とは母集団の性質が違うため、単純比較はできません。もう一つが平均年齢50.2歳です。QLD の Joinery ライセンス保有者の平均53歳、Builder-Open 54歳と並べると、日豪ともに同じ「高齢化と後継者不足」を抱えていることが見えてきます。
国土交通省の資料では、建設業就業者数について「[H9]685万人(10.4%)⇒[R5]483万人(7.2%)」という推移が示されています。約四半世紀で3割近く減った計算です。同資料は「建設業は、他産業より賃金が低く、就労時間も長い」として、建設業 432万円/年(2,018時間/年)に対し、全産業 508万円/年(1,956時間/年)という比較も示しています。
国土交通省は「住宅分野における建設技能者の持続的確保に関する懇談会」を設置しており、弊社が確認した時点では全5回が開催され、2025年9月5日の第5回で「とりまとめ(案)」が議題となっていました。第2回では「工務店から見た大工の減少と問題点について」が扱われています。日本でも大工不足は政策課題として正面から議論されているということです。
出典:国土交通省 — 住宅分野における建設技能者に関する資料(PDF)/国土交通省 — 住宅分野における建設技能者の持続的確保に関する懇談会
この分野で豪州留学が「日本に戻っても効く」理由。日本の大工不足は構造的で、若手は希少です。そこに「豪州の建設現場で英語で働いた経験」「木造の別体系(プラットフォームフレーム+トラス)の実務知識」「英語で図面と仕様書を読める力」が加わると、輸入住宅、ツーバイフォー系、海外案件を持つゼネコン、あるいは自ら工務店を興す場面で差がつきます。「豪州に残る」以外の出口も、この分野には確かにあります。
「日本で学ぶならどうなるか」を考えていただくために、建築・大工系の専門学校を2校挙げます。いずれも実在を確認した学校です(弊社と提携関係にあるわけではありません)。
「設計技術と大工の職人技を学び、将来は木造建築のプロフェッショナルを目指す」と掲げる2年制の学科です。実習として、道具箱製作、墨付け、材料加工、木造技能実習、設計製図、軸組模型、階段加工などが挙げられています。在学中に建築大工技能士(2級・3級)、2級建築施工管理技士補などを目指し、卒業と同時に二級建築士・木造建築士の受験資格が得られる設計です。
「職と藝を結ぶ教育」を掲げ、建築職藝科(建築大工、家具・建具コース)と環境職藝科(造園・ガーデニングコース)を置く学校です。「庭づくりがわかる大工」「家づくりがわかる庭師」という言葉が使われ、実物実習を中心に据えている点が特徴的です。建築大工技能士、建築士、樹木医などが目標資格として挙げられています。1年制の専門課程があり、高卒同等の学力があれば年齢制限なく受け入れる旨の記載を確認しました。家具・建具コースがある点で、MSF30322 と比較しやすい学校です。
2校に見える、日本と豪州の設計思想の違い。日本の建築系専門学校は「大工技能」と「建築士(設計)」を同じ2年間に同居させているのが特徴で、卒業と同時に二級建築士の受験資格が得られるという組み立ては豪州の Certificate III には存在しません。一方、豪州の CPC30220 は施工技能に振り切っている代わりに、AQF の枠組みの中で全国共通の資格として通用し、ビザ制度と直結しています。「設計もできる大工」なら日本、「施工職人として豪州で働く」なら豪州、というのがひとまずの目安です。
| 観点 | 日本 | オーストラリア(QLD) |
|---|---|---|
| 職人になる標準ルート | 工務店等に就職して現場で覚える/専門学校・職業訓練校を経て就職。資格がなくても大工と名乗れる。 | apprenticeship(雇用契約+訓練)で Certificate III を取得するのが標準。留学生はこの経路に入れない。 |
| 技能の国家的な証明 | 技能検定(技能士)制度。合格すると「技能士」と名乗れる国家検定。建築大工技能士、型枠施工技能士など。 | AQF に基づく Certificate III。VET 資格そのものが技能の証明として機能し、RTO が発行する。 |
| 資格と就労の関係 | 技能士は「名称独占」で、無資格でも大工の仕事はできる。建設業許可や建築士は別制度。 | 雇われて働く分にはライセンス不要の場合が多いが、請負・監督には QBCC ライセンスが必要。現場入場には白カードが必須。 |
| 設計との関係 | 二級建築士・木造建築士など、設計側の資格に進む道が制度上つながっている。 | 施工(Carpentry)と設計(Building Design 等)は別系統のコース。Cert III から自動的に設計資格には進まない。 |
| 移民制度との関係 | — | 職業リスト(CSOL/MLTSSL)と直結。資格+実務経験+技能査定がビザに繋がる設計。 |
厚生労働省は技能検定を「働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度」と説明しています。弊社が確認した時点で 133職種(都道府県実施111職種、指定試験機関実施22職種)が対象とされ、「試験に合格すると合格証書が交付され、『技能士』と名乗ることができます」とされています。建築大工技能士もこの枠組みの中にあります。
ここが重要な非対称性です。日本の建築大工技能士は名称独占であり、持っていなくても大工の仕事はできます。対して豪州の Certificate III は就労のパスポートとしての性格が強く、さらにビザ制度に組み込まれています。「資格の重さ」が制度上まったく違うのです。
そしてもう一つ。日本の建築大工技能士は、豪州でそのまま通用しません。豪州で技能査定を受けるには TRA の枠組みを通る必要があり、日本での実務経験がどこまで評価されるかは個別の査定によります。逆に、豪州の Certificate III を日本の技能検定に振り替える仕組みも、弊社が確認した範囲では存在しません。「資格を持ち込む」のではなく「経験と英語を持ち込む」という発想の方が現実的です。
弊社としてお勧めできる方の像。「手を動かす仕事が本当に好き」「英語は今から本気でやる」「2年の学業+数年の実務という長い時間軸を受け入れられる」「木を扱う仕事を一生の職にしたい」。この4つが揃う方には強い選択肢です。逆に「短期間で永住したい」が主目的の場合は、他分野との比較検討を強くお勧めします。
「シドニーの方が仕事があるのでは」というご質問をよくいただきます。この分野に限っては、入口の有無という点で決定的な差があります。
| 観点 | TAFE Queensland | TAFE NSW |
|---|---|---|
| Certificate III in Carpentry の留学生向け開講 | あり(CPC30220・CRICOS 104863K) | 弊社が確認した範囲では、留学生向けには提供されていません |
| Certificate III の家具・キャビネット系 | あり(MSF30322・CRICOS 114314A) | 同上(Certificate III のトレード系は留学生向けに確認できていません) |
| 留学生が入れる建設系 | Carpentry/Cabinet Making のほか、Residential Drafting(CPP40121)、Building Design(CPP50921) | Certificate IV / Diploma of Building and Construction(CPC40120・CPC50220)など管理・設計側が中心 |
| 実技で「手に職」を付けられるか | 付けられる(400時間の実習込み) | 管理・設計側からの参入になります |
| ライセンス制度 | QBCC(3,300ドル超の建設工事に必要) | NSW Fair Trading 系のライセンス制度 |
| 地方指定 | ゴールドコースト・サンシャインコーストは Category 2。ブリスベンは指定地方地域ではありません。 | シドニーは指定地方地域ではありません(NSW の地方部は対象)。 |
結論として、「大工の技能そのものを豪州で身につけたい」という目的であれば、TAFE Queensland は数少ない現実的な入口です。TAFE NSW 側の事情については、TAFE NSW 建設・ビルディング(CPC40120・CPC50220)のページで詳しく整理しています。「なぜ NSW では留学生がトレード資格を取れないのか」という制度側の説明も、そちらに書きました。あわせてお読みいただくと、この分野の全体像が掴めるはずです。
※ TAFE NSW について「留学生向けに提供されていない」と断定した文書を TAFE NSW 自身が出しているわけではありません。弊社が留学生向けの分野一覧と International Student Guide を確認した範囲での整理です。個別コースの可否は都度確認のうえご案内します。
| 英語 | Academic IELTS 6.0(各バンド 5.5 未満なし)または同等と案内されているのを弊社では確認しました。 |
| 学歴 | Year 10(日本の高校1年修了相当)以上の修了、または同等。 |
| 年齢 | 最低17歳。入学初年度中に18歳になること。18歳未満の場合は保護・生活環境(welfare arrangements)の手配が必要とされています。 |
| 安全資格 | 有効な白カード(construction induction card)を保持しているか、CPCCWHS1001 を取得していること。 |
| 実習 | 承認された現場での 400時間 の vocational placement。 |
| 英語 | Academic IELTS 6.0(各バンド 5.5 未満なし)または同等。 |
| 学歴 | Year 10 以上の修了、または同等。 |
| 年齢 | 最低17歳。 |
| 受講形態 | オンキャンパス 100%。実習 400時間。 |
出典:TAFE Queensland — CPC30220/TAFE Queensland — MSF30322。入学条件は改定されます。出願時点の募集要項をご確認ください。
IELTS 6.0(各5.5以上)という数字を、軽く見ないでください。トレード系は「英語が要らない」と思われがちですが、この条件は保育や看護と同水準の入口です。しかも実際の現場では、書類上のスコアより聞き取りと即応が問われます。現時点でスコアが足りない場合は、まず語学から入るのが遠回りに見えて確実です。
TAFE Queensland English College(TQEC)が ELICOS(留学生向け英語コース)を提供しています。General English、English for Academic Purposes(EAP)、IELTS Preparation といったコースが公開されているのを弊社では確認しました。英語コースから本科へ進む形(パッケージ出願)の可否、必要な週数、進学時の英語条件の扱いは細部まで確認できていないため、個別にお問い合わせください。
語学学校からの流れについては、当社の TAFE Queensland の語学コース紹介ページもご覧ください。
| コース | コード/CRICOS | 期間 | 留学生学費 | 留学生向けキャンパス |
|---|---|---|---|---|
| Certificate III in Carpentry | CPC30220 / 104863K | 2年(週3日) | $27,800 | Acacia Ridge/Ashmore/Nambour |
| Certificate III in Cabinet Making and Timber Technology | MSF30322 / 114314A | 2年 | $26,800 | Acacia Ridge/Ashmore |
| Certificate IV in Residential Drafting | CPP40121 / 106738K | 6か月 | お問い合わせください | South Bank/Nambour/Coomera |
| Diploma of Building Design | CPP50921 / 108107C | 1年 | お問い合わせください | South Bank/Coomera |
金額の扱いについて、正直に書きます。上の $27,800/$26,800 は、弊社が2026年入学向けとして確認できた金額です。一方で、TAFE Queensland のコースページや International pricelist には、より後の入学期について、これと異なる(より高い)金額が示されている場合があります。弊社としては、確認できた金額のみを掲載し、それ以外の金額は推測で書かない方針を取っています。2027年入学分の正確な金額を含め、最新額は必ずお見積りでご確認ください。Residential Drafting と Building Design の学費も、弊社の確定情報として持っていないためこのページには記載していません。
出願料、教材費・工具代(安全靴・作業服を含む実費)、白カードの受講料、OSHC(留学生健康保険)、学生ビザ申請料、生活費、航空券が別途かかります。加えて QLD では、建設現場に通うために実質的に自動車が必要な地域が多くあります。これらの金額は弊社では確認できていないものが多く、このページには記載していません。
総額のシミュレーションは無料でお出しします。「学費だけ」でなく2年間の総支出でご検討いただくことを、弊社では強くお勧めしています。
あります。ただし「apprenticeship の代わりになる」のではなく、別のルートの入口だとお考えください。得られるものは、①全国共通の Certificate III という資格、②400時間の実習を含む実技の基礎、③白カードと現場英語、④卒業後に subclass 485 を検討できる立場、の4つです。そのうえで移住まで進むには、卒業後に TRA の Job Ready Program 等で実務経験を積む段階が別途必要です。「2年で完結する話ではない」という前提で計画を立ててください。
評価される可能性はありますが、自動的ではありません。豪州の技能査定には、豪州外で技能を身につけた人向けの枠組みも存在します。ただし、どの経路が使えるか、日本での経験年数と内容がどう評価されるかは個別の査定によります。弊社ではこの部分の要件を最終確認できていないため、経験をお持ちの方はまず登録移民代理人にご相談ください。学校に行くより先に査定の見込みを立てた方が合理的な場合があるためです。
判断材料を3つ挙げます。①収入:Jobs and Skills Australia の掲載値では、フルタイム週収の中央値は Carpenters and Joiners が $1,760、Cabinetmakers が $1,216 です。②州指名:QLD では大工系(331211/331212/331213)が建設労働力の経路の対象である一方、Cabinetmaker(394111)は対象外で 491 のみという整理を弊社では確認しました。③働く環境:大工は屋外の現場、キャビネットは工房・工場が中心です。移住を重視するなら大工系、ものづくりそのものを重視するならキャビネット系、というのが大まかな目安です。
制度上の道はありますが、Certificate III だけでは足りません。QBCC の carpentry ライセンスでは、技術要件に加えて経営に関するユニット(BSBESB402)と最低財務要件を満たす必要があると案内されています。また、そもそも独立して事業を営めるビザ上の資格が必要で、学生ビザや 485 の段階では制約が伴い得ますので、必ず登録移民代理人にご確認ください。現実的な順序は「雇われて働く → 経験と資金を作る → 在留資格を安定させる → ライセンスを取る」です。
いいえ。弊社が Home Affairs の指定地方地域の郵便番号一覧を確認した限り、ブリスベンは Category 2 にも Category 3 にも含まれていません。一方、ゴールドコースト(Ashmore 4214)とサンシャインコースト(Nambour 4560)は Category 2 の範囲に入ります。地方関連の要素を重視されるなら、キャンパス選択がそのまま効いてきます。ただし郵便番号は住所単位で細かく一覧も改定されますので、必ず出願前に Home Affairs の一覧でご確認ください。
弊社としては、その考え方はお勧めしません。豪州の建設現場は WHS(労働安全衛生)の運用が厳格で、安全に関する指示を理解できないことは、それ自体が雇用のリスクと見なされます。CPC30220 のコアに WHS 関連が3つ入っていること、白カードが全員必須であることが、その文化を表しています。加えて TRA の職場アセスメントではアセッサーと英語で対話します。「手が動けば黙っていても評価される」という日本の職人文化とは前提が違うとお考えください。
このページを作るにあたり、弊社が公開情報で確認しきれなかった点を正直に列挙します。ご検討の際は、これらを「不明」としてお取り扱いください。
上記のうち、ご検討に直結する項目については、カウンセリングの中で学校および関係機関に個別に照会したうえでご回答します。
学歴・職歴・英語力・ご予算・目標時期をうかがって、このコースが現実的かどうかを率直にお伝えします。合わないと判断した場合は、その理由と代わりの選択肢もお出しします。
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