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TAFE QUEENSLAND / HAIRDRESSING AND BEAUTY THERAPY

美容(ヘアドレッシング)・ビューティセラピー

SHB30416 Certificate III in Hairdressing / SHB50121 Diploma of Beauty Therapy

クイーンズランドで美容を学ぶ計画を立てる前に、どうしても先にお伝えしなければならないことが二つあります。ひとつはヘアドレッシングがオーストラリアでは apprenticeship(見習い雇用契約)で育てる職業であり、学生ビザの留学生はその apprenticeship に就けないということ。もうひとつは日本の美容師免許とオーストラリアの資格は、どちらの方向にもそのままでは通用しないということです。このページは、その二点を最初に説明したうえで、TAFE Queensland のコース内容・ビザ上の扱い・州独自の規制を、弊社が確認できた範囲だけで組み立てています。

TAFE Queensland/RTO 0275・CRICOS 03020E Cert III 18か月/Diploma 1年 ANZSCO 391111 / 451111 / 142114 2職種とも MLTSSL には載っていません 技能査定:TRA・VETASSESS QLD はレーザー使用に州免許あり
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最初にお伝えすべきことPLEASE READ THIS FIRST

1. Certificate III in Hairdressing を修了しても、それだけでクイーンズランドの美容師として働けるとは限りません。

オーストラリアのヘアドレッシングは、本来 apprenticeship(見習い雇用契約)で育てる職業です。サロンに雇用されながら、雇用主・訓練機関・州の三者契約のもとで数年かけて Certificate III を取得するのが標準的な道筋で、TAFE Queensland の国内学生向けページでも、この資格は apprenticeship を前提に案内されています。一方、Australian Apprenticeships の仕組みは学生ビザ保持者を対象としていません。つまり留学生は「学校で学ぶ側」には入れても、「雇用されながら育つ側」には入れない構造になっています。

留学生向けに開講される Certificate III in Hairdressing は、サロンを模した学内実習環境と有償・無償のクライアント施術を通して技能を積む形になります。技能そのものは身につきますが、「Certificate III 修了=現場で即戦力の hairdresser として雇用される」ではありません。修了直後の就労機会は、junior stylist、salon assistant、shampoo technician といった補助的な役割から始まることが多いとお考えください。

2. Hairdresser も Beauty Therapist も MLTSSL には載っていません。ここがビザ計画の分かれ目です。

弊社が確認した限り、391111 Hairdresser は CSOL(subclass 482 Core Skills stream 用)と subclass 186 Direct Entry の職業リスト、そして STSOL には掲載されていますが、MLTSSL には掲載されていません451111 Beauty Therapist は CSOL と 186 Direct Entry には掲載されていますが、MLTSSL・STSOL・ROL のいずれにも掲載されていません

この結果、subclass 189(独立技術移住)は両職種とも使えません。また subclass 485 の Post-Vocational Education Work stream は MLTSSL 掲載職業であることが条件とされているため、この2職種では 485 のこのストリームを使えないと理解しておく必要があります。「TAFE を出れば卒業ビザで2年働ける」という一般論は、この分野には当てはまりません。

3. 日本の美容師免許は、オーストラリアではそのままでは使えません。逆も同じです。

日本の美容師免許は美容師法にもとづく厚生労働大臣免許で、都道府県知事指定の美容師養成施設(昼間課程で2年以上)を修了し、国家試験に合格して初めて取得できます。オーストラリアには美容師の国家免許制度がなく、代わりに SHB Training Package の資格(Certificate III など)と、州ごとの衛生・安全規制で運用されています。制度の作りがそもそも違うため、日本の美容師免許を持っていてもオーストラリアの資格に自動的に読み替えられることはなく、Certificate III を取得しても日本の美容師免許にはなりません。日本で美容師として働くには、日本の養成施設を出て国家試験に合格する以外の道は原則ありません。

4. Certificate IV in Beauty Therapy(SHB40121)と Diploma of Salon Management(SHB50216)は、TAFE Queensland のコース一覧に見当たりませんでした。

弊社が TAFE Queensland のビューティ系・ヘア系のコース一覧ページを確認した範囲では、掲載されていたのは Diploma of Beauty Therapy、Certificate III in Beauty Services、Certificate III in Make-Up、Certificate III in Nail Technology、Certificate III in Beauty Services / Diploma of Beauty Therapy(ダブル)、まつげエクステのスキルセット、そしてヘア系では Certificate III in Hairdressing、Certificate III in Barbering、Certificate II in Salon Assistant、Barbering Skill Set でした。SHB40121 Certificate IV in Beauty Therapy と SHB50216 Diploma of Salon Management は、国内学生向け・留学生向けのいずれのページでも確認できませんでした。「開講されていない」と断定はしませんが、この2つを前提にした留学計画は現時点では立てないほうが安全です。

それでもこの分野を選ぶ意味はどこにあるのか。弊社が考える現実的な位置づけは、(1) 英語環境で美容技術と接客を身につけ、帰国後に「英語対応できる美容職」として差別化する、(2) Diploma of Beauty Therapy(AQF レベル5)まで進んで、より上位の資格・実務につなげる足場をつくる、(3) 就労ビザ(subclass 482 Core Skills stream)や 186 Direct Entry を、雇用主のスポンサーシップを前提とした長期計画として視野に入れる、の三つです。「学校を出れば永住につながる」という組み立ては、この分野では成立しにくいとお考えください。

30秒で分かるこのコースSUMMARY

提供機関TAFE Queensland(RTO 0275/CRICOS 03020E)
扱う2コースSHB30416 Certificate III in Hairdressing(CRICOS 095203C・18か月・AUD 18,300)
SHB50121 Diploma of Beauty Therapy(CRICOS 111236A・1年・AUD 28,800)
目指す職種Hairdresser(ANZSCO 391111・skill level 3)/Beauty Therapist(ANZSCO 451111・skill level 3)/将来的に Hair or Beauty Salon Manager(142114・skill level 2)
技能査定機関391111 は Trades Recognition Australia(TRA)、451111 と 142114 は VETASSESS
最重要ポイント391111・451111 とも MLTSSL には載っていません。したがって subclass 189 は使えず、subclass 485 の Post-Vocational Education Work stream も使えません。使う可能性があるのは subclass 482 Core Skills streamsubclass 186 Direct Entry(いずれも雇用主のスポンサーシップが前提)です。
州指名(QLD)弊社が確認した第三者のまとめでは、2025-26 年度の Queensland Skilled Occupation List にこの3職種は含まれていません。加えて 2025-26 年度の州指名枠はすでに締め切られています(Migration Queensland の告知)。
apprenticeshipヘアドレッシングは本来 apprenticeship 職種。学生ビザでは apprenticeship に就けません。技能査定に必要な実務経験を積むには、修了後に別の在留資格で就労するか、TRA の Job Ready Program を通る必要が出てきます。
QLD 独自の規制クイーンズランド州は、美容目的のレーザー使用に州の免許を求めています(Radiation Safety Act 1999。use licence と possession licence)。ニューサウスウェールズ州にはこの制度がありません。ビューティ系を学ぶうえで州選びに直結する差です。
地方区分ブリスベンは Category 1(地方扱いではありません)。Gold Coast・Sunshine Coast は Category 2、Cairns・Townsville・Toowoomba などは Category 3。キャンパス選びが 491 や地方加点に直結します。
入学条件(目安)Certificate III:オーストラリアの Year 10 相当以上/Diploma:Year 12 相当以上。英語は Certificate III・IV・Diploma・Advanced Diploma とも IELTS Academic 総合 6.0・各項目 5.5 以上が基準として案内されています(コースにより上乗せあり)。
このページの立場弊社は留学手続きの会社です。ビザに関するご相談は在籍する登録移民代理人が担当します。本ページは 2026年7月時点で公開情報から確認できた範囲をまとめたもので、確認できなかった点は末尾に列挙しています。

職業リストの掲載有無は CSOL(Core Skills Occupation List)の解説ページもあわせてご覧ください。リストは随時改定されるため、最終確認は申請時点の内務省の告示でお願いします。

① コースの主旨と学習ユニットWHAT YOU ACTUALLY STUDY

SHB30416 Certificate III in Hairdressing

SHB Hairdressing and Beauty Services Training Package に含まれる、ヘアドレッサーの入口となる資格です。全国共通のパッケージ規則では 合計28ユニット(コア21+選択7)と定められています。選択7ユニットは、グループA の3ユニット全部かグループB の3ユニット全部のいずれかを選び、残り4ユニットをグループC から取る構成です。

ユニット数について、公開情報に食い違いがあります。TAFE Queensland のコースページには「すべてのコアユニットと7つの選択ユニットを修了する」とあり、そこに並ぶコアユニットは18件と読み取れました。一方、training.gov.au のリリースファイル(PDF)ではコアは21ユニットです。弊社ではどちらが最新の運用かを確定できていません。以下の表は training.gov.au のリリースファイルにもとづくコア21ユニットです。実際に履修するユニットはキャンパス・入学期により変わり得るため、確定情報は出願時にご確認ください。

ユニットコード内容
SHBHIND001道具・機器・作業スペースの管理と整備
SHBHIND003顧客基盤の開拓と拡大
SHBHBAS001シャンプー・ベーシン施術
SHBHCLS002ヘアカラーとライトニング
SHBHCLS003フルヘッド/パーシャルのハイライト
SHBHCLS004不要な色味・トーンの補正(ニュートラライズ)
SHBHCLS005オンスカルプのフルヘッド/リタッチ ブリーチ
SHBHCUT001ヘアカット構造の設計
SHBHCUT002ワンレングス/ソリッド構造のカット
SHBHCUT003グラデーション構造のカット
SHBHCUT004レイヤー構造のカット
SHBHCUT005オーバーコーム技法によるカット
SHBHDES003仕上げのヘアデザイン
SHBHREF002薬剤によるストレート/リラクゼーション施術
SHBHTRI001毛髪・頭皮の状態の判別と施術
SHBXCCS001サロンでの金銭授受・会計処理
SHBXCCS002クライアントへのサロンサービス提供
SHBXIND001パーソナルサービス環境における組織要件の遵守
SHBXIND002サロンチームの一員としてのコミュニケーション
SHBXWHS001衛生・健康・安全な作業の実践
BSBSUS201環境に配慮した働き方への参加

出典:training.gov.au — SHB30416 リリースファイル(PDF)TAFE Queensland — Certificate III in Hairdressing

読み取っておきたい点。コアの内訳を見ると、カット系5ユニット・カラー系4ユニットが中核で、そこにシャンプー、ストレート/パーマ、毛髪と頭皮の診断、仕上げデザインが加わります。日本の美容専門学校が扱う「まつげエクステ」「着付け」「ネイル」「メイク」といった領域は、この資格のコアには含まれません。オーストラリアの Certificate III in Hairdressing は、ヘアに特化した資格だとお考えください。ネイルやメイクは別の Certificate III(Nail Technology、Make-Up)として分かれています。

もうひとつ、SHBHIND003「顧客基盤の開拓と拡大」と SHBXCCS001「サロンの金銭授受」がコアに入っているのは、オーストラリアの美容業界がスタイリスト個人の顧客獲得力とレジ業務までを一体で評価する文化であることの表れです。日本の養成課程よりも「商業実務」の比重が高いのが特徴です。

SHB50121 Diploma of Beauty Therapy

AQF レベル5、パッケージ規則では 合計29ユニット(コア20+選択9)です。選択9ユニットは、グループA(感染管理)から1ユニット、さらにグループB(電気脱毛・ジアテルミー)、グループC(リラクゼーションマッサージ)、グループD(スパトリートメント)のいずれか一つのグループを丸ごと履修し、残りを他から選ぶ構成です。TAFE Queensland のコースページでは、スパトリートメントまたはリラクゼーションマッサージの専攻が案内されていました。

ユニットコード内容
SHBBSSC001皮膚の構造と機能に関する知識の活用
SHBBSSC002身体の構造と機能に関する知識の活用
SHBBFAS004まつげ・眉の施術
SHBBFAS005フェイシャルトリートメントとスキンケア提案
SHBBFAS006専門的なフェイシャルトリートメント
SHBBBOS008ボディマッサージ
SHBBHRS010ワクシング(脱毛)施術
SHBBMUP009メイクアップの設計と施術
SHBBNLS007マニキュア・ペディキュア
SHBBNLS011ネイル施術での電動ファイル機器の使用
SHBBCCS005美容製品・サービスに関する助言
SHBBRES003美容業界情報の調査と活用
SHBXCCS005パーソナルサービス現場での健康維持
SHBXCCS006ビューティセラピーにおける栄養面の助言
SHBXCCS007サロンでの金銭授受・会計処理
SHBXCCS008クライアントへのサロンサービス提供
SHBXIND003組織要件の遵守
SHBXWHS003衛生・健康・安全な作業の実践
SIRXOSM002ソーシャルメディア利用における倫理・職業基準の維持
SIRXSLS001店頭での販売

出典:training.gov.au — SHB50121 リリースファイル(PDF)TAFE Queensland — Diploma of Beauty Therapy。SHBBBOS008・SHBBFAS005・SHBBFAS006・SHBBNLS007 には前提ユニットの指定があります。

日本のエステティシャン養成との最大の違い。コアに SHBBSSC001(皮膚の構造と機能)・SHBBSSC002(身体の構造と機能)という解剖生理系のユニットが入っていること、そして SIRXSLS001(店頭販売)・SIRXOSM002(SNS における職業倫理)という小売・広報系のユニットが入っていることです。オーストラリアのビューティセラピストは「施術者」であると同時に「製品販売員」であり、その両方が資格要件として明文化されています。

また SHB60118 Advanced Diploma of Cosmetic Tattooing / Intense Pulsed Light and Laser のような上位資格に進む場合、Diploma 修了に加えて実務経験や看護資格が求められるのが一般的です。TAFE Queensland がこの Advanced Diploma を開講しているかは、弊社では確認できませんでした。

実習環境

TAFE Queensland は、実際に一般客を受け入れるトレーニングサロンを各キャンパスに持ち、そこを教室として使う形をとっていると案内しています。Certificate III in Hairdressing のページには「教室と実際に機能しているプロのサロン環境」で学ぶとあり、Diploma of Beauty Therapy のページには「業界水準のプロのサロンを教室として使う」とあります。ただし、外部の事業所での職場実習(vocational placement)が何時間必要かは、弊社では確認できませんでした。

② このコースで就ける職種(ANZSCO)OCCUPATIONS

オーストラリアの職業分類は ANZSCO(Australian and New Zealand Standard Classification of Occupations)で管理されます。ビザ・技能査定・賃金基準のすべてがこのコードを軸に動くため、コード番号を正確に押さえることが出発点になります。

よくある取り違えについて。「Beauty Therapist は 451612」と書かれた資料を見かけることがありますが、弊社が確認した限り 451612 は Travel Consultant(旅行相談員)です。Beauty Therapist の正しいコードは 451111 で、Unit Group 4511 Beauty Therapists に属します。数字が1桁違うだけで技能査定機関も対応ビザも変わるため、ここは必ずご確認ください。

ANZSCO職業名Skill Level技能査定機関このコースとの関係
391111Hairdresser3Trades Recognition Australia(TRA)SHB30416 Certificate III in Hairdressing が対応。ANZSCO の要件は「AQF Certificate III + 2年以上の実地訓練、または AQF Certificate IV」相当
451111Beauty Therapist3VETASSESSSHB50121 Diploma of Beauty Therapy が対応。専門分野として electrology、manicuring、nail technology が挙げられています
142114Hair or Beauty Salon Manager2VETASSESS直接この2コースで到達する職種ではありません。Unit Group 1421 Retail Managers に属し、AQF Associate Degree/Advanced Diploma/Diploma、または3年以上の関連実務経験が想定されています

出典:ANZSCO 各職業の skill level・査定機関は anzscosearch.com 391111同 451111同 142114 で確認しました。同サイトの一部情報は有料会員向けのため、弊社が読めた範囲に限られます。

391111 の「2年以上の実地訓練」がこのページの核心です。ANZSCO 上、Hairdresser は「Certificate III + 2年以上の on-the-job training」を前提にした skill level 3 の職業とされています。ところが留学生は apprenticeship に就けないため、この「2年以上の実地訓練」を学生ビザ期間中に満たすことが構造的に難しいのです。TRA の技能査定を通すためにどういう順番で経験を積むかは、③の後半で扱います。

Certificate III 修了直後に現実的な役割

Diploma of Beauty Therapy 修了後に現実的な役割

③ ビザ対応職種としての扱いOCCUPATION LISTS AND VISA SUBCLASSES

③-A リストごとの掲載有無(結論)

リスト391111 Hairdresser451111 Beauty Therapist142114 Salon Manager
CSOL(Core Skills Occupation List/LIN 24/089)
→ subclass 482 Core Skills stream
掲載あり査定機関 TRA掲載あり査定機関 VETASSESS載っていません
subclass 186 Direct Entry 用リスト(LIN 24/093)掲載あり(行番号396・TRA)掲載あり(行番号440・VETASSESS)載っていません
MLTSSL(LIN 19/051)
→ 189/190/491/485 Post-Vocational
載っていません載っていません載っていません
STSOL(LIN 19/051)掲載あり(skill level 3・TRA)載っていません載っていません
ROL(Regional Occupation List/LIN 19/051・77職種)載っていません載っていません載っていません

出典:CSOL・186DE は Department of Home Affairs — Skills occupation list および LIN 24/093 の告示本文(PDF・第三者が掲載している写し)で行単位まで確認しました。MLTSSL/STSOL/ROL は anzscosearch.com MLTSSLSTSOLROL の一覧で確認しました。legislation.gov.au 上の LIN 19/051(F2019L00278)本体は、弊社の環境では別表の中身まで取得できませんでした。この点は末尾の「確認できなかったこと」にも記載しています。

391111 Hairdresser が MLTSSL に載っているか。弊社が確認した限り、載っていません。「ヘアドレッサーは人手不足だから永住しやすい」という説明を見かけることがありますが、人手不足であることと MLTSSL に載っていることは別の話です。Jobs and Skills Australia の 2025 Occupation Shortage List では Hairdresser も Beauty Therapist も全国・クイーンズランド州とも「Shortage(不足)」と評価されていますが、それは職業リストの掲載を意味しません。この二つを混同した計画は、修了後に行き詰まります。

③-B 使える可能性のある subclass、使えない subclass

subclass391111 Hairdresser451111 Beauty Therapist備考
500 学生該当該当在学中のビザ。就労時間の上限が定められています
482 Skills in Demand(Core Skills stream)可能性あり可能性ありCSOL 掲載職。承認済みスポンサー企業の指名が前提。技能査定・英語・賃金基準を満たす必要があります
186 Direct Entry可能性あり可能性ありLIN 24/093 掲載職。技能査定と3年の実務経験が一般的な要件です
186 Temporary Residence Transition可能性あり可能性あり482 で一定期間就労した後の道筋。職業リストの制約は Direct Entry ほど強くありません
189 独立技術移住使えません使えませんMLTSSL 掲載が条件のため
190 州指名現状は困難現状は困難MLTSSL 掲載が条件。加えて QSOL にも見当たりません
491 地方州指名現状は困難現状は困難MLTSSL または ROL 掲載が条件。いずれにも載っていません
485 Post-Vocational Education Work stream使えません使えませんMLTSSL 掲載職業であること・申請時35歳以下が条件とされています。両職種とも MLTSSL 非掲載のため使えません
485 Post-Higher Education Work stream学位まで進んだ場合のみ学士以上が対象のストリーム。Certificate III/Diploma では対象になりません
191 永住(地方)前提を満たしにくい前提を満たしにくい491/494 を保持していることが前提です

subclass 485 の各ストリームの条件は Department of Home Affairs — Temporary Graduate visa (subclass 485) をご確認ください。弊社の環境では同ページの本文(年齢・英語・職業リスト要件の具体的記述)を取得できず、ストリーム名と趣旨の確認までにとどまっています。

③-C 技能査定:TRA と VETASSESS で道筋が違います

391111 Hairdresser → TRA

Trades Recognition Australia

トレード職の査定機関です。オーストラリア国外での経験を査定する Offshore Skills Assessment Program(OSAP)と、オーストラリア国内で経験を積みながら査定を受ける Job Ready Program(JRP)があります。留学生が現地で資格を取った場合、実務経験が足りないため JRP を通ることになるのが一般的です。

451111 Beauty Therapist・142114 → VETASSESS

Vocational Education and Training Assessment Services

一般職・技術職の査定機関です。Beauty Therapist は Group D(資格と職務内容の高い一致が求められる区分)に分類されると案内されています。査定には資格と実務経験の両方が必要で、資格だけでは通らないのが通例です。142114 は管理職としての査定になります。

VETASSESS のサイトは弊社の環境から取得できず(robots.txt の取得タイムアウト)、Group 区分・必要経験年数の最終確認ができていません。VETASSESS で直接ご確認ください。

③-D TRA Job Ready Program(JRP)の流れ

ヘアドレッサーとしてオーストラリアで技能査定を受ける場合に通ることになるのが、この JRP です。弊社が TRA のサイトで確認できた範囲では、まず Provisional Skills Assessment(暫定技能査定・PSA)を受け、その結果が3年以内であることが JRP 申込の前提とされています。そのうえで以下の3段階を順に進みます。

JRP は「学生ビザのまま進められるもの」ではありません。JRE は実際に雇用されて働く期間なので、就労できる在留資格が必要です。留学生がこのルートを検討する場合、修了後にどのビザで働くのかという設計が先に立たないと、JRP そのものが始められません。そしてヘアドレッサーは 485 Post-Vocational Education Work stream が使えないため、この「つなぎのビザ」をどう確保するかが、この分野でいちばん難しい部分です。

また、ヘアドレッサーが JRP の対象職種に含まれているかどうか、弊社では TRA のサイト上で確定できませんでした。JRP はトレード職向けの制度で、Hairdresser の査定機関は TRA ですが、対象職種一覧は別途 TRA にご確認ください。この点は末尾にも記載しています。

出典:Trades Recognition Australia — Job Ready Program (JRP)同 — Job Ready Employment (JRE)

③-E クイーンズランドの地方区分とキャンパス選びDESIGNATED REGIONAL AREAS

地方加点や subclass 491 を計画に入れる場合、どのキャンパスで学ぶかが効いてきます。内務省は指定地方地域を郵便番号ベースで3つのカテゴリに分けています。

Category 1Major Cities(シドニー・メルボルン・ブリスベン)— 地方扱いではありません
Category 2Cities and Major Regional Centres — Perth、Adelaide、Gold CoastSunshine Coast、Canberra、Newcastle/Lake Macquarie、Wollongong/Illawarra、Geelong、Hobart
Category 3Regional Centres and Other Regional Areas — 上記以外の地域

出典:Department of Home Affairs — Eligible regional areas。Category 2・3 が designated regional area として扱われます。

「ブリスベンは地方扱い」と書きません。内務省のページで Category 2 として名指しされている都市にブリスベンは含まれていません。クイーンズランド州の Category 2 郵便番号として示されている範囲は Gold Coast 側(4207〜4275)と Sunshine Coast 側(4550〜4575)が中心で、ブリスベン市内の郵便番号はこの範囲に入っていません。

一方、Diploma of Beauty Therapy が案内されている Mooloolaba(サンシャインコースト)や Gold Coast のキャンパスは Category 2 に該当します。Cairns・Townsville・Toowoomba は Category 3 です。ただし郵便番号は改定されるため、最終判断は必ず申請時点の内務省の一覧でご確認ください。

この分野で特に注意していただきたいこと

TAFE Queensland のコースページに記載されている開講地は、国内学生向けと留学生向けで一致しないことがあります。Certificate III in Hairdressing のページには Greater Brisbane、Gold Coast、Sunshine Coast、Darling Downs and South West、Wide Bay Burnett、North Queensland という地域名が並び、個別のキャンパスとして Ipswich・Loganlea・Mooloolaba が確認できました。Diploma of Beauty Therapy のページには Ipswich、South Bank、Mooloolaba、Toowoomba などが確認できました。

しかし「そのうちどのキャンパスが留学生を受け入れるか」は、弊社では確定できませんでした。コースページ上に留学生向けキャンパスの明示がなく、留学生向けのコース検索ページも弊社の環境では取得できませんでした。地方加点や 491 をふまえてキャンパスを選びたい場合は、必ず出願前にご相談ください。「サンシャインコーストで学べると思って準備したら、実際の留学生枠はブリスベンだけだった」という食い違いが起きやすいところです。

③-F クイーンズランド州の州指名(Migration Queensland)STATE NOMINATION

クイーンズランド州の州指名は Migration Queensland(旧称 Business and Skilled Migration Queensland/BSMQ)が運営し、Queensland Skilled Occupation List(QSOL)という州独自の職業リストにもとづいて subclass 190/491 の指名を行います。QSOL はオンショア用(豪州国内在住者向け)とオフショア用(国外在住者向け)に分かれているのが特徴です。

弊社が確認した限り、391111 Hairdresser・451111 Beauty Therapist・142114 Hair or Beauty Salon Manager は、2025-26 年度の QSOL(オンショア・オフショアとも)に見当たりませんでした。QSOL は「掲載されていない職業では州指名の対象にならない」という運用が明示されているタイプのリストです。

さらに 2025-26 年度の州指名プログラムは、Registration of Interest の受付がすでに終了しています。Migration Queensland のサイトには「本年度の指名枠はすべて埋まった」「連邦政府からの次年度の枠配分を待っている」旨の告知が出ていました(2026年7月時点)。

出典:Migration Queenslandただし QSOL の職業一覧そのもの(PDF/一覧ページ)は弊社の環境では取得できず、上記の掲載有無は第三者による 2025-26 QSOL の解説にもとづく確認にとどまります。QSOL の一次資料での最終確認はできていません。この点は末尾にも記載しています。

DAMA(Designated Area Migration Agreement)について

クイーンズランド州には Far North Queensland(ケアンズ周辺)、Townsville、Darling Downs(トゥーンバ周辺)を対象とする DAMA が置かれています。DAMA は、その地域の労働力需要に合わせて、通常の職業リストにない職種や、英語・賃金要件を緩和した形での就労ビザを認める枠組みです。

弊社では、これらの DAMA に Hairdresser や Beauty Therapist が含まれているかを確認できませんでした。DAMA の対象職業一覧は各指定地域の運営団体が管理しており、非公開または随時改定される部分があります。「DAMA があるから何とかなる」という前提で計画を立てるのは避けてください。関心がある場合は、対象地域の運営団体に直接確認する必要があります。

クイーンズランド州独自の規制:レーザーと衛生QLD-SPECIFIC REGULATION

ビューティ系を学ぶうえで、州によって規制がまったく違うのがオーストラリアの特徴です。クイーンズランドは、この分野に関して他州より規制が明確な州にあたります。

1. 美容目的のレーザー使用には、州の免許が必要です

クイーンズランド州では、Radiation Safety Act 1999 にもとづき、商業目的の美容レーザー施術(脱毛、スキンリジュビネーション、毛細血管の処置、タトゥー除去など)を行うために Cosmetic Laser Use Licence(使用免許)が必要とされています。さらに、機器を保有・設置する事業者側には Cosmetic Possession Licence(保有免許)が別途必要です。

使用免許は、まず訓練生免許(trainee licence)を取得し、免許保持者の監督のもとで実務記録(logbook)を作りながら、その後に本免許へ進む二段階の仕組みと案内されています。対象となるのはレーザー技師、デルマルテクニシャン、ビューティセラピスト、看護師、医師などです。なお、訓練提供機関の学生は、使用免許保持者による直接の監督下にある限り、訓練中は免許が免除されるとされています。

免許の有効期間は1年・2年・3年から選べ、更新申請は期限の40日前に送付されると案内されています。機器は AS/NZS IEC 60825.1:2014 への適合が求められます。

出典:Queensland Health — Cosmetic Laser Use Licence(commercial cosmetic laser practice)同 — Cosmetic Possession Licence同 — Laser licensing

IPL(intense pulsed light)はレーザー免許制度に正式には含まれていません。クイーンズランド保健省の案内では、IPL 機器は laser licensing の対象として正式には含まれないとしつつ、「IPL 光源はタトゥー除去用に設計されていない」「誤用による健康被害の報告がある」と注意喚起しています。IPL については規制の枠の外にある一方で、事故のリスクは指摘されているという、やや不安定な位置づけです。

この点はニューサウスウェールズ州との明確な差です。NSW にはレーザー/IPL の州免許制度がありません。クイーンズランド、西オーストラリア、タスマニアには何らかの規制があります。「レーザー・IPL を将来の仕事の柱にしたい」なら、どの州で学び、どの州で働くかを最初に決めておく必要があります。

2. ビューティセラピーとヘアドレッシングは「高リスク」の免許対象ではありません

クイーンズランド州では、Public Health (Infection Control for Personal Appearance Services) Act 2003同 Regulation 2016 が personal appearance services(美容関連サービス)を規制しています。このうち「higher risk personal appearance service」に該当する事業者は、地方自治体の免許取得と HLTINF005(感染管理)の修得が必要です。

区分該当するもの免許
higher risk(皮膚を貫通し出血が想定される施術)ボディピアス(耳・鼻のクローズドピアスを除く)、皮膚への物質の埋め込み、瘢痕・切開による永久的な模様づけ、タトゥーおよびアートメイク(コスメティックタトゥー)、タトゥー除去(レーザー除去を除く)必要(地方自治体)
higher risk 以外ビューティセラピーヘアドレッシング、耳・鼻のクローズドピアス不要。ただし法令の遵守義務は同じ

出典:Queensland Health — Personal appearance services: Legislation

整理すると。クイーンズランドでヘアドレッサー/ビューティセラピストとして働くこと自体に州の免許は要りません(日本の美容師免許のような制度はありません)。ただし、レーザーを使うなら Radiation Safety Act の免許が要り、アートメイクやタトゥーをやるなら Public Health Act の免許が要るという、施術内容ごとの上乗せ規制がある構造です。Diploma of Beauty Therapy を取っただけでレーザーやアートメイクができるようになるわけではありません。

④-A オーストラリアの就職状況と年収EMPLOYMENT IN AUSTRALIA

人手不足の評価

Jobs and Skills Australia が公表する 2025 Occupation Shortage List(OSL)では、以下のように評価されています。

職業全国クイーンズランド州
391111 HairdresserShortage(不足)Shortage(不足)
451111 Beauty TherapistShortage(不足)Shortage(不足)
142114 Hair or Beauty Salon ManagerNo Shortage(不足なし)No Shortage(不足なし)

出典:Jobs and Skills Australia — Occupation Shortage List同サイトは弊社の環境から直接取得できないため、掲載状況は anzscosearch.com 391111451111142114 の各ページに記載された 2025 OSL の評価で確認しました)

繰り返しになりますが、「不足している」ことと「職業リストに載っている」ことは別です。Hairdresser も Beauty Therapist も全国・州とも不足職種と評価されていますが、MLTSSL には載っていません。この分野の求人は多く、修了後に働く場を見つけること自体は決して難しくありません。難しいのは「働ける在留資格をどう確保するか」のほうです。

賃金の考え方

オーストラリアのヘア・ビューティ業界の賃金は、Hair and Beauty Industry Award 2020(MA000005)という産業別最低賃金の枠組みで下限が定められています。レベル1(未経験の salon assistant 相当)からレベル6(上級スタイリスト・管理職相当)まで段階があり、毎年7月1日に改定されます。

具体的な金額は、弊社では確認できませんでした。Fair Work Ombudsman のサイト(awards.fairwork.gov.au および pay guide の PDF)は弊社の環境から取得できず、また SEEK の給与ページも取得できませんでした。推測で金額を書くことはしません。最新の金額は下記からご確認いただくか、弊社にお問い合わせください。

この分野の収入構造で知っておくべきこと

④-B 日本での就職状況と年収EMPLOYMENT IN JAPAN

帰国後の進路を考えるうえで、日本側の相場も押さえておきましょう。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の数値です。

職業平均年収就業者数労働時間必要な資格
美容師388.5万円351,060人
(令和2年国勢調査)
175時間/月美容師免許(国家資格)が必須
エステティシャン353.9万円119,220人168時間/月国家資格はありません(施術内容によりあん摩マッサージ指圧師等の免許が関わる場合あり)
理容師(参考)388.5万円140,770人175時間/月理容師免許(国家資格)が必須

出典:厚生労働省 job tag — 美容師同 — エステティシャン同 — 理容師(いずれも2026年7月に弊社が確認した表示値)

数字の読み方に注意が必要です。job tag の美容師のページでは、就業者の53.1%が自営・フリーランス、42.9%が正規雇用と示されています。つまり平均年収388.5万円という数字には、独立して高収入を得ている層と、アシスタント期間で低収入の層が同居しています。専門学校卒業直後のアシスタント期間は、この平均を大きく下回るのが一般的です。

エステティシャンについては、日本には国家資格が存在しません。日本エステティック協会(AJESTHE)の「認定エステティシャン」や日本エステティック業協会(AEA)の資格などは、いずれも民間団体の資格です。job tag のページでも「認定エステティシャンは専門知識を示すものだが必須ではない」旨が示されています。裏を返せば、この分野は日本国内では参入障壁が低く、資格による給与差がつきにくいということでもあります。

オーストラリアの資格は日本でどう評価されるか

美容師について:日本国内で美容師として働くには、日本の美容師免許が必要です。これは美容師法にもとづく厚生労働大臣免許で、都道府県知事が指定した美容師養成施設(昼間課程で2年以上)を修了し、公益財団法人 理容師美容師試験研修センターが実施する国家試験(筆記・実技)に合格する必要があります。SHB30416 Certificate III in Hairdressing を取得しても、この養成施設の修了要件を満たしたことにはなりません。帰国後に日本で美容師として働きたいなら、日本の養成施設に通い直すことになります。

エステティシャンについて:日本には国家資格がないため、そもそも「資格の読み替え」という問題が発生しません。Diploma of Beauty Therapy は日本での就業を法的に妨げるものでも、法的に有利にするものでもありません。ただし、解剖生理を含む体系的なカリキュラムを英語で修了したという事実は、外資系スパ・ホテルスパ・インバウンド対応のサロンでは実務的な評価につながり得ます。

参考:厚生労働省 — 理容師・美容師関係公益財団法人 理容師美容師試験研修センター一般社団法人 日本エステティック協会(AJESTHE)

逆方向の話:日本の美容師免許を持つ方がオーストラリアで働く場合。日本の美容師免許はオーストラリアで自動的に承認されるものではありません。ただし、日本での美容師としての実務経験は TRA の技能査定において評価対象になり得ます。すでに日本で美容師として働いている方は、留学ではなく Offshore Skills Assessment Program(OSAP)からの査定を検討したほうが早い場合があります。この判断はビザの領域なので、弊社の登録移民代理人にご相談ください。

⑤ 日本の同種の専門学校(比較用)COMPARABLE SCHOOLS IN JAPAN

「日本で学ぶ場合とどう違うのか」を具体的に比べられるよう、日本の代表的な養成施設を2校挙げます。いずれも厚生労働大臣の指定を受けた美容師養成施設です。

日本美容専門学校(Nichibi)

東京都新宿区高田馬場 1-21-12

専門科(昼間部・夜間部)、通信科、総合美容科などを設置。専門科は美容師国家試験の受験資格につながる課程で、総合美容科ではエステティック・メイク・ネイルの3分野を扱います。美容師免許を取る課程と、免許を必要としない美容分野の課程が分かれているのが特徴です。

https://www.nichibi.com/

国際文化理容美容専門学校(渋谷校・国分寺校)

東京都渋谷区/国分寺市

美容科は2年課程。ヘアデザインの技術と理論に加え、メイク、ネイル、エステ、アップスタイル、ウエディング、着付までを扱い、礼法・マナー・サロン英会話・デッサン・写真撮影も学びます。厚生労働大臣指定養成施設として、卒業により美容師国家試験の受験資格が得られると案内されています。理容科も併設。

https://kokusaibunka.ac.jp/美容科のページ

上記は弊社が2026年7月に各校のサイトで確認した内容です。学費・入試日程は各校に直接ご確認ください。弊社はこれらの学校と提携関係にはなく、日本国内の進学あっせんは行っておりません。

カリキュラムの思想がどう違うか

観点日本の美容専門学校TAFE Queensland(SHB30416/SHB50121)
ゴール国家試験の合格。カリキュラムは試験科目に強く規定されますユニットごとの実技コンピテンシー。試験一発ではなく、各ユニットで「できる」と評価されることの積み上げ
範囲ヘアに加え、メイク・ネイル・エステ・着付など幅広く扱う学校が多いCertificate III in Hairdressing はヘアに特化。メイク・ネイルは別資格
期間昼間課程で2年以上(法令要件)Certificate III で18か月、Diploma of Beauty Therapy で1年
修了後国家試験に合格して免許取得。免許がなければ就業できません免許制度そのものがありません。資格は雇用市場での評価材料
商業実務科目としては扱うが、国家試験の中心ではありません顧客開拓・会計処理・店頭販売がコアユニットに組み込まれています
実習校内実習が中心。モデル実習・サロン実習の比重は学校ごと一般客を受け入れるトレーニングサロンを教室として使う形が案内されています

⑥ オーストラリアで学ぶ価値と、日本との違いWHY STUDY HERE

まず前提として。「日本の美容師免許を取るより早くて安いからオーストラリアで」という理由は、この分野では成り立ちません。日本で美容師として働くつもりなら、日本の養成施設に行くのが唯一の道です。オーストラリアで学ぶ価値は、別のところにあります。

価値になり得ること

過大評価しないほうがよいこと

クイーンズランドで学ぶことの意味(NSW/シドニーとの比較)

観点クイーンズランド(TAFE Queensland)ニューサウスウェールズ(TAFE NSW)
Cert III in HairdressingSHB30416/CRICOS 095203C/18か月/AUD 18,300SHB30416(コース番号 R10436)/CRICOS 093246G
Diploma of Beauty TherapySHB50121/CRICOS 111236A/1年/AUD 28,800SHB50121/CRICOS 112052A
レーザー規制Radiation Safety Act 1999 にもとづく州の使用免許・保有免許あり。学生は監督下で免除州の免許制度はありません
アートメイク・タトゥーPublic Health (Infection Control for Personal Appearance Services) Act 2003 にもとづく地方自治体の免許が必要Public Health Act 2010 にもとづく届出制(詳細は州の案内をご確認ください)
地方区分ブリスベンは Category 1(地方扱いではありません)。Gold Coast・Sunshine Coast は Category 2、Cairns・Townsville・Toowoomba は Category 3シドニーは Category 1。Newcastle/Lake Macquarie、Wollongong/Illawarra は Category 2
州指名QSOL に該当職なし。2025-26 年度の指名枠は締切済みNSW の 190/491 でもこの2職種は対象になっていません
生活費の目安ブリスベンはシドニーより家賃相場が低いのが一般的ですシドニーは全豪でも家賃が高い都市です
スパ系の求人ゴールドコースト・サンシャインコースト・ケアンズのリゾートスパ市場があります都心部のデイスパ・サロンが中心

NSW 側の詳細は TAFE NSW ヘアドレッシングTAFE NSW ビューティセラピーのページで扱っています。生活費の比較は一般的な傾向を述べたもので、具体的な金額は示していません。

州選びの実務的な結論。(1) レーザー・IPL を将来の柱にしたいなら、免許制度のあるクイーンズランドで学ぶことには一貫性があります。ただし学生のうちに免許が取れるわけではなく、監督下での訓練が免除対象になるという段階にとどまります。(2) 地方加点を意識するなら、ゴールドコースト/サンシャインコーストのキャンパスが Category 2 に入る点はクイーンズランドの強みです。ただし留学生受け入れキャンパスは要確認です。(3) 単純に費用と生活のしやすさで選ぶなら、ブリスベンはシドニーより負担が軽い傾向にあります。

入学条件・英語条件ENTRY REQUIREMENTS

学歴条件

Certificate IIIオーストラリアの Year 10 相当以上。日本の場合は「高校1年修了」または「中学校卒業+1年の追加学習」が Year 10 相当として案内されています
Certificate IV/Diploma/Advanced Diplomaオーストラリアの Year 12 相当以上。日本の場合は高等学校卒業証明書が Year 12 相当として案内されています

出典:TAFE Queensland International — Academic entry requirements最低年齢の記載は、弊社では確認できませんでした。

英語条件

Certificate III・IV/Diploma/Advanced DiplomaIELTS Academic 総合 6.0(各項目 5.5 以上)
Associate DegreeIELTS Academic 総合 6.0(Writing 6.0 以上・他項目 5.5 以上)
Bachelor/大学院IELTS Academic 総合 6.5(各項目 6.0 以上)

出典:TAFE Queensland International — English language requirements。PTE・TOEFL・Cambridge の換算表(PDF)が別途用意されています。コースによっては上記より高い基準が設定される場合があると案内されています。

英語が届いていない場合。TAFE Queensland は ELICOS(集中英語コース)を提供しており、そこから本コースへ進む形が案内されています。所要期間は現在の英語力によりますが、IELTS 5.0 から 6.0 まで引き上げるのに一般に数か月単位の学習が必要です。詳しくは TAFE Queensland の英語コースのページをご覧ください。

この分野特有の注意。ヘア・ビューティは接客の言語負荷が非常に高い分野です。カットの希望、肌の状態、アレルギー、施術のリスク説明まで、すべて英語で聞き取り・説明する必要があります。IELTS 6.0 は入学の下限であって、快適に実習できる水準ではありません。実習が始まる前に、リスニングとスピーキングを可能な限り上げておくことを強くおすすめします。

その他の要件

費用と期間FEES AND DURATION

コースコード/CRICOS期間留学生学費(総額)
Certificate III in HairdressingSHB30416/095203C18か月AUD 18,300
Diploma of Beauty TherapySHB50121/111236A1年(Certificate からのアップグレードは6か月)AUD 28,800

出典:TAFE Queensland — Certificate III in Hairdressing同 — Diploma of Beauty Therapy(2026年7月に弊社が確認した表示値)

学費表示の食い違いについて。弊社が確認した資料のうち、別の版の価格一覧では Certificate III in Hairdressing の留学生学費が AUD 18,900 と表示されていました。コースページ側は AUD 18,300 です。どちらが正しいかを弊社では断定できません。本ページでは、コースページに表示されていた AUD 18,300 を採用しています。実際のご請求額は入学期・キャンパスにより変わり得るため、必ず出願時点の見積でご確認ください。

学費以外にかかるもの

ビザ申請料・生活費要件は Department of Home Affairs — Student visa (subclass 500) でご確認ください。これらは頻繁に改定されるため、上記の数値は目安としてお読みください。

就労ビザを視野に入れる場合の賃金基準

subclass 482/186 を将来的に検討する場合、雇用主が支払う賃金には下限が設けられています。2026年7月1日以降、Core Skills Income Threshold(CSIT)は AUD 79,499Specialist Skills Income Threshold(SSIT)は AUD 146,717 とされています。

これはこの分野で最も現実的な障壁のひとつです。ヘア・ビューティ業界の一般的な賃金水準に対して CSIT は決して低い金額ではありません。「スポンサーしてくれるサロンを見つける」だけでなく、「CSIT を超える給与を出せるサロンを見つける」必要があるとお考えください。この点を織り込まずに計画を立てると、修了後に現実との差に直面します。

出典:Department of Home Affairs — Salary requirements

よくあるご質問FAQ

Q1. Certificate III in Hairdressing を修了したら、クイーンズランドで美容師として働けますか。

州の免許制度はないので、法的に「働いてはいけない」ということはありません。ただし働くための在留資格が必要で、そこが最大の課題です。学生ビザは就労時間に上限があり、修了後は 485 の Post-Vocational Education Work stream が使えません(391111 が MLTSSL 非掲載のため)。実務としては、修了直後は junior stylist や salon assistant から始まることが多く、「Certificate III を持っている=即戦力のスタイリスト」という評価にはなりにくいとお考えください。

Q2. apprenticeship に留学生として参加することはできませんか。

Australian Apprenticeships は雇用主・訓練機関・州政府の三者契約にもとづく制度で、学生ビザ保持者は対象になっていません。これが、ヘアドレッシング分野で留学生が構造的に不利になる根本の理由です。この点は自動車整備や建築などの trade 系分野と共通の課題で、TAFE Queensland のトップページでも触れています。

Q3. Diploma of Beauty Therapy のほうが永住に有利ですか。

いいえ。451111 Beauty Therapist も MLTSSL には載っていません。それどころか STSOL・ROL にも載っておらず、掲載範囲は Hairdresser より狭いのが実情です(Hairdresser は STSOL に載っています)。CSOL と 186 Direct Entry には載っているので、就労ビザの可能性という点では同等ですが、「Diploma だから有利」という理解は正確ではありません。AQF レベルが高いことと、職業リストに載っていることは別の話です。

Q4. 日本で美容師として働いた経験があります。留学したほうが早いですか。

目的によります。オーストラリアで働くことが目的なら、留学より先に技能査定(TRA の Offshore Skills Assessment Program)の可否を確認したほうが早い場合があります。日本での実務経験が査定で評価される可能性があるためです。一方、英語で施術できるようになることや、オーストラリアの資格そのものが目的なら、留学に意味があります。この判断はビザの領域なので、弊社の登録移民代理人にご相談ください。

Q5. レーザー脱毛やIPLの仕事に就きたいのですが、Diploma で足りますか。

足りません。クイーンズランドでは、商業目的の美容レーザー施術に Radiation Safety Act 1999 にもとづく州の使用免許が必要です。訓練提供機関の学生は、免許保持者の直接の監督下にある間は免除されますが、卒業後に自分で施術するには免許取得が必要です。免許は訓練生免許から始めて本免許に進む二段階の仕組みです。なお IPL はレーザー免許制度に正式には含まれていませんが、クイーンズランド保健省は IPL の誤用による健康被害に注意喚起しています。実務としては、Diploma の上に SHB60118 Advanced Diploma of Cosmetic Tattooing / Intense Pulsed Light and Laser のような上位資格を積む道筋が一般的ですが、TAFE Queensland がこれを開講しているかは弊社では確認できませんでした。

Q6. Certificate IV in Beauty Therapy や Diploma of Salon Management は受けられますか。

弊社が TAFE Queensland のコース一覧を確認した範囲では、SHB40121 Certificate IV in Beauty Therapy と SHB50216 Diploma of Salon Management は見当たりませんでした。ビューティ系で確認できたのは Diploma of Beauty Therapy、Certificate III in Beauty Services、Certificate III in Make-Up、Certificate III in Nail Technology、Certificate III in Beauty Services / Diploma of Beauty Therapy(ダブル)、まつげエクステのスキルセットです。なお Certificate III in Beauty Services / Diploma of Beauty Therapy のダブル資格ページには留学生向けの学費表示がなく、留学生向けではない可能性が高いと弊社は見ています。断定はできませんので、これらを前提にした計画を立てる前に必ずご相談ください。

確認できなかったことWHAT WE COULD NOT VERIFY

本ページは 2026年7月時点で弊社が公開情報から確認できた範囲で作成しています。以下は確認できなかった、または情報が食い違っていた項目です。判断に影響する部分ですので、正直に列挙します。

コース内容・キャンパス

費用

ビザ・職業リスト

賃金・労働市場

規制

日本側

関連ページRELATED

職業リストの全体像は CSOL(Core Skills Occupation List)の解説ページにまとめています。391111 Hairdresser と 451111 Beauty Therapist がどの位置にあるかを、他職種と並べて確認したい方はあわせてご覧ください。

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学歴・職歴・英語力・ご予算・目標時期をうかがって、このコースが現実的かどうかを率直にお伝えします。合わないと判断した場合は、その理由と代わりの選択肢もお出しします。

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当社には Registered Migration Agent(登録移民代理人・MARN 0637738)が在籍しており、ビザに関するご相談は当該代理人が担当します。本ページはコース選びの参考としての一般情報であり、個別のビザ申請に関する助言ではありません。職業リスト(CSOL・MLTSSL 等)、州指名の条件、賃金基準、英語要件、指定地方地域の郵便番号、クイーンズランド州の免許制度はいずれも随時改定されます。掲載内容は 2026年7月時点で公開情報から確認したものであり、ご検討の際は必ず最新の情報をご確認ください。学費・入学条件は TAFE Queensland の定めによります。技能査定に関する最終的な判断は Trades Recognition Australia および VETASSESS が行います。日本の美容師免許に関する事項は日本の関係法令によります。

出典一覧SOURCES

コース・資格

職業分類・ビザ・技能査定

クイーンズランド州の規制・労働市場

日本側の情報