シドニー&メルボルン現地オフィスから無料サポート 💱 A$1 ≒ 114.3円(7/30時点) 営業時間: 月〜金 10:00-17:30(現地時間) 🌐 English
LINE相談 無料カウンセリング
会社概要ミッションステートメント代表プロフィールスタッフ紹介ビザコンサルタント資格(MARN: 0637738)無料サポートができる理由
TAFE NSW / BUILDING & CONSTRUCTION

建築・建設(ビルディング・アンド・コンストラクション)

Certificate IV in Building and Construction (Building) — CPC40120 + Diploma of Building and Construction (Building) — CPC50220

住宅・中低層建築の「工程・積算・契約・法令・安全」を扱う、建設現場のマネジメント側を養成するコースです。ビルダー(施工者)としてのNSW州ライセンス要件の一部を構成し、大学の学士課程への編入ルートも用意されています。一方で、大工・電気工事・配管・自動車整備といったCertificate III のトレード資格は、TAFE NSW では留学生向けに提供されていません。この点は最初に率直にお伝えします(下記の赤枠)。

Granville・Nirimba・Ultimo Cert IV 1年 + Diploma 1年 入学:2月(Nirimba は7月も) CRICOS 104667C / 104673E NSW ビルダーライセンス要件の一部
ホーム専門・キャリアアップ留学TAFE NSW建築・建設系 > 建築・建設

最初にお伝えすべきことPLEASE READ FIRST

「オーストラリアで手に職を(大工・電気工事士・配管工・自動車整備士になりたい)」というご相談について。

TAFE NSW が留学生向けに公開している分野一覧(全31分野)には、Automotive(自動車)/ Electrical・Electrotechnology(電気)/ Plumbing(配管)のいずれも含まれていません。また TAFE NSW 発行の International Student Guide 2026 を全文確認しても、Certificate III レベルのトレード資格は1件も掲載されていません(AUR/Automotive/Electrician/Electrotechnology/Plumb のいずれの語も該当なし)。留学生が入学できるのは Certificate IV 以上のマネジメント系・設計系です。

理由は制度側にあります。オーストラリアのトレード資格の多くは apprenticeship(見習い雇用契約)を前提に組まれており、フルタイム雇用と一体でなければ資格そのものを修了できないからです。たとえば電気の UEE30820 には、資格書に「ほとんどの州で無制限の電気工事ライセンスを得るには、この資格を apprenticeship または TRA のルートで修了しなければならない」と明記され、仕上げにあたる Capstone ユニット(UEEEL0039)は「実地訓練を100%修了した後でなければ受講できない」と定められています。学生ビザの就労上限は就学期間中 2週間で48時間ですので、apprenticeship の締結自体が現実的ではありません。

ですので当社は「TAFE NSW に留学すれば大工・電気工事士・整備士になれます」というご案内はいたしません。そのうえで、現実的にご提案できるのは次の3つです。

  • ①このページのコース(Cert IV → Diploma)で、建設業の「管理側」に入る。職種としては Site Supervisor、Estimator、Construction Manager、Building Inspector など。ANZSCO・ビザの職業リストにも入口があります。
  • ②設計・製図側から入る。土木設計・製図(RII50520/RII60520)や Residential Drafting(CPP40121)は留学生向けに提供されており、ANZSCO 312211/312212 は CSOL・MLTSSL の双方に掲載されています。
  • ③他州・私立校を検討する。たとえば TAFE International WA は AUR30620(自動車)を留学生に販売しており、NSW州内でも一部の私立登録訓練機関が CRICOS 付きで UEE30820 を開講しています。ただし後述のとおり、資格を得てもライセンスには到達しませんので、目的が「日本に持ち帰る技術」なのか「豪州での就労」なのかを分けて考える必要があります。カウンセリングで整理します。

上記は、TAFE NSW International の分野一覧と International Student Guide 2026 の全文確認、および training.gov.au の資格書(release file)記載に基づく整理です。TAFE NSW 自身が「留学生には提供していません」と明示した文書を出しているわけではないため、個別コースの可否は毎回 TAFE NSW に確認したうえでご案内します。

30秒で分かるこのコースSUMMARY

ひとことで「建物を建てる人ではなく、建物を成立させる人」を育てるコース。工程・積算・契約・法令・安全・品質を扱います。
目指す職種Site Supervisor(現場監督)/ Estimator(積算)/ Contract Administrator(契約管理)/ Construction Manager / Building Inspector / Project Coordinator
中心になる資格CPC40120 Certificate IV in Building and Construction (Building)(1年)→ CPC50220 Diploma of Building and Construction (Building)(1年)
CRICOS104667C(Cert IV)/ 104673E(Diploma)
キャンパス・入学Granville(2月)/ Nirimba(2月・7月)/ Ultimo(2月)
学費Cert IV:AUD 17,300。Diploma:公開されている3つの案内で金額が一致していません(AUD 25,175/AUD 25,175〜25,932/AUD 21,360)。このため本ページでは Diploma の確定額を掲載しません。お見積りで TAFE NSW に確認のうえご案内します。教材・工具等の実費が別途 AUD 300〜1,000 程度かかると案内されています。
ライセンス上の位置づけTAFE NSW の案内では「NSW Fair Trading のビルダー契約者ライセンスの要件のひとつを満たす」と表現されています。資格だけでは免許になりません(下記③・⑥で詳述)。
ビザ上の位置づけ建設系の管理職種は職業リストへの掲載状況が職種ごとに大きく異なります。もっとも設計が立てやすいのは、設計・製図側(ANZSCO 312211/312212)との組み合わせです。詳細は③。
このページの読み方。①何を学ぶか ②どんな職種に就けるか ③どのビザに使えるか ④豪州と日本それぞれの求人・年収 ⑤日本の同種の専門学校との比較 ⑥オーストラリアで学ぶ意味、の順に、すべて出典リンク付きで整理しました。学生ビザ申請時の Genuine Student(GS)の説明を組み立てる材料としてもお使いいただけます。

① コースの主旨と学習ユニットCOURSE PURPOSE & UNITS

コースの主旨

CPC40120 は、住宅(Class 1・10)および低層の商業建築(Class 2〜9 Type C)を対象に、建築基準の適用、現場の労働安全衛生管理、工程計画、図面・仕様の読解、簡易な設計図の作成、現場の測量・墨出し、廃棄物の最小化までを一通り扱う資格です。「図面を描く人」でも「工具を持つ人」でもなく、その両者と法令・予算のあいだを取り持つ人を養成します。

CPC50220 Diploma はその上位で、契約の作成と管理、概算費用の算出、労務・資材の手配計画、入札書類の作成と評価、下請の選定と管理、原価管理システムの監視、環境管理、技術・法務レポートの管理、3階建てまでの構造原則へと範囲が広がります。Cert IV が「現場を回せる人」、Diploma が「案件と会社を回せる人」という段差です。

ユニット構成

資格総ユニット必修(core)選択(elective)
CPC40120 Certificate IV19118
CPC50220 Diploma27243

出典:training.gov.au の資格リリースファイル(CPC40120_R1.pdf/CPC50220_R1.pdf)。Diploma は27ユニット中24が必修という、選択の幅が非常に狭い=内容が固定された資格です。

CPC40120 の必修11ユニット

コードユニット名内容の要旨
CPCCBC4001Apply building codes and standards (Class 1 & 10)住宅・付属建築物の建築基準の適用
CPCCBC4053Apply building codes and standards (Class 2–9, Type C)低層の共同住宅・商業建築の基準
CPCCBC4002Manage work health and safety労働安全衛生の管理
CPCCBC4007Plan building or construction work工事の計画立案
CPCCBC4008Supervise site communication and administration現場の情報伝達と事務の統括
CPCCBC4009Apply legal requirements法的要件の適用
CPCCBC4010Apply structural principles構造原則の適用
CPCCBC4012Read and interpret plans and specifications図面・仕様書の読解
CPCCBC4014Prepare simple building sketches and drawings簡易な設計図の作成
CPCCBC4018Apply site surveys and set-out procedures敷地測量と墨出し
CPCCBC4021Minimise waste廃棄物の最小化

CPC50220 の必修24ユニットで加わるもの(抜粋)

この構成をどう読むか。Diploma の必修24ユニットのうち、実に半分近くが契約・積算・原価・入札・下請管理・財務です。つまりこの資格は建築技術というより、建設という事業をまわす資格です。日本の「2級建築施工管理技士」の学習範囲と重なる部分が多い一方、契約管理(Contract Administration)の比重は豪州のほうが明確に大きいのが特徴です。学生ビザ申請で「なぜこのコースか」を説明する際は、コース名ではなくこの必修ユニット名まで具体的に書けると説得力が上がります。

あわせて留学生向けに提供されている建設関連コース

コースコードCRICOS期間学費キャンパス・入学
Certificate IV in Residential DraftingCPP40121108532H1年AUD 14,000Ultimo/2月・7月
Diploma of Building DesignCPP50921112055J1年AUD 26,325Ultimo/2月・7月
Certificate IV in Surveying and Spatial InformationCPP41721105096C0.5年AUD 13,550Ultimo/7月
Diploma of SurveyingCPP50121105240M1年AUD 27,550Ultimo/2月
Diploma of Electronics and Communications EngineeringUEE50520103400E2年AUD 36,0752月・7月
Advanced Diploma of Engineering (Mechanical)MEM60122112018C2年AUD 28,6252月・7月

出典:TAFE NSW International Student Guide 2026。UEE50520 は留学生向けに提供されている唯一の UEE 系コースですが、電子・通信工学であり電気工事のライセンスとは無関係ですので、混同にご注意ください。金額は年度・受講内容により変わります。

② このコースで就ける職種JOB OUTCOMES & ANZSCO

CPC40120 修了後

  • Site Supervisor(現場監督)
  • Estimator(積算担当)
  • Building Inspector(建築検査)
  • Assistant Contract Administrator
  • Leading Hand / Foreman 相当の管理補助

CPC50220 修了後

  • Construction Manager(工事管理者)
  • Project Coordinator(案件調整)
  • Contract Administrator(契約管理)
  • Senior Estimator
  • Builder(ライセンス取得後・下記⑥参照)

ANZSCO(豪州標準職業分類)とビザの職業リスト

ビザ・技能査定・統計はすべて ANZSCO コードで動きます。建設分野は、トレード職(手に職)と管理職とで、リスト掲載の状況も査定機関もまったく異なります。まずトレード職側を整理します。

ANZSCO職種名CSOL(482/186)MLTSSL(189/190/491/485)査定機関
331212Carpenter(大工)掲載掲載TRA
331211Carpenter and Joiner掲載掲載TRA
331111Bricklayer(レンガ工)掲載掲載TRA
341111Electrician (General)(電気工)掲載掲載TRA
334111/334116Plumber (General)(配管工)掲載掲載TRA
321211Motor Mechanic (General)(自動車整備)掲載掲載TRA
ここが最大の落とし穴です。これらのトレード職は、たしかに CSOL・MLTSSL の双方に掲載されており、ビザの職業リストという意味では「非常に強い」職種です。しかし、そこに至る資格を TAFE NSW の留学生向けコースで取得することができません。「リストに載っている」ことと「留学生が到達できる」ことは別問題です。他社の資料でトレード職のリスト掲載だけを強調しているものを見かけた場合は、その資格を留学生として実際に修了できるのか、修了後にライセンスまで到達できるのかを必ずご確認ください。当社カウンセリングでも同じ点をお尋ねいただいて構いません。

配管工はコードが制度によって異なります。ANZSCO 2022 で unit group 3341 が再編され、subclass 482/186 では 334116、subclass 189/190/491/485 では 334111 を使います。

管理職側の位置づけ

Construction Project Manager(133111)や Construction Estimator(312114)といった管理・技術職は、トレード職とは別の枠組みで扱われ、査定機関も VETASSESS など別機関になります。掲載状況・要求学歴は毎年見直されており、また職種によっては学士以上が前提となります。本ページではリストの現状を断定的に書かず、ご相談時点の制度に基づいて登録移民代理人が個別にご説明します。設計・製図側の 312211/312212 は現時点で CSOL・MLTSSL の双方に掲載されており、Diploma レベルから狙える点で、建設分野のなかでは最も設計を立てやすい職種です土木設計・製図のページで詳述)。

③ ビザ対応職種としての扱い(適用 subclass)VISA & OCCUPATION LISTS

どのリストがどのビザを動かすか

リスト根拠インストゥルメント動かすビザ
CSOL(Core Skills Occupation List)LIN 24/089(F2024L01620)/ 186用は LIN 24/093(F2024L01618)subclass 482 Core Skills stream / subclass 186 Direct Entry
MLTSSL / STSOL / ROLLIN 19/051(F2019L00278)subclass 189・190・491 / subclass 485 Post-Vocational Education Work stream

技能査定(TRA)— トレード職のルートは職種で分岐します

トレード職の技能査定は Trades Recognition Australia(TRA)が担います。ここが職種によってはっきり分かれます。

職種ルート内容
Carpenter / Motor MechanicJob Ready Program(JRP)豪州で学んだ留学生向け。①仮査定(PSA)→②JRE →③職場評価(JRWA)→④最終査定(JRFA)
Electrician / Plumber / 冷凍空調OSAP が必須免許職種のため、永住申請では Offshore Skills Assessment Program が強制されます。実技試験があり、通訳なしの英語で実施されます。

JRP の要件は数値まで公表されています。仮査定(PSA)の段階で豪州の職場での就労または職場実習が3年以内に360時間以上、JRE 段階で開始日から12か月以上・1,725時間以上の有給就労、最終査定で12か月以上のフルタイム有給就労が求められます。費用は PSA 300/JRE 500/JRWA 2,000/JRFA 150(いずれも AUD)です。TRA 自身が「この最終書面は資格でも技能の認証でもなく、技能ビザの申請にのみ使えるもの」と明記しています。

日本国籍の方にとっての明確なプラス材料。subclass 482 では、職種と国籍の組み合わせによって技能査定が義務づけられる場合があります(インストゥルメント IMMI 18/039 / F2018L00294)。このリストには Carpenter・Motor Mechanic・Electrician などが挙げられていますが、対象となる旅券発給国は Brazil・Fiji・Hong Kong・India・Macau・PNG・Philippines・South Africa・Thailand・Vietnam・Zimbabwe などで、日本はどの職種の欄にも記載がありません。つまり日本国籍の方は、これらの職種について 482 の強制技能査定の対象外です。ただし 189/190/491 といった独立技術移住側では TRA の査定が必要になります。ここは制度が分かれていますので、混同しないようご説明します。

subclass 485 について

Post-Vocational Education Work stream(職業教育卒業者向け)は MLTSSL 掲載職種であることが前提です。上記トレード職はいずれも MLTSSL に掲載されていますので、資格に到達できさえすればこのストリームの対象になり得ます。一方 Post-Higher Education Work stream(高等教育卒業者向け)は職業リストの指定がありません。年齢上限は35歳(研究修士・博士等は50歳)、英語は IELTS 平均6.5・各項目5.5以上が求められます(LIN 25/089・2025年8月7日施行)。

④-A オーストラリアの就職状況と年収AUSTRALIA — DEMAND & PAY

人材不足の状況

Jobs and Skills Australia の職種不足リスト(OSL)2024年版では、Carpenter(331212)、Carpenter and Joiner(331211)、Bricklayer(331111)、Electrician (General)(341111)、Plumber (General)(334116)、Motor Mechanic (General)(321211)が、いずれも2023年・2024年の2年連続で全国的な不足職種と判定されています。

2025年版では、全職業のうち不足と判定されたのは29%(2024年33%、2023年36%から低下)で、そのうち Technicians and Trades Workers が、5年連続で不足が続く職業139のうち71(51%)を占めています。不足の要因は職種で異なり、2025年の分析では大工が「定着の不足(retention gap)」、自動車整備と配管が「養成期間の長さ(long training gap)」、電気が「適性の不足(suitability gap)」に整理されています。

ひとつ正直に申し上げておきます。2025年版 OSL の6桁職種別の判定は、公開形式が表計算ファイルのみとなっており、当社が一次情報として確認できたのは2024年版までです。本ページでは2024年版の判定を「2024年版の判定」として明記し、2025年版の職種別判定は掲載していません。最新判定は下記の出典リンクから直接ご確認いただけます。他社資料で「2025年版で不足職種」と断定されているものを見かけた場合、その出典が一次情報かどうかご確認ください。

賃金・就業者数(Jobs and Skills Australia)

職種グループ就業者数中位週給年間の雇用増(実績)Cert III/IV 保有率中位年齢
3312 Carpenters and Joiners149,900AUD 1,760+3,40067.1%30
3411 Electricians193,200AUD 2,204+7,10073.1%32
3341 Plumbers108,200AUD 1,990+5,30072.7%34
3212 Motor Mechanics109,200AUD 1,405+70068.6%36

出典:Jobs and Skills Australia 職種プロファイル。6桁の職種単位では中位賃金が「N/A」表示となるため、4桁の職種グループの数値を掲載しています。「年間の雇用増」は将来予測ではなく過去の実績値です。全職種とも最頻の学歴区分は Certificate III/IV です。

最低賃金の下限(Modern Award)

豪州では職種ごとに Modern Award(産業別裁定)が最低条件を定めます。2026年6月2日の年次賃金見直し([2026] FWCFB 3500)により、2026年7月1日以降の最初の完全給与期間から Award 最低賃金が4.75%引き上げられ、全国最低賃金は週 AUD 1,004.90・時給 AUD 26.44 となりました。トレード標準(C10)は週 AUD 1,119.10・時給 AUD 29.45です。

職種Awardコード2026年7月1日時点の実効レート
大工Building and Construction General On-site Award 2020MA000020住宅・週雇用 週 1,214.04/時給 31.95(産業手当・工具手当込)
電気工Electrical, Electronic and Communications Contracting Award 2020MA000025Grade 5:週 1,223.11/時給 32.19(全目的手当込)
配管工Plumbing and Fire Sprinklers Award 2020MA000036登録配管工:週 1,246.54/時給 32.80
自動車整備Vehicle Repair, Services and Retail Award 2020MA000089Tradesperson Level I:週 1,119.10/時給 29.45

単位は AUD。所定労働時間はいずれも週38時間平均です。MA000025 では産業手当 週41.41、工具手当 週22.31、電気工事ライセンス手当 週40.29 がいずれも「全目的手当」として残業・割増の算定基礎に算入されます。MA000020 の一般建築では時間外は一律200%(150%からの段階がありません)。金額は毎年7月1日に改定されますので、必ず最新の Pay Guide をご確認ください。

建設市場そのものの規模

NSW州は住宅供給とインフラの双方で大型の公共投資が続いており、Cert IV/Diploma が対象とする「管理側」の求人はその影響を直接受けます。一方で、資格を持っていることと雇用されることは別です。豪州の建設現場では実務経験と現地の法令知識が重視されますので、在学中から現場に近い就労経験を積めるかどうかが分かれ目になります。

④-B 日本での就職状況と年収JAPAN — DEMAND & PAY

建設業の担い手不足は統計上きわめて明確です

項目数値時点
建設業就業者数(ピーク)685万人平成9年
建設業就業者数477万人令和6年平均
うち技能者数455万人 → 296万人平成9年 → 令和7年

ピーク比で就業者数は約30%減(208万人減)、技能者に限ると約35%減です。年齢構成も偏っており、令和6年平均で建設業は55歳以上が36.7%、29歳以下が11.7%(全産業はそれぞれ32.4%・16.9%)となっています。

賃金(厚生労働省 賃金構造基本統計調査)

区分令和6年 所定内給与額令和7年 所定内給与額平均年齢(令和7年)
産業計330.4千円340.6千円(過去最高)44.4歳
建設業352.6千円366.3千円(前年比+3.9%)45.5歳
製造業318.6千円330.0千円44.1歳

建設業の賃金は産業計を上回って推移しており、上昇率も高めです。これは担い手不足の裏返しでもあります。

職業別の年収と求人倍率(厚生労働省 job tag / 一般職業紹介状況)

職業平均年収(job tag)就業者数有効求人倍率
大工485.5万円297,900人2.47
電気工事士628.1万円379,510人3.80
配管工523.1万円220,720人
自動車整備士503.8万円376,070人

職業別の有効求人倍率(令和8年5月・原数値)では、職業計 0.99 に対して 建築・土木・測量技術者 4.85建設躯体工事従事者 7.55建設従事者(躯体を除く)3.96電気工事従事者 3.22機械整備・修理従事者 3.76 です。自動車整備要員に限れば、令和6年度の全国平均は 5.09倍(島根9.44倍、福井8.80倍、埼玉7.54倍など地域差が大きい)となっています。

job tag の年収は令和7年賃金構造基本統計調査ベースで、事業所規模10人以上の一般労働者が対象です。一人親方・個人事業主(大工に多い形態)は含まれていませんので、実勢と乖離する場合があります。

日本側でも「人がいない」という点は同じです。自動車整備業では整備要員の平均年齢が 47.7歳(平成15年度は39.7歳、約20年で8歳上昇)に達し、自動車整備専門学校の入学者は過去18年で約47%減少(平成15年度12,394人→令和4年度5,653人)しています。令和10年度には約19,300人の不足が見込まれています。つまり「豪州は人手不足だが日本は違う」という単純な図式ではありません。差が出るのは、賃金水準・通貨・キャリアの選択肢の広さ、そして働き方の枠組みです。

⑤ 日本の同種の専門学校(比較用)COMPARABLE SCHOOLS IN JAPAN

「日本で同じ分野を学ぶとどうなるか」を具体的に比べられるよう、代表的な学校を分野ごとに挙げます。いずれも当社と提携関係にあるわけではなく、比較のための参照先です。

建築・大工

東京日建工科専門学校 建築大工科

東京都豊島区池袋/2年制

同校の案内では、取得可能な資格として1・2・3級建築大工技能士、1・2級建築士、1・2級建築施工管理技士、木造建築士が挙げられています。入学後10か月で国家資格の取得が可能とされています。

大阪工業技術専門学校(OCT)大工技能学科

大阪市北区天満/2年制・昼間

ノコギリ・カンナ・ノミといった手道具の扱いから、継手・墨付け・刻みまでを実技で学ぶ構成。1年次に3級、2年次に2級の建築大工技能士、あわせて二級・一級建築士の受験資格が目標に置かれています。

自動車整備

日本自動車大学校(NATS)

千葉県成田市・袖ケ浦市

自動車整備科2年、カスタマイズ科3年、モータースポーツ科3年、自動車研究科4年。整備科2年次に二級自動車整備士(総合)、研究科で一級自動車整備士・第二種電気工事士が目標とされています。

東京自動車大学校

東京都葛飾区西亀有

同校の解説によると、国土交通大臣指定の一種養成施設の所定課程を修了すると、対応する実技試験が修了後2年間免除され、2級ガソリン/ジーゼル/二輪/シャシ自動車整備士の受験資格が得られるとされています。

電気工事・設備

読売理工医療福祉専門学校 電気電子学科

東京都文京区小石川/2年制・昼間

同校の案内では、第二種・第三種電気主任技術者(電験)が卒業時に無試験で登録可能、第二種電気工事士は筆記試験免除とされています。

日本工学院専門学校 電子・電気科

東京都大田区蒲田・八王子市/2年制

電気工事コースで第二種電気工事士、電気工学コースで第三種電気主任技術者を、いずれも無試験で取得できる認定資格として案内しています。

もっとも重要な比較ポイント:日本の国家資格は、豪州の資格では取得できません。
  • 第二種電気工事士:国家試験の合格のみが入口です。受験資格に実務経験は不要で誰でも受験できますが、外国資格による免除規定は存在しません。第一種は免状交付に日本での実務経験3年以上が必要です。
  • 二級自動車整備士:実務経験ルート(三級合格後1年4月〜2年)か、国土交通大臣指定の一種養成施設の修了です。実技免除は指定養成施設の修了者に限られ、豪州の TAFE は指定外です。
  • 建築大工技能士・配管技能士:実務経験(2級2年、1級7年)が基本。学歴による短縮の対象は日本の学校に限られ、厚生労働省の短縮表に外国校の区分がありません。
  • 建築士:外国の大学等の卒業者は、一級は国土交通大臣、二級・木造は都道府県知事の個別認定審査を経なければ受験すらできません(建築士法14条・15条3号)。建築技術教育普及センターの案内では、所定の資料を添えて申し込み、受験申込後の受験資格審査で可否が判断されるとされています。

ただし逆向きに使える事実もあります。第二種電気工事士は受験資格に制限がないため、豪州留学と日本の資格取得は排他ではなく並行可能です。「留学を挟むと日本の資格が遠のく」わけではない、という点は正確にお伝えしておきます。

⑥ オーストラリアで学ぶ価値と、日本との違いWHY AUSTRALIA

観点日本の専門学校TAFE NSW(このコース)
資格の性格国家資格の受験・登録要件に直結(技能士・整備士・電気工事士など)豪州の職業資格。ライセンスは資格+実務経験の組み合わせで成立
手に職(実技)入口が開いている。大工・整備・電気を実技で学べる留学生には入口がない。管理・設計側からの参入になる
管理・契約の教育施工管理技士の枠組みで学ぶ契約管理・積算・入札・原価が必修の中心。比重が明確に大きい
言語日本語英語。豪州の建築基準・契約書・仕様書を英語で読み書きする訓練になる
ビザ・長期滞在職業リストという別軸の資産が乗る(ただし職種で大きく異なる)
賃金建設業 月額36.6万円(令和7年・所定内)トレード標準で週 AUD 1,119.10〜、電気は職種グループ中位で週 AUD 2,204

ライセンスの現実を、先にお伝えします

NSW州の4トレードすべてで、ライセンスの条件は「資格の保有」ではなく「豪州での監督下の実務経験」です。
  • 電気:Certificate III(UEE30820 等)に加えて、職業訓練審査委員会(VTRP)発行の certificate of proficiency12か月以上の電気配線実務経験が必要です。さらに certificate of proficiency 側の要件には「豪州で12か月以上の当該職務経験」「全職務範囲にわたる3年以上のフルタイム就労」が含まれます。加えて、仕上げの Capstone ユニットは実地訓練を100%修了した後でなければ受講できません。つまり免許以前に、資格そのものが訓練契約なしでは修了できない構造です。
  • 配管:契約者ライセンス/有資格監督者証は、2024年11月1日から CPC40920 Certificate IV in Plumbing and Services (Operations) が要件になりました。加えて「apprenticeship または traineeship の修了と2年以上の業界経験」または「Certificate III 取得後の2年以上の業界経験」が必要です。
  • ビルダー(一般建築工事):資格要件として明記されているのは CPC40120 Certificate IV(CPC40320/CPC40110も可)です。これに2年以上の幅広い建築工事の実務経験(申請日から10年以内に取得した経験が過半であること)が加わり、有資格監督者の監督下であったことの証明、推薦者の陳述書、全工程にわたる実務経験の証明が求められます。
  • 自動車整備:NSW の案内は4分野でもっとも明快です。「整備士証を得るには、座学と実地の双方を含む apprenticeship を修了していなければならない」「資格の修了だけでは apprenticeship の修了を意味しない」と明記されています。
  • 共通:「オーストラリア国外で取得した資格は、NSW の契約者ライセンス・各種証明の対象として認められません」と明記されています。国籍・在留資格そのものの制限は公開要件に見当たりませんが、学生ビザの就労上限(就学期間中は2週間48時間)では、上記の実務経験要件を満たすことが時間的に不可能です。

TAFE NSW 自身が CPC50220 の案内で「NSW Fair Trading の契約者ライセンスの要件のひとつを満たす」と書いているのは、まさにこの意味です。「ひとつ」であって「すべて」ではありません。

それでも、この分野で豪州に来る意味

入学条件・英語条件ENTRY REQUIREMENTS

CPC40120・CPC50220 とも、資格そのものに前提となる学歴・職歴要件は置かれていません。TAFE NSW への留学生としての出願では、学歴書類・英語力の証明・学生ビザの要件を満たすことが必要です。

コース別の英語スコアは公開されていません。TAFE NSW International の案内では、General English を修了すると、IELTS 6.0 相当を入学条件とする職業教育コースへ進む道があると説明されています。CPC40120・CPC50220 に個別に設定されたスコアは公表資料で確認できませんでしたので、出願時に TAFE NSW へ確認のうえご案内します。

英語力が届いていない場合の入口として、TAFE NSW の語学コースがあります。General English と EAP(進学英語)の構成、キャンパス、期間の考え方は次のページにまとめています。

TAFE NSW 提携語学コース一覧を見る

費用と期間FEES & DURATION

コース期間公表学費キャンパス・入学
CPC40120 Certificate IV in Building and Construction (Building)1年AUD 17,300Granville 2月/Nirimba 2月・7月/Ultimo 2月
CPC50220 Diploma of Building and Construction (Building)1年公表値が一致していません(AUD 25,175/25,175〜25,932/21,360)Granville 2月/Nirimba 2月・7月/Ultimo 2月(7月の可否は要確認)
Diploma の学費について、正直にお伝えします。TAFE NSW の公開資料3か所(International Student Guide 2026/国際コースページ/コース詳細ページ)で AUD 25,175・AUD 25,175〜25,932・AUD 21,360 と、金額が一致していません。当社は推測での金額掲載をしない方針ですので、このページには確定額を書いていません。お見積りの際に TAFE NSW へ直接確認したうえで、正確な金額をご案内します。教材・工具等の実費が別途 AUD 300〜1,000 程度かかると案内されています。

上記のほか、学生ビザ申請料、海外留学生健康保険(OSHC)、生活費、航空券が必要です。総額のシミュレーションは無料でお出しします。

よくあるご質問FAQ

Q. どうしても大工になりたいのですが、方法はありませんか。

方法がないわけではありませんが、順序が逆になります。日本で技能を身につけ、実務経験を積んでから TRA の技能査定を受けるルートのほうが現実的です。Carpenter(331212)は CSOL・MLTSSL の双方に掲載されており、日本国籍の方は subclass 482 の強制技能査定の対象外です。ただし 189/190/491 では TRA の査定が必要になります。「留学してから」ではなく「経験を持って」という順序であれば、選択肢は確実にあります。

Q. Certificate IV だけで終えることもできますか。

可能です。ただし Diploma では契約・積算・原価・入札・下請管理・財務といった、案件と会社を回す側のユニットが必修として加わります。就労ビザや学士への編入を見据える場合、Diploma まで進んでおく判断が有利に働く場面があります。ご状況により最適解が変わりますので個別にご相談ください。

Q. このコースを出れば永住できますか。

いいえ。コースの修了は永住を保証するものではありません。職業リストへの掲載は「そのルートを検討できる」という意味であり、実際には技能査定、英語力、年齢、職務経験、雇用主や州の状況といった複数の要素で結果が変わります。また職業リストと州指名の条件は毎年見直されます。当社は登録移民代理人が在籍しており、ご相談時点の制度に基づいて可能性と条件を具体的にご説明します。

Q. 日本の建設系専門学校を出ています。単位の免除はありますか。

豪州の職業教育には RPL(既習事項の評価)や単位免除の仕組みがあります。日本の建築・土木系専門学校の履修内容が該当するかは、シラバスと成績証明の内容次第です。書類をお預かりのうえ TAFE NSW へ確認します。

Q. 施工管理技士の資格は豪州で通用しますか。

そのままの形では通用しません。豪州のライセンスは州ごとの制度で、「オーストラリア国外で取得した資格は NSW の契約者ライセンスの対象として認められない」と明記されています。ただし実務経験そのものは評価の対象になり得ますし、学生ビザ申請時の「過去の学歴・職歴との関連」の説明では大きな武器になります。経歴を活かす組み立ては得意分野ですので、ぜひご相談ください。

関連ページRELATED PAGES

このコースが自分に合うか、無料で確認できます

学歴・職歴・英語力・ご予算・目標時期をうかがって、このコースが現実的かどうかを率直にお伝えします。合わないと判断した場合は、その理由と代わりの選択肢もお出しします。

資料と最新情報を請求する(無料) 無料カウンセリングを申し込む
当社には Registered Migration Agent(登録移民代理人・MARN 0637738)が在籍しており、ビザに関するご相談は当該代理人が担当します。本ページはコース選びの参考としての一般情報であり、個別のビザ申請に関する助言ではありません。職業リスト(CSOL・MLTSSL 等)、州指名の条件、技能査定機関の基準、州のライセンス制度、賃金基準、英語要件はいずれも随時改定されます。掲載内容は 2026年7月時点で公開情報から確認したものであり、ご検討の際は必ず最新の情報をご確認ください。学費・入学条件は TAFE NSW の定めによります。

出典一覧SOURCES

コース・資格

ビザ・職業リスト・技能査定

ライセンス(NSW州)

就職・年収(オーストラリア)

就職・年収(日本)