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WILLIAM ANGLISS INSTITUTE / BAKING & FOOD SCIENCE

ベーカリー・フードサイエンス(ウィリアム・アングリス)

Certificate III in Baking (FBP30521) / Diploma of Food Science and Technology (FBP50121)

William Angliss Institute は 1940年開校の「食」の専門教育機関で、調理・製菓と並んで製パン(Baking)と食品科学(Food Science)を留学生向けに開講している、豪州でも数少ない学校のひとつです。ただしこの分野には、「パンを焼く人(Baker=trade 職)」と「食品を設計する人(Food Technologist=学位職)」という、性格のまったく違う2つの職業世界があります。どちらを目指すかでビザの制度も必要な学歴も別物になるため、このページは最初にその線引きから説明します。

メルボルン 555 La Trobe Street(CBD 内) FBP30521 1年 A$21,840 / FBP50121 1年 A$18,440 入学:2月・7月 ANZSCO 351111 / 351112 / 234212 Baker=CSOL 掲載・MLTSSL 非掲載 Food Technologist=MLTSSL 掲載(学位要件)
ホーム専門・キャリアアップ留学William Angliss Institute(メルボルン) > ベーカリー・フードサイエンス

最初にお伝えすべきことWHAT WE SHOULD TELL YOU FIRST

「豪州でパン職人」「食品開発の仕事」——どちらも耳ざわりのよい言葉ですが、制度の実態はかなり込み入っています。2026年7月時点で弊社が公開情報から確認できた範囲で、ご検討前に知っておいていただきたい不都合な事実を先に並べます。

1. Baker・Pastrycook は「trade(技能職)」で、豪州ではアプレンティスシップ(徒弟制度)が主流の世界です。
William Angliss 自身が、国内学生向けには Certificate III in Baking(FBP30521)のほかに アプレンティスシップ版の Certificate III in Bread Baking(FBP30421)・Certificate III in Cake and Pastry(FBP30321)を並行開講しています。つまり豪州人の Baker の標準ルートは「働きながら3〜4年かけて資格を取る」であって、1年のフルタイム就学ではありません。留学生の FBP30521(1年)はこの世界への入口であり、修了イコール一人前の Baker ではない、という前提でお考えください。
2. Baker も Pastrycook も MLTSSL には載っていません。189 も、卒業後ビザ 485(Post-Vocational Education Work stream)も使えません。
弊社が 2026年7月に確認した範囲では、351111 Baker は CSOL(PDF)の 383番、351112 Pastrycook は 384番に掲載されており、雇用主が支える 482(Skills in Demand)・186(Direct Entry)の検討対象になり得ます。一方 MLTSSL にはどちらも載っておらず、自力申請の 189 は使えません。さらに subclass 485 の Post-Vocational Education Work stream は MLTSSL 掲載職種に密接に関連する資格が要件とされるため、FBP30521 だけでは卒業後ビザも見込みにくい構造です。STSOL には両方とも掲載されており(査定機関 TRA)、州推薦を伴う 190/491 が理論上の検討対象になります。
3. Diploma of Food Science and Technology(FBP50121)では、234212 Food Technologist に届きません。
Food Technologist は skill level 1(学士以上相当)の職業で、査定機関 VETASSESS は食品科学・食品技術・栄養学を主専攻とする学士号以上を求めるとしています。FBP50121 は AQF レベル5 の Diploma ですから、この1年コースを出ただけでは Food Technologist としての技能査定は通りません。「フードサイエンスの Diploma で技術職ビザ」という説明を見かけたら、学歴要件を確認してください。
4. Bachelor of Food Studies(食学の学士)は、現在の募集を確認できませんでした。
William Angliss にはかつて Bachelor of Food Studies という学位課程があり、学校サイトの過去記事や外部の進学サイトには今も情報が残っています。しかし弊社が確認した 2026年の留学生向け学費表(International Course Fees 2026)にこの学位は載っておらず、現在の学校サイトのコース一覧でも確認できませんでした。2026年時点で確認できた食品系の開講は FBP30521(Cert III Baking)と FBP50121(Diploma of Food Science and Technology)の2つです。Food Technologist を目指すのに必要な「食品系の学士」を Angliss で完結できるかは、現時点では未確認とお伝えするのが正直なところです。
5. メルボルンは移民制度上の「地方」ではありません。
designated regional area の区分でメルボルンはシドニー・ブリスベンと同じ Category 1(Major Cities)とされ、地方在住の加点や 491/494、地方卒業生向けの優遇の対象外です。「ビクトリア州だから地方扱い」という説明は正確ではありません。
6. シドニー校の Baking・Food Science は「掲載はあるが、学費未確認」です。
Angliss の 2026 International Course Guide のシドニー校欄に Baking と Food Science の記載はありますが、弊社が確認できた資料ではシドニー校のこの2コースの学費と CRICOS 番号を確認できませんでした。このページの金額はすべてメルボルン本校(555 La Trobe Street)の 2026年値です。シドニー校をご希望の場合は個別に照会します。
7. 学費について。 このページの金額は、弊社が確認した William Angliss の 2026年入学・留学生向け学費表の値だけです(授業料のみ・豪ドル)。2027年の学費は未公表で、Angliss は「すべての価格は予告なく変更されることがある」と明記しています。確認できていない金額は書きません。

30秒で分かるこの分野QUICK FACTS

学校William Angliss Institute(RTO 3045 / CRICOS 01505M / TEQSA PRV12153)。1940年開校。foods・tourism・hospitality・events に特化した専門教育機関で、2026年版ガイドによると留学生は約1,300人・50カ国。
コースFBP30521 Certificate III in Baking(1年・CRICOS 107366C)/FBP50121 Diploma of Food Science and Technology(1年・CRICOS 107351K)
キャンパスメルボルン本校(555 La Trobe Street・CBD 内。実習ベーカリー・食品技術ラボ)。シドニー校(Alexandria)は 2026ガイドに掲載があるものの学費未確認。
2026年学費FBP30521:A$21,840(A$10,920×2学期)/FBP50121:A$18,440(A$9,220×2学期)。いずれも授業料のみ。
入学月どちらも 2月・7月
英語条件IELTS Academic 6.0(各バンド 5.0 以上)。PTE/TOEFL iBT/CAE も可とされますが換算値は未確認。
主な ANZSCO351111 Baker(skill level 3・TRA)/351112 Pastrycook(3・TRA)/234212 Food Technologist(1・VETASSESS)
最重要ポイントBaker・Pastrycook は CSOL 掲載・MLTSSL 非掲載(189・485 Post-Vocational 不可、190/491 は STSOL 経由)。Food Technologist は MLTSSL 掲載だが学士号が必要で、Diploma では届かない。
日本の年収目安パン製造・パン職人 396.7万円/食品技術者 611.9万円(いずれも厚生労働省 job tag・令和7年賃金構造基本統計調査)。日本でも「作る人」と「設計する人」で年収の水準が違います。
向いている人手に職としてのパン・製菓を英語圏で身につけたい方/食品の品質管理・HACCP を英語で学び、日豪の食品業界でキャリアを作りたい方。「これだけで永住」を期待する方には向きません。

学費は 2026年入学・留学生向けの確認済み値、コース情報は Angliss の 2026年資料および training.gov.au のリリース PDF で確認できた範囲です。お申込み前に必ず最新の値をご確認ください。

① コースの主旨と学習ユニットCOURSE STRUCTURE AND UNITS

2つのコースはどちらも FBP(Food, Beverage and Pharmaceutical)Training Package に属します。調理・製菓の SIT 系とはパッケージが違い、レストランではなく製造業(food manufacturing)の側に立った資格です。以下は training.gov.au のリリース PDF で確認できた構成です。

FBP30521 Certificate III in Baking(1年・A$21,840・CRICOS 107366C)

パンと菓子の両方を扱う製パンの基幹資格です。コア15・選択4 の計19ユニットで、コアの大半が「実際に作る」ユニットで占められています。

区分ユニット(コアのみ)
パンFBPRBK3005 基本のパン/FBPRBK3006 惣菜パン/FBPRBK3007 特殊粉のパン/FBPRBK3014 甘い発酵生地(スイートイースト)製品/FBPRBK3018 基本のアルチザン(職人)製品
ペストリー・菓子FBPRBK3001 折り込み(ラミネート)ペストリー/FBPRBK3002 折り込みでないペストリー/FBPRBK3008 スポンジケーキ/FBPRBK3009 ビスケット・クッキー/FBPRBK3010 ケーキ・プディング/FBPRBK2002 フィリング(充填物)の調製
工程・安全FBPRBK3015 ベーカリー生産のスケジューリング/FBPFSY2002 食品安全手順/FBPWHS2001 労働安全衛生/FBPOPR2069 職場での数量計算

出典は training.gov.au の FBP30521 リリースファイル(PDF)。選択4ユニットとして Angliss が実際に採用している内容は確認できませんでした。

「深夜に始まる仕事」であることは、渡航前に知っておいてください。製パンは仕込みが未明から始まる業態が普通で、コアに生産スケジューリング(FBPRBK3015)が入っているのはそのためです。体内時計ごと職業を変える覚悟が要る仕事だという点は、調理や製菓以上にはっきりしています。

FBP50121 Diploma of Food Science and Technology(1年・A$18,440・CRICOS 107351K)

こちらは白衣とラボの世界です。コア11・選択9 の計20ユニットで、微生物・生化学・HACCP・品質システムという食品製造業の中核領域を1年で一巡します。

区分ユニット(コアのみ)
科学FBPFST4004 食品微生物の実験手技/FBPFST5006 食品微生物学的手法と分析/FBPFST5005 食品の生化学的性質の検査/MSL975038 官能評価(センサリー分析)/FBPTEC4007 数学的手法によるデータ分析
食品安全・品質FBPFSY4001 食品安全計画の監督・維持/FBPFSY5001 HACCP に基づく食品安全計画の策定/FBPFST6001 品質システムの開発・運用/FBPFST5002 製造工程の工程管理
職場BSBWHS411 労働安全衛生の実施・監視/MSMENV472 環境配慮の実務

出典は training.gov.au の FBP50121 リリースファイル(PDF)。選択9ユニットの採用内容、ラボ実習の時間数は確認できませんでした。

この2コースは「積み上げ」の関係ではありません。FBP30521 は工房で手を動かす trade の入口、FBP50121 は工場とラボで品質を設計する技術者の入口です。同じ FBP パッケージでも出口の職業世界が違います。次のセクションで、その違いをビザ制度まで含めて整理します。

参考:Angliss の製パン教育の全体像(国内学生向けを含む)

Angliss は製パン分野で、Certificate II in Baking(FBP20221・プレアプレンティスシップ)、FBP30521 の非アプレンティスシップ版とアプレンティスシップ版、Certificate III in Bread Baking(FBP30421・アプレンティスシップ)、Certificate III in Cake and Pastry(FBP30321・同)、Certificate IV in Baking(FBP40221)を開講しています。このうち 2026年の留学生向け学費表で確認できたのは FBP30521 のみです。裏を返せば、Angliss の実習ベーカリーには現役のアプレンティス(企業に雇われた見習い職人)が通ってくるということで、業界と地続きの環境で学べるのがこの学校の実態的な強みです。

② このコースで就ける職種(ANZSCO)OCCUPATIONS AND ANZSCO CODES

この分野で名前が挙がる職業を、ANZSCO コードごとに確認しました。「作る側」の2つと「設計する側」の1つで、要求される学歴の水準がまったく違う点にご注目ください。

ANZSCO職業名Skill Level技能査定機関このコースとの関係
351111Baker(パン職人)3TRA パン・ロール・その他ベーカリー製品の製造。FBP30521 の直接の出口。Certificate III 以上、または関連実務経験が目安とされる trade 職です。
351112Pastrycook(製菓職人)3TRA ケーキ・ペストリー・デザートの製造。FBP30521 のコアにはペストリー・ケーキ系ユニットが多く含まれ、実務ではこの職務と重なります。Baker と Pastrycook は同じ 3511(Bakers and Pastrycooks)グループで、ビザ上の扱いもほぼ同じです。
234212Food Technologist(食品技術者)1VETASSESS 食品の開発・製造工程・品質管理を設計する専門職。学士号以上(食品科学・食品技術・栄養学を主専攻)が査定の前提とされます。FBP50121 はこの世界の入口ですが、Diploma 単独では査定要件に届きません
234211Chemist(化学者)1VETASSESS 混同されやすい隣接職種。Chemist は化学一般の研究・分析職で、食品の製造・品質に軸足を置く Food Technologist とは別コードです。食品会社のラボ職でも、職務内容によってどちらに該当するかが分かれます。

現場での職位の階段(Baker ルート)

現場での職位の階段(Food Technologist ルート)

「パン職人」と「食品技術者」は、日本でも豪州でも別の職業です。後述のとおり、日本の統計でもパン製造の年収 396.7万円に対して食品技術者は 611.9万円と、水準がはっきり違います。豪州では skill level(3 と 1)とビザのリスト掲載までが分かれます。どちらの階段を登るのかを、渡航前に決めておくことがこのページでいちばんお伝えしたいことです。

③ ビザ対応職種としての扱い(リスト別の掲載有無)OCCUPATION LISTS AND VISA SUBCLASSES

弊社が 2026年7月に Core Skills Occupation List(PDF)と、LIN 19/051(F2019L00278)に基づく MLTSSL/STSOL/ROL の掲載状況を照合した結果です。

職種 CSOL
482 Core Skills
186 Direct Entry
LIN 24/093
MLTSSL
189/190/491/485
STSOL
190/491
ROL
491/494
351111 Baker 掲載あり383番 掲載あり 掲載なし 掲載ありTRA・skill level 3 掲載なし
351112 Pastrycook 掲載あり384番 掲載あり384番 掲載なし 掲載ありTRA・skill level 3 掲載なし
234212 Food Technologist 掲載あり135番 掲載あり 掲載ありVETASSESS・skill level 1 掲載なし 掲載なし
234211 Chemist(参考) 掲載あり134番 掲載あり 掲載ありVETASSESS・skill level 1 掲載なし 掲載なし

「383番」等は弊社が確認した CSOL(PDF)の項目番号で、改定で変わり得ます。※印:186 Direct Entry の指定職業は CSOL と同一の職業群に基づくとされます(Pastrycook 384番は同一分野の弊社確認と一致)。ただし LIN 24/093(F2024L01618)の法令本文そのものは JavaScript 描画のため直接読み取れておらず、Baker・Food Technologist・Chemist の 186DE 掲載は二次情報に基づく確認です。MLTSSL/STSOL の掲載は LIN 19/051 系の照合サイトで確認しました。ROL について、弊社が確認した一覧に 3511・2342 系のコードは含まれていませんでした。

この表から読み取れること

(1)Baker・Pastrycook ルートは「雇用主頼み」か「州頼み」です。
MLTSSL 非掲載のため、189(独立技術移住)と 485 Post-Vocational Education Work stream(卒業後ビザ・35歳以下)は使えません。使える可能性があるのは、CSOL 掲載職種としての 482/186(雇用主スポンサー)と、STSOL 掲載職種としての 190/491(州・地域推薦)です。482 には給与下限(Core Skills Income Threshold=2026年7月1日から AUD 79,499 とされます)があり、trade 職の給与水準でこれを超える雇用主を見つけられるかが実務上の壁になります。ビクトリア州の州推薦(190/491)が当年度に Baker/Pastrycook を対象としているかは、弊社では確定情報を取得できませんでした
(2)Food Technologist は MLTSSL 掲載——ここがこの分野の「上の出口」です。
234212 Food Technologist は MLTSSL に掲載されており、要件を満たせば 189/190/491、そして学士以上を修了した場合の 485(Post-Higher Education Work stream)まで視野に入ります。ただし前提は食品科学系の学士号(VETASSESS 査定)です。FBP50121 Diploma はこの学位に向けた土台にはなりますが、Diploma 止まりでは MLTSSL のメリットを使えません。また Angliss 自身の食品系学士(Bachelor of Food Studies)は現在の募集を確認できていないため、学位まで進む場合は他大学への進学(単位認定の可否は個別確認)を含めた設計になります。
(3)卒業後ビザ(485)の観点では、この2コースはどちらも弱い。
FBP30521・FBP50121 はいずれも VET 資格なので 485 は Post-Vocational Education Work stream の土俵ですが、同 stream は MLTSSL 掲載職種に密接に関連する資格を求めます。Baker・Pastrycook は MLTSSL 非掲載。Food Technologist は掲載されていますが、skill level 1 の職業に対して Diploma が「密接に関連する資格」として認められるかは別問題で、査定機関 VETASSESS は学士号を要求します。弊社はこの点を「485 は当てにしない設計」でご案内しています。
(4)メルボルンは Category 1。地方の優遇はありません。
designated regional area の区分でメルボルンは Major Cities(Category 1)とされ、491/494 の対象地域でも、地方就学の加点対象でもありません。地方区分を使った設計をお考えの場合は、Category 2/3 の都市にある学校との比較をおすすめします(例:TAFE Queensland の調理・製菓ページではゴールドコーストやケアンズの扱いを整理しています)。

CSOL に載っている職業の全体像はCSOL 掲載職種リストを、ビザ制度の基礎はビザ・永住の基礎をご覧ください。

ビザの可否はその時点の法令・職業リスト・州の推薦条件・ご本人の状況で決まります。個別の見通しは当社の登録移民代理人がお伺いしたうえでお伝えします。

Baker ルートと Food Technologist ルート——性格の違う2つの経路TWO PATHWAYS, TWO DIFFERENT GAMES

このページの結論を先に図式化します。同じ「食」の分野でも、2つの経路はルールの違う別のゲームです。

経路A:Baker/Pastrycook(trade の世界)

FBP30521 → 就労 → TRA 査定 → 482/186 または 190/491

学歴の壁は低く、実務の壁が高い経路です。Certificate III(1年・A$21,840)で職業世界there には入れますが、技能査定(TRA)は学校の修了証だけでは完結しません。豪州で職業資格を取った留学生は一般に Job Ready Program(JRP)という段階式のプログラム——Provisional Skills Assessment に始まり、有給での就労実績(Job Ready Employment)、職場での実地評価(Workplace Assessment)、最終判定——を通る必要があるとされます。つまり「卒業後に Baker として雇われて働き続けられるか」が査定そのものです。485 が使えない分、この就労期間をどのビザで過ごすかが設計上の難所になります。

経路B:Food Technologist(学位職の世界)

FBP50121 →(学士号)→ VETASSESS 査定 → 189/190/491 も視野

学歴の壁が高く、越えた後の制度は広い経路です。MLTSSL 掲載・skill level 1 の Food Technologist に到達するには食品科学系の学士号が要ります。FBP50121(1年・A$18,440)は HACCP・微生物・品質システムという業界の共通言語を学ぶ入口として合理的ですが、Diploma で止まればビザ制度上は経路Aより不利(STSOL にも載っていない)という逆転が起きます。学士まで進み切る資金・年数・英語力の計画が立つ方にだけ、おすすめできる経路です。Angliss 自身の食品系学士は現在確認できないため、学位段階は他大学への進学を含めて設計します。

比較の軸経路A:Baker/Pastrycook経路B:Food Technologist
必要学歴Certificate III(AQF3)+実務学士号以上(食品科学・食品技術・栄養学)
skill level31
技能査定TRA(Job Ready Program 等・就労実績が必要)VETASSESS(学歴+職務経験の書類査定)
MLTSSL非掲載(189・485 Post-Voc 不可)掲載(189/190/491 の検討対象)
CSOL(482/186)掲載(383・384番)掲載(135番)
初期投資1年・A$21,840 から始められるDiploma の先に学士号(年数・費用は進学先次第)
時間軸就学は短いが、査定に就労年数が要る就学が長い分、修了時点で制度上の位置は高い
弊社の率直な見立て。経路Aは「パンを焼いて生きていく」という職業選択そのものであり、ビザはその結果としてついてくるかどうか、という順序です。経路Bは大学進学を含む長期投資で、Diploma 単体では中途半端になります。「1年で取れて永住に近い資格」はこの分野には存在しません。その前提を共有できる方に、Angliss は設備と業界接点の面で価値のある学校だと考えています。

④-A オーストラリアの就職状況と年収EMPLOYMENT AND PAY IN AUSTRALIA

正直にお伝えすると、Baker・Pastrycook・Food Technologist の豪州の平均年収について、弊社が数字の出典として掲げられる水準の確認ができませんでした(SEEK の給与ページ、Jobs and Skills Australia、ABS に弊社環境からアクセスできなかったためです)。確認できなかった数字は書きません。実勢は以下のリンクからご自身でも確認いただけます。

数字の代わりに、構造をお伝えします

最低賃金・割増は Modern Award(産業別裁定)で職種・経験年数ごとに定められます。2026年7月1日以降の時給表の原本は確認できなかったため、具体額は記載しません。Fair Work Ombudsman — Awards でご確認ください。

④-B 日本での就職状況と年収EMPLOYMENT AND PAY IN JAPAN

日本側の数字は出典つきで示せます。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の掲載値です(賃金は令和7年賃金構造基本統計調査、求人統計は令和6年度に基づくとされています)。

職業年収有効求人倍率月間労働時間平均年齢求人賃金(月額)
パン製造、パン職人 396.7万円1.55164時間43.5歳21.8万円
食品技術者 611.9万円0.71159時間43.9歳24.8万円

出典:厚生労働省 job tag(職業情報提供サイト)。統計上の分類と実際の職場の呼称は必ずしも一致しません。基礎統計は 厚生労働省 — 賃金構造基本統計調査もご覧ください。

この数字から読めること

単純な為替換算はおすすめしません。豪州と日本では家賃・税・年金・医療の仕組みが違い、額面の比較は実態を映しません。弊社では換算レートを置いた比較の数字は掲載しません。

⑤ 日本の同種の専門学校(比較用)2校COMPARABLE SCHOOLS IN JAPAN

「日本で学ぶ」という選択肢と正面から比べるための参照先です。製パン系1校・食品技術系1校を挙げます。弊社はこれらの学校とは関係がありません。

東京製菓学校(東京・新宿区)

パン本科ほか、パン・洋菓子・和菓子の専門課程

製菓・製パンの専門課程を長く運営してきた学校で、パンを専門とする学科(パン本科)を持ちます。日本国内のベーカリー・製菓業界で働くことが目的なら、日本の専門学校のほうが就職ネットワークの面で合理的です。豪州との違いは、英語環境と、サワードウを含む豪州型ベーカリー文化の中で学べるかどうかにあります。

東京バイオテクノロジー専門学校(東京・大田区)

食品開発コースほか、実験・分析系の課程

食品開発・分析を実習中心で学ぶ理系専門学校です。FBP50121 と比較する場合の国内の対応物にあたります。日本の食品メーカーの採用市場では、国内の学校の実習実績と就職支援が直接効きます。豪州で学ぶ意味が出るのは、HACCP・英語のラボ環境・国際的な品質規格への接点を重視する場合です。

修業年限・学費・入学時期は各校のサイトでご確認ください。弊社では両校の課程の存在と所在地までを確認しました。

⑥ オーストラリアで学ぶ価値と、日本との違いWHY STUDY IN AUSTRALIA

比較の軸日本の専門学校William Angliss(FBP30521/FBP50121)
資格の性格学校ごとの修了証(製菓衛生師など国家資格は別途)全国共通の AQF 職業資格。ユニット単位で技能が定義され、豪州のどの州でも同じ意味を持つ
業界との距離就職活動を通じて卒業後に入るアプレンティス(企業の見習い)と同じ校舎・設備で学ぶ。訓練と業界が地続き
言語日本語レシピ・生産計画・HACCP 文書・監査対応まで英語
ビザとの関係CSOL/STSOL(Baker・Pastrycook)、MLTSSL(Food Technologist・要学士)を通じて就労ビザ制度と連動
到達までの時間1〜2年で国内就職へ資格は1年。ただしビザに使える状態までは就労・査定・(経路Bなら)学位で数年単位

3つの「違い」

違い①:豪州のベーカリーは「アルチザン」と「工場」の両方が学べる市場です。サワードウ文化の広がりで職人型ベーカリーが増える一方、スーパー内・工場型の大量生産も雇用の受け皿として大きい。FBP30521 のコアに手仕事のユニット(アルチザン製品)と生産スケジューリングの両方が入っているのは、この市場構造の反映です。
違い②:食品安全が「記録と監査」の文化として根づいています。FBP50121 の中心は HACCP に基づく食品安全計画の策定と品質システムの運用です。輸出大国である豪州の食品業界は監査対応が日常業務であり、これを英語で経験することは、日本の食品メーカーの輸出部門・品質保証部門でそのまま通用する職能になります。
違い③:資格が労働市場の共通言語になっています。日本では「どの店で修業したか」が語られる世界ですが、豪州では Certificate III 保持が求人の応募条件として明記されます。転職・独立・州をまたぐ移動のたびに、資格がそのまま通行証として機能します。

入学条件・英語条件ENTRY REQUIREMENTS

学歴オーストラリアの Year 12 相当(日本の高校卒業程度)が基準とされています。
英語IELTS Academic 6.0(各バンド 5.0 以上)。PTE Academic/TOEFL iBT/CAE も受け付けるとされますが、具体的な換算スコアは確認できませんでした
年齢17歳未満は入学不可。18歳未満は承認された滞在・福祉手配が必要とされています。
その他training.gov.au 上、FBP30521・FBP50121 とも資格としての入学前提条件(entry requirements)は「なし」とされています。学校側の選考条件とは別です。

出典:William Angliss — 留学生向け入学条件ページ。条件は改定されます。

IELTS 6.0(各 5.0)に届いていない方へ。初めての留学でこの水準は決して低くありません。語学学校で土台を作ってから本科に進む設計が一般的で、弊社では現在の英語力と目標時期から逆算した組み方をご提案しています。▶ 語学学校の一覧はこちら
なお FBP50121 は微生物学・生化学を英語で扱うため、入学基準ぎりぎりの英語力だと授業の消化がかなり苦しいコースです。理科の専門語彙の準備を含め、余裕を持った計画をおすすめします。

費用と期間FEES AND DURATION

金額の扱いについて先に断っておきます。以下は弊社が確認した William Angliss の 2026年入学・留学生向け学費表(International Course Fees 2026)の値のみです(授業料のみ・豪ドル)。2027年の学費は未公表のため、2027年入学の見積りには使えません。Angliss は価格が予告なく変更され得ると明記しています。
コースコード期間CRICOSキャンパス2026年学費(総額)入学月
Certificate III in Baking FBP305211年107366CMelbourne A$21,8402月・7月
Diploma of Food Science and Technology FBP501211年107351KMelbourne A$18,4402月・7月
Certificate III in Baking(シドニー校) FBP305211年未確認Sydney(掲載あり・要再確認) 学費未確認2月・7月
Diploma of Food Science and Technology(シドニー校) FBP501211年未確認Sydney(掲載あり・要再確認) 学費未確認2月・7月

学期単価の内訳(弊社検算済み):FBP30521 は調理・製菓系単価 A$10,920×2学期=A$21,840、FBP50121 は食品科学系単価 A$9,220×2学期=A$18,440 と一致します。

学費以外にかかるもの(2026年・確認済みの範囲)

奨学金は、在学中の留学生を対象とする The Sir William Angliss International Merit Scholarships(最大 A$3,000・学期ごとに募集)が確認できています。新入生向けの授業料減免型の大型奨学金は確認できませんでした。

進学モデル(例)

上記は制度の全体像を示すモデルです。個別の見通しは登録移民代理人がお伺いしたうえでお伝えします。

よくあるご質問FAQ

Q. Certificate III in Baking を取れば、パン職人として永住できますか。 その言い方は正確ではありません。Baker(351111)は MLTSSL 非掲載のため 189 と卒業後ビザ 485(Post-Vocational)は使えず、現実的な線は雇用主スポンサーの 482/186(CSOL 掲載)か、州推薦の 190/491(STSOL 掲載)です。しかも技能査定(TRA)には卒業後の有給就労の実績が要るとされ、482 には給与下限(AUD 79,499・2026年7月1日からとされます)があります。資格は入口にすぎず、就労とスポンサーの確保が本体です。弊社はこの順序を最初にお伝えしています。
Q. Diploma of Food Science で Food Technologist になれますか。 なれません。Food Technologist(234212)は skill level 1 の職業で、査定機関 VETASSESS は食品科学系の学士号以上を求めるとしています。FBP50121 は AQF5 の Diploma です。MLTSSL のメリット(189 など)を使うには学士まで進む必要があります。Diploma 単独の価値は、ビザではなくHACCP・品質管理の職能を英語で身につけることにあります。
Q. Bachelor of Food Studies に進学したいのですが。 弊社が確認した 2026年の留学生向け学費表と現在の学校サイトのコース一覧では、この学位を確認できませんでした。過去に提供されていた記録は残っていますが、現在の募集状況は未確認です。ご希望の場合は Angliss に直接照会のうえ、他大学の食品科学系学士も含めてご提案します。
Q. 日本のパン屋・食品工場での経験は評価されますか。 入学面では、資格としての入学前提条件はないため必須ではありませんが、選考・学習の両面で確実に有利です。ビザ面では、日本での実務経験が長い方は留学せずに TRA の Migration Skills Assessment(国外の資格・職歴の査定)や 482 のスポンサー探しを先に検討したほうが早い場合があります。職務経歴を拝見してからのご提案になります。
Q. シドニー校でベーカリーを学べますか。 2026 International Course Guide のシドニー校欄に Baking・Food Science の記載はありますが、弊社ではシドニー校のこの2コースの学費・CRICOS を確認できませんでした。シドニー校は調理・パティスリー系で学費がメルボルンより安い設定のため、確認の価値はあります。個別に照会します。
Q. 製菓(Patisserie)とベーカリー(Baking)で迷っています。 Angliss には SIT 系の Certificate III in Patisserie(1年・A$21,840)もあり、学費・期間は同じです。ビザ上は、Patisserie の出口の Pastrycook(351112)も Baking の出口の Baker(351111)もCSOL 掲載・MLTSSL 非掲載で扱いはほぼ同じです。違いは職業の中身——店頭の華やかな菓子か、毎日の主食のパンか——と労働時間帯です。調理・パティスリーのページもあわせてご覧ください。

確認できなかったことWHAT WE COULD NOT VERIFY

弊社が公開情報から確認できなかった事項を列挙します。推測で埋めずに、確認できていないものは確認できていないと書きます。

コース・学費について

ビザ・職業リストについて

就職・待遇について

日本側について

上記のうちご自身の計画に直接関わる項目は、弊社から William Angliss および関係機関に個別に照会いたします。無料カウンセリングでご希望をうかがったうえで、確認結果をお返しします。

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このコースが自分に合うか、無料で確認できます

学歴・職歴・英語力・ご予算・目標時期をうかがって、このコースが現実的かどうかを率直にお伝えします。合わないと判断した場合は、その理由と代わりの選択肢もお出しします。

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当社には Registered Migration Agent(登録移民代理人・MARN 0637738)が在籍しており、ビザに関するご相談は当該代理人が担当します。本ページはコース選びの参考としての一般情報であり、個別のビザ申請に関する助言ではありません。職業リスト(CSOL・MLTSSL・STSOL 等)、州推薦の条件、給与基準(CSIT)、技能査定の要件、英語要件はいずれも随時改定されます。掲載内容は 2026年7月時点で公開情報から確認したものであり、ご検討の際は必ず最新の情報をご確認ください。学費・入学条件は William Angliss Institute の定めによります。

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