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WILLIAM ANGLISS INSTITUTE / TRAVEL, TOURISM & EVENT MANAGEMENT

観光(トラベル&ツーリズム)・イベントマネジメント(メルボルン)

Diploma of Travel and Tourism Management (SIT50122) / Diploma of Event Management (SIT50322) / Bachelor of Tourism and Hospitality Management / Bachelor of Event Management

全豪オープン、F1オーストラリアGP、メルボルンカップ。メルボルンは、世界規模のイベントが毎年動く都市です。William Angliss Institute は、この街で観光・イベント分野を1940年から教え続けてきた foods・tourism・hospitality・events の専門教育機関です。ただし、この分野には最初に知っておくべき構造があります。「働き口が多いこと」と「ビザにつながること」は別問題で、しかも Diploma で止まるか、学士まで行くかで卒業後ビザの可否が分かれます。このページは、その線引きから正直に書きます。

メルボルン CBD(555 La Trobe Street) Diploma 1年 A$17,900 → 学士へ編入可 入学:2月・7月 ANZSCO 149311 / 451612 / 142116 / 141311 学士まで行けば 485(Post-Higher Education)
ホーム専門・キャリアアップ留学William Angliss Institute(メルボルン校) > 観光・イベントマネジメント

最初にお伝えすべきことWHAT WE SHOULD TELL YOU FIRST

観光・イベントは「就職に強い」「華やか」という言葉で語られがちな分野です。メルボルンに働き口が多いのは事実です。しかし、雇用の量とビザの出口は別の問題です。2026年7月時点で弊社が職業リストの原典を照合した結果を、先に並べます。

1. この分野の職種は、MLTSSL に一つも載っていません。
Migration (LIN 19/051) Instrument 2019 の Schedule 1(MLTSSL)を確認しましたが、Conference and Event Organiser(149311)、Travel Consultant(451612)、Travel Agency Manager(142116)、Hotel or Motel Manager(141311)のいずれも掲載がありません。MLTSSL は subclass 189(独立技術移住)と、subclass 485 Post-Vocational Education Work stream(VET 卒業生向けの卒業後就労ビザ)の前提となるリストです。つまり、Diploma(VET 資格)で止まった場合、卒業後にそのまま働ける 485 は申請できません
2. イベントの中心職種 149311 Conference and Event Organiser は、CSOL にも 186 Direct Entry にも載っていません。
弊社が CSOL(PDF)と、subclass 186 Direct Entry の職業を定める LIN 24/093(F2024L01618)本文を照合した範囲で、149311 の記載はありませんでした(掲載は STSOL のみ・査定機関 VETASSESS)。イベント分野は、雇用主スポンサー(482/186DE)の道も現状ほぼ閉じているということです。旅行系の 451612 Travel Consultant と 142116 Travel Agency Manager は CSOL・186DE に掲載がありますが、MLTSSL・STSOL には載っていません。
3. メルボルンは「地方(regional)」ではありません。
designated regional area の区分では、メルボルンはシドニー・ブリスベンと同じ Category 1(Major Cities)とされています。地方で学んだ場合のポイント加点や、地方向けビザ(491/494)との相性という材料は、メルボルンで学ぶ限り使えません。これは豪州政府の一般制度であり、William Angliss Institute 固有の事情ではありません。
4. ただし、この学校には TAFE の観光コースにはない出口が一つあります。学士です。
William Angliss Institute は VET(Certificate・Diploma)だけでなく、Bachelor of Tourism and Hospitality Management と Bachelor of Event Management という自前の学士課程を持っています。subclass 485 には Post-Vocational(VET 向け・MLTSSL 必須)とは別に、Post-Higher Education Work stream(高等教育の学位取得者向け)があり、こちらは職業リストの要件がありません。つまり、Diploma で止まれば 485 は不可、学士まで上がれば 485 の対象になり得る——この分野の留学設計は、実質的にこの一点で決まります。Diploma を1年目として学士に編入する経路(パッケージ)が用意されているのが、この学校を検討する最大の理由です。
この分野を選ぶ意味がある方。 (1) 学士まで進む前提で、卒業後の 485 と豪州での実務経験まで視野に入れる方。(2) 日本のインバウンド・MICE・旅行業界でのキャリアを前提に、世界的なイベント都市で「英語で現場を回した」経験を持ち帰る方。逆に「Diploma 1年で永住に近づきたい」という期待には、この分野は応えられません。その場合は調理・製菓(William Angliss 調理・製菓ページ)など、職業リスト上の位置づけが異なる分野を先にご検討ください。

30秒で分かるこの分野QUICK FACTS

学校William Angliss Institute(RTO 3045 / CRICOS 01505M / TEQSA PRV12153)。1940年開校の foods・tourism・hospitality・events の専門教育機関で、VET から学士・修士まで持ちます。
キャンパスメルボルン本校(555 La Trobe Street・CBD 内)。観光・イベント・航空コースは、弊社が確認できた範囲ではメルボルン校の開講です(シドニー校の留学生向け提供は調理・製菓・ホスピタリティ中心)。
主なコースSIT30125 Certificate III in Tourism(6カ月・A$8,950)/ SIT50122 Diploma of Travel and Tourism Management(1年・A$17,900)/ SIT50322 Diploma of Event Management(1年・A$17,900)/ AVI30219 Certificate III in Aviation (Cabin Crew)(6カ月・A$11,000)
学士課程Bachelor of Tourism and Hospitality Management(3年)/ Bachelor of Event Management(3年・A$63,660)。Diploma 1年+学士2年編入の3年パッケージが用意されています(費用の項参照)。
入学月VET・学士とも 2月・7月
英語条件Certificate・Diploma:IELTS Academic 6.0(各バンド 5.0 以上)/ Bachelor:6.0(各バンド 5.5 以上)。PTE・TOEFL iBT・CAE も可とされていますが、換算値は確認できていません。
主な ANZSCO149311 Conference and Event Organiser(skill level 2)/ 451612 Travel Consultant(3)/ 142116 Travel Agency Manager(2)/ 141311 Hotel or Motel Manager(2)
ビザ上の最重要点Diploma 止まり=485 不可(MLTSSL 掲載職種なし)。学士まで行けば 485 Post-Higher Education Work stream(職業リスト要件なし)の対象になり得る。149311 は CSOL・186DE 非掲載(STSOL のみ)、451612・142116 は CSOL・186DE 掲載(MLTSSL 非掲載)。
メルボルンの位置づけ全豪オープン・F1オーストラリアGP・メルボルンカップ・AFL グランドファイナルが毎年開催される大型イベント都市。ただし移民制度上は Category 1(地方扱いなし)
日本の年収目安旅行会社カウンター係 525.1万円(求人倍率 2.03)/ イベントの企画・運営 736.8万円(求人倍率 0.54)(いずれも厚生労働省 job tag 掲載値)

学費はすべて 2026年入学・留学生向け・授業料のみの総額(豪ドル)で、Angliss の 2026 International Course Fees(PDF)で弊社が確認した値です。同校は「All prices listed above are subject to change without notice(価格は予告なく変更されることがある)」と明記しており、2027年入学の学費は未公表です。必ずお申込み前に最新の値をご確認ください。

① コースの主旨と学習ユニットCOURSE STRUCTURE AND UNITS

VET コースはいずれも SIT(Tourism, Travel and Hospitality)Training Package にもとづく全国共通資格です。資格ごとのユニット枠組みは training.gov.au のリリース文書で確認しました。Angliss が実際に開講する選択ユニットの組み合わせは確認できていません。

SIT30125 Certificate III in Tourism(A$8,950 / 6カ月 / CRICOS 111086K)

観光業の入門資格です。2025年改定の新しいコード(SIT30125)で、ツアー・アトラクション・ビジターインフォメーションなど観光現場の基礎を6カ月で扱います。単独で完結させるより、Diploma への足がかりとして使う位置づけです。この資格のユニット構成の詳細は、弊社では確認できていません(確認できなかったことの項をご覧ください)。

SIT50122 Diploma of Travel and Tourism Management(A$17,900 / 1年 / CRICOS 111088H)

旅行・観光事業の管理者側の Diploma です。コア13・選択10の計23ユニット。旅行商品の企画・仕入れ・販売に加え、次のような管理系ユニットが中心になります。

日本の旅行会社のカウンター・ツアーオペレーター業務に直結する内容と、事業運営(数字と人)の両方を1年で扱う設計です。

SIT50322 Diploma of Event Management(A$17,900 / 1年 / CRICOS 111089G)

会議・展示会・フェスティバルの企画運営の Diploma です。コア13・選択7の計20ユニット。中心になるのは次のユニット群です。

メルボルンで学ぶ意味が最も出るのがこの Diploma です。全豪オープン(Melbourne Park)、F1オーストラリアGP(Albert Park)、メルボルンカップ(Flemington)、AFL グランドファイナル(MCG)と、世界規模のイベントが毎年市内で動きます。会場設営・運営・ホスピタリティの現場アルバイトが発生しやすい環境で、授業で扱う「イベント運営」を、街の実物で確かめられるのがこの都市の強みです。ただし、これは「働き口・経験の機会」の話であり、後述のとおりビザの出口とは別問題です。

AVI30219 Certificate III in Aviation (Cabin Crew)(A$11,000 / 6カ月 / CRICOS 0101251)

客室乗務員(キャビンクルー)を想定した6カ月の資格です。メルボルン本校にはモック機内キャビン(航空機の客室を再現した実習設備)があり、機内サービス・保安の訓練を実機さながらの環境で行うと案内されています。Diploma of Travel & Tourism との1.5年パッケージ(A$28,900)も用意されており、「航空+観光」を一続きで学ぶ設計が可能です。

このコースの詳細(訓練内容・航空業界の就職事情)は、William Angliss 航空・キャビンクルーコースのページで別途ご案内しています。

Bachelor of Tourism and Hospitality Management(3年 / CRICOS 117777A)/ Bachelor of Event Management(3年・A$63,660 / CRICOS 085672A)

Angliss 自前の学士課程です。Diploma が「現場と部門運営」を扱うのに対し、学士では観光・イベント産業の戦略・マーケティング・組織運営を3年かけて扱います。Diploma of Travel and Tourism Management または Diploma of Event Management を1年目として、学士2年編入につなげる3年パッケージが Angliss の 2026年学費資料に掲載されています(費用の項参照)。Bachelor of Tourism and Hospitality Management には Professional Practice 版(4年・A$74,360)もあり、こちらは1年間の Work Integrated Learning(業界実習)を含むとされています(有給・無給は確認できていません)。

「Diploma → 学士」の編入は、この学校の設計の核です。Cert III → Diploma → Bachelor と積み上げる正規パッケージが用意され、1つの CoE パッケージとして出願できます。ホスピタリティ系の学士(Bachelor of Resort and Hotel Management 等)への進路もあり、そちらはWilliam Angliss ホスピタリティマネジメントのページでご案内しています。

ユニット構成の出典:training.gov.au — SIT50122(PDF)training.gov.au — SIT50322(PDF)。学士のカリキュラム詳細(科目一覧)は弊社では確認できていません。

② このコースで就ける職種(ANZSCO)OCCUPATIONS AND ANZSCO CODES

コース案内に並ぶ想定職種を、ANZSCO コードに対応づけて整理します。ANZSCO は就労ビザ・技能査定で職業を特定する基礎になる番号で、求人票の職名とは必ずしも一致しません。

ANZSCO職業名Skill Level技能査定機関対応するコース・実態
149311Conference and Event Organiser2VETASSESS イベント分野の中心コード。SIT50322/Bachelor of Event Management が対応。VETASSESS では AQF Diploma 以上+所定年数の実務経験(Group C)と案内されています。CSOL・186DE 非掲載(STSOL のみ)
451612Travel Consultant3VETASSESS 旅行商品の相談・販売。日本の「旅行会社カウンター係」に近い職。SIT30125/SIT50122 が対応。CSOL 掲載(442番)・186DE 掲載
142116Travel Agency Manager2VETASSESS 旅行代理店の管理者。SIT50122 の到達点。CSOL 掲載(42番)・186DE 掲載
141311Hotel or Motel Manager2VETASSESS 宿泊施設の運営責任者。Bachelor of Tourism and Hospitality Management からの実務的な進路。CSOL 掲載(38番)・186DE 掲載。この周辺分野で雇用主スポンサーの線が最も残っている職種です。
431 系ほかWaiter/Bar Attendant/ツアー・イベント会場スタッフ等4〜5 在学中のアルバイトや卒業直後の入口はこの層が中心。求人は多い一方、skill level 4〜5 のため技術系ビザの対象になりません

skill level は ANZSCO が定める「その職業に通常求められる技能水準」の区分(1が最高、5が最低)。ビザの可否を直接決めるものではありませんが、技能査定や求められる実務年数に影響します。

「Manager」「Organiser」に届くまでの現実的な階段

③ ビザ対応職種としての扱い(リスト別の掲載有無)OCCUPATION LISTS AND VISA SUBCLASSES

弊社が 2026年7月に Core Skills Occupation List(PDF)、LIN 24/093(F2024L01618)本文、LIN 19/051(F2019L00278)の各 Schedule を照合した結果です。載っていないものは「載っていない」と書きます。ビザの英語要件・年齢・給与水準などは 2026年7月時点の公開情報にもとづきますが、いずれも改定されうるため、必ず最新情報の再確認が必要です。

職種 CSOL
482 Core Skills
186 Direct Entry
LIN 24/093
MLTSSL
189/485(PVEW)ほか
STSOL
190/491
ROL
491/494
149311 Conference and Event Organiser 掲載なし 掲載なし 掲載なし 掲載ありVETASSESS 掲載なし
451612 Travel Consultant 掲載あり442番 掲載あり442番 掲載なし 掲載なし 掲載なし
142116 Travel Agency Manager 掲載あり42番 掲載あり42番 掲載なし 掲載なし 掲載なし
141311 Hotel or Motel Manager 掲載あり38番 掲載あり38番 掲載なし 掲載ありVETASSESS 掲載なし

「38番」等は弊社が確認した CSOL(PDF)および LIN 24/093 本文における項目番号で、改定で変わり得ます。MLTSSL/STSOL/ROL は LIN 19/051 の Schedule 1〜3 の照合結果です。

485(卒業後就労ビザ)の2つのストリーム——この分野の分かれ道

Post-Vocational Education Work streamPost-Higher Education Work stream
対象 VET(Certificate・Diploma・Advanced Diploma)の卒業生 学士以上(高等教育の学位)の卒業生
職業リスト要件 MLTSSL 掲載職種に密接に関連する資格が必要 職業リストの要件なし
この分野での可否 不可観光・イベント系の職種は MLTSSL に一つもないため、SIT50122・SIT50322 を修了しても申請できません。 対象になり得るBachelor of Tourism and Hospitality Management/Bachelor of Event Management まで修了すれば、このストリームの学歴要件を満たし得ます。
Diploma で止まると、卒業後にそのまま働けるビザはありません。「観光の Diploma を出て、卒業後ビザで働きながらスポンサーを探す」という調理分野(Chef=MLTSSL 掲載)の定石は、この分野では成立しません。この点は TAFE の観光コースでもまったく同じです(TAFE Queensland 観光・イベントページTAFE NSW 観光・イベントページ)。
学士まで行くと、構造が変わります。485 Post-Higher Education Work stream は職業リストを問わないため、Bachelor of Event Management や Bachelor of Tourism and Hospitality Management の修了者は、「観光・イベント」という分野のままで卒業後の就労期間を確保する道が視野に入ります。この就労期間中にフルタイムの実務経験を積めれば、141311(CSOL・186DE 掲載)などを軸にした雇用主スポンサーの設計にも現実味が出ます。「観光・イベントで豪州に残る計画は、学士を組み込んで初めて設計図になる」——これがこのページの結論です。なお 485 には年齢(35歳以下。香港・BNO 保持者は50歳以下)・英語(IELTS 総合 6.5・各バンド 5.5 相当)などの要件が別途あり、在留期間などの詳細は Home Affairs の最新情報でご確認ください。

subclass 別の整理

ビザこの分野での位置づけ
subclass 500
学生ビザ
就労は2週間48時間までとされます(休暇期間は別扱い)。メルボルンのイベント・ホスピタリティはシフト勤務中心で、学業と並行した現場経験を積みやすい環境です。
subclass 485
Temporary Graduate
Diploma 止まりは不可学士修了なら対象になり得る上の表のとおり。この分野で最も重要な分岐です。
subclass 482
Skills in Demand(Core Skills stream)
条件付き141311・142116・451612 は CSOL 掲載。ただし技能査定(VETASSESS・実務年数要件あり)と、CSIT(AUD 79,499・2026年7月1日から)以上の給与を出せる雇用主が前提。149311 は対象外です。
subclass 186
Employer Nomination Scheme(Direct Entry)
条件付き掲載状況は 482 と同じ(LIN 24/093 で確認)。3年の関連職務経験と技能査定が必要とされ、永住を直接スポンサーする決断を雇用主がするかが実務上の壁です。
subclass 189
Skilled Independent
使えませんMLTSSL 掲載が必須。この分野の職種はいずれも非掲載です。
subclass 190 / 491
州推薦・地域推薦
条件付きSTSOL 掲載の 149311・141311 は理論上の対象。実際に申請できるかはビクトリア州がその年度にその職種を推薦対象としているか次第で、弊社では 2026-27年度の確定情報を取得できませんでした。またメルボルンは Category 1 のため、地方要件のある 491 とは設計上の相性の問題もあります。

職業リストの全体像はCSOL 掲載職種リストビザ・永住の基礎もあわせてご覧ください。

メルボルンという都市——イベント産業と移民制度上の区分MELBOURNE: EVENTS CAPITAL, CATEGORY 1

Angliss で観光・イベントを学ぶ最大の環境要因は、メルボルンという都市そのものです。良い面と、制度上の限界を分けて書きます。

毎年、世界規模のイベントが市内で動きます

全豪オープン(Australian Open)

Melbourne Park・毎年1月

テニスのグランドスラム4大会の一つ。会場運営・ホスピタリティ・ケータリングの臨時雇用が毎年発生する、市内最大級の定例イベントです。

F1オーストラリアグランプリ

Albert Park・毎年開催

市街地近くの公園を使うサーキットで、設営から撤収まで大規模なイベントオペレーションが展開されます。

メルボルンカップ(Melbourne Cup)

Flemington Racecourse・毎年11月

「国が止まるレース」と呼ばれる競馬の祭典。ビクトリア州では祝日になるほどの行事で、宴会・ホスピタリティ需要が集中します。

MCG・MCEC ほか通年の会場群

スポーツ・コンサート・MICE

AFL グランドファイナルが行われる MCG(クリケット・オーストラリアンフットボールの本拠地)、大型会議・展示会場の Melbourne Convention and Exhibition Centre など、通年で稼働する会場が市内に集積しています。

イベント運営を学ぶ学生にとって、これは「教材が街にある」状態です。会場スタッフ・ケータリング・設営のアルバイトから業界に入り、在学中に現場の人脈を作る——という動き方が、この街では現実的に描けます。

ただし、移民制度上のメルボルンは Category 1(Major Cities)です。地方(regional)区分ではないため、地方学修によるポイント加点や 491/494 向けの優遇はありません。「イベントの本場だからビザにも有利」という因果関係は存在しません。イベント都市であることは経験と働き口の材料、ビザは職業リストと学位の問題——この2つを切り分けてご検討ください。

④-A オーストラリアの就職状況と年収EMPLOYMENT AND PAY IN AUSTRALIA

観光産業の就業者数は過去最高。ただし部門差が大きい

Tourism Research Australia(連邦の観光統計部門)の四半期統計では、2025年12月期の観光産業就業者数は 736,800人で統計開始以来の最高値、前年同期比 +4.7% と公表されています。一方で旅行代理店部門はコロナ前(2019年)比で約37%低い水準にとどまると報告されています。

この数字の読み方。増えているのは宿泊・飲食・輸送といった裾野の部門で、旅行代理店は最も回復が遅れた部門です。「Diploma of Travel and Tourism Management を出て旅行会社の管理職へ」という進路は、統計上、逆風の部門を目指すことを意味します。メルボルンで言えば、旅行会社のカウンターよりもイベント運営・MICE・ホテルの宴会部門の側に実需があります。

給与の目安(SEEK 掲載データ)

職種・区分SEEK 掲載の平均年収(AUD)備考
Events Manager(Sydney/Melbourne)$95,000SEEK の職種別給与ページの掲載値(弊社確認時点で2026年4月時点のデータと表示)。管理職層の数字であり、Diploma・学士修了直後の Coordinator 職の水準ではありません。
Events Manager(Gold Coast)$106,250
Events Manager(Marketing & Communications 業界平均)$85,309

SEEK の給与データは求人広告記載の賃金レンジにもとづく統計で、実際の支給額を保証しません。Travel Consultant・Event Coordinator の SEEK 給与ページは弊社ではアクセス制限により取得できませんでした。subclass 482 を検討する場合の給与下限(CSIT)は AUD 79,499(2026年7月1日から)で、この分野の非管理職の水準では届きにくい金額です。

人材不足の評価(Occupation Shortage List)

働き方の実際

④-B 日本での就職状況と年収EMPLOYMENT AND PAY IN JAPAN

帰国して働く場合の日本側の数字を、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の掲載値(賃金は賃金構造基本統計調査にもとづくとされる値)で確認しました。

職業平均年収有効求人倍率備考
旅行会社カウンター係 525.1万円2.03 旅行業務取扱管理者(国家資格)が営業所ごとに必要な業界です。
イベントの企画・運営 736.8万円0.54 年収は高い一方、求人倍率は1を大きく下回り入りにくい職種です。
この2つの数字が、日本側の構造をよく表しています。旅行会社カウンターは求人倍率2倍超と人手不足が続く一方、イベント企画は年収736万円と高待遇なのに求人倍率0.54の狭き門。イベント業界は「経験者採用の椅子取り」の世界で、未経験の新卒・若手が入りにくい構造です。だからこそ、豪州で「英語で実際にイベント運営に関わった」経験は、この狭き門での差別化材料になり得ます。インバウンド急増を背景に、外資系ホテル・DMO(観光地域づくり法人)・国際会議運営(PCO)でも英語×現場経験の人材需要が語られています。
日本の旅行業には国家資格の選任義務があります。旅行業法により、旅行業者は営業所ごとに旅行業務取扱管理者(総合/国内/地域限定)の選任が義務づけられています。Angliss の Diploma・学士を取っても、この国家資格は免除されません。日本の旅行会社で管理業務に就くことを目指す場合は、帰国後に別途受験する前提でお考えください。

出典:厚生労働省 job tag(上表の各リンク)および賃金構造基本統計調査。統計上の職業分類と実際の職場の呼称は必ずしも一致しません。

⑤ 日本の同種の専門学校(比較用)2校COMPARABLE SCHOOLS IN JAPAN

「日本の専門学校で学ぶ場合と何が違うのか」を比べていただくため、同分野の実在校を2校挙げます。弊社はこれらの学校とは関係がありません。

JTBツーリズムビジネスカレッジ

東京都豊島区巣鴨/国際観光ビジネス科・国際ホテル&ブライダル科ほか

JTB グループが設立した観光・旅行・ホテル分野の専門学校です。総合・国内旅行業務取扱管理者(国家資格)を目標資格に掲げ、グループの事業ネットワークを活かした企業実習・就職支援が特徴です。日本の旅行業界に就職することが目的なら、国家資格を在学中に取りにいけるこの型が近道です。

日本工学院専門学校 コンサート・イベント科

東京都大田区蒲田ほか/2年制

コンサート・ライブイベントの制作・運営スタッフを育てる2年制学科です。イベント制作会社と連携した実際のライブイベントをそのまま制作実習として行うカリキュラムが特徴で、PA・照明・イベント企画まで実技中心に学びます。日本のイベント・エンタテインメント業界への就職を目的とするなら、業界との距離の近さで優位があります。

William Angliss Institute と日本の専門学校の、決定的な違い

観点日本の観光・イベント系専門学校William Angliss Institute(SIT50122/SIT50322→学士)
目指すゴール日本の国家資格の合格(旅行業務取扱管理者等)と新卒就職実務能力の証明(コンピテンシー単位の評価)と、希望すれば同じ学校内で学士までの積み上げ
修業年限おおむね2年Certificate III 6カ月〜Diploma 1年〜学士3年。1年単位で区切って進路を見直せる設計です。
言語・環境日本語。国内就職を前提とした支援英語。2026年版ガイドによると留学生約1,300人・50カ国という多国籍の教室。これ自体が最大の付加価値であり、最大の負荷です。
在学中の就労アルバイトは学業と別枠学生ビザの範囲で世界規模のイベント都市の現場に入りながら学ぶことが前提の設計。
資格の使い道日本国内で完結豪州の職業資格(AQF)・学位。日本での法的効力はありませんが、英語での実務経験と組み合わせてインバウンド・外資系・MICE で評価され得ます。学士まで行けば 485 の対象になり得る点は日本の専門学校にない要素です。

各校の情報は弊社が各校の学校サイトで確認した内容です。学科構成・目標資格は年度により変わります。詳細は各校に直接ご確認ください。

⑥ オーストラリアで学ぶ価値と、日本との違いWHY STUDY IN AUSTRALIA

価値があるといえる部分

正直にお伝えする、弱い部分

  • Diploma 止まりではビザの出口がないことは、何度でも繰り返します。MLTSSL ゼロ、485(Post-Vocational)不可。学士まで行かない計画なら、卒業後は帰国かワーキングホリデー等への切り替えが前提です。
  • 学士まで行っても、その先の永住が約束されるわけではありません。485 Post-Higher Education は「就労期間を確保する」ビザであり、その先は 141311 などを軸にした雇用主スポンサー等を自力で成立させる必要があります。
  • メルボルンは Category 1 で、地方の優遇はありません。
  • 日本の国家資格は取れません。旅行業務取扱管理者は帰国後に別途受験です。
  • イベント業界は casual・プロジェクト雇用が中心です。収入が安定するまでの資金計画が必須です。

弊社としての率直な考え

この分野は、目的が「永住」ではなく「英語+観光・イベント実務の経験」である方には、費用対効果の良い選択肢です。そのうえで、もし豪州での就労継続まで視野に入れるなら、最初から「Diploma → 学士」の3年パッケージで設計してください。1年目の Diploma を終えた時点で、就職・帰国・学士継続を選び直せる柔軟さが、この学校の実務的な価値です。永住を第一目的にされる方には、職業リスト上の位置づけが明確な別分野(調理・製菓・保育・介護・IT など)を先にご提案します。弊社では登録移民代理人と一緒に、その設計からご相談を承っています。

入学条件と英語条件ENTRY REQUIREMENTS

学歴(Certificate・Diploma)豪州 Year 12 相当(日本の高校卒業相当)が基準とされています。
学歴(Bachelor)ATAR 50+ 相当が基準とされています。Diploma からの編入経路(パッケージ)を使えば、Diploma の成績を土台に学士へ進めます。
英語(Certificate・Diploma・Advanced Diploma)IELTS Academic 6.0(各バンド 5.0 以上)
英語(Bachelor)IELTS Academic 6.0(各バンド 5.5 以上)
英語試験の代替PTE・TOEFL iBT・CAE も受け付けるとされていますが、換算スコアは弊社では確認できていません。お見積り時に個別に確認します。
年齢17歳未満は入学不可。18歳未満は承認された滞在・福祉手配が必要とされています。
入学時期観光・イベント系 VET・学士とも 2月・7月

出典:William Angliss Institute — Entry Requirements(留学生向け入学条件)。条件は年度により改定されます。

英語が足りない場合の考え方。IELTS 6.0(各 5.0)は、はじめての留学では低くないハードルです。届かない場合は、メルボルンの語学学校で英語を先に固めてから本科へ進む設計が一般的です(Hawthorn Melbourne(メルボルン大学系列の語学学校)のページなど、メルボルンの語学学校のご案内があります)。ただし語学期間を挟むと費用と期間が伸びます。日本でスコアを作ってから出るほうが早く安く済む場合もあり、どちらが有利かは現在のスコアと渡航希望時期次第です。Angliss 入学に有効な英語準備経路(Angliss が認める語学課程の有無を含む)は、弊社から個別に照会します。

学生ビザ(subclass 500)には GS(Genuine Student)要件があります。この分野は Diploma 止まりでは卒業後ビザの見通しが立たないため、留学目的の説明がより丁寧に求められる傾向があります。弊社では書類作成を含めて支援しています(学生ビザ申請サポート)。

費用と期間FEES AND DURATION

金額の扱いについて先に断っておきます。以下はすべて 2026年入学・留学生向け・授業料のみの総額(豪ドル)で、Angliss の 2026 International Course Fees(PDF)で弊社が確認した値です。2027年入学の学費は未公表で、同校は毎年の改定と「価格は予告なく変更されることがある」旨を明記しています。確認できていない金額は書きません。

VET コース(メルボルン校)

コースコードCRICOS期間入学月2026年学費(総額)
Certificate III in Tourism SIT30125111086K6カ月2・7月 A$8,950
Diploma of Travel and Tourism Management SIT50122111088H1年2・7月 A$17,900
Diploma of Event Management SIT50322111089G1年2・7月 A$17,900
Certificate III in Aviation (Cabin Crew) AVI3021901012516カ月2・7月 A$11,000
Diploma of Travel & Tourism(Aviation パッケージ) SIT50122111088H1.5年2・7月 A$28,900

ツーリズム・イベント系のセメスター単価は A$8,950/学期(弊社検算済み。総額は単価×学期数と一致します)。

学士課程とパッケージ

コース/パッケージCRICOS期間2026年学費(総額)
Bachelor of Event Management
(Diploma of Event Management 1年+学士2年編入の構成と一致)
085672A3年 A$63,660
Bachelor of Tourism and Hospitality Management(Diploma of Travel & Tourism 経由の3年パッケージ)
(Diploma A$17,900+学士2年 A$45,760 の構成)
117777A3年 A$63,660
Bachelor of Tourism and Hospitality Management(直接入学) 117777A3年 A$68,640 ※読取り揺れあり・下記参照
Bachelor of Tourism and Hospitality Management (Professional Practice)
(1年間の Work Integrated Learning を含む)
058617K4年 A$74,360
Diploma 経由 Bachelor of Tourism and Hospitality Management (Professional Practice) パッケージ A$69,380
Bachelor の金額に2つの値がある理由を、正直に書きます。弊社が Angliss の 2026年学費 PDF を照合したところ、Bachelor of Tourism and Hospitality Management について A$68,640(学士単価 A$11,440×6学期と一致)A$63,660(Diploma A$17,900+学士2年 A$45,760 と一致)の2つの読取り結果が出ました。弊社は「直接入学3年=A$68,640、Diploma 経由3年パッケージ=A$63,660」と判断していますが、PDF 原本の目視確認を経ていない読取りが含まれるため、断定しません。また Bachelor of Event Management の A$63,660 は Diploma 経由パッケージの構成と一致する値で、直接入学の価格が別にあるかは確認できていません。お申込み前に、必ず最新の原本で確認したうえでお見積りをお出しします。

学費以外にかかるもの(2026年・確認できた値)

進学モデル(例)

ビザの可否は、そのときの法令・職業リスト・ご本人の状況で変わります。上記は制度の全体像を示すモデルであり、個別の見通しは登録移民代理人がお伺いしたうえでお伝えします。

よくあるご質問FAQ

Q. Diploma of Event Management を出れば、卒業後ビザ(485)で働けますよね。 いいえ、Diploma だけでは働けません。subclass 485 の Post-Vocational Education Work stream は MLTSSL 掲載職種に密接に関連する資格を要件としますが、観光・イベント系の職種は MLTSSL に一つも載っていません。学士(Bachelor of Event Management 等)まで修了すれば、職業リストを問わない Post-Higher Education Work stream の対象になり得ます。この分岐が、このページ全体で最も重要な点です。
Q. TAFE の観光コースと比べて、Angliss を選ぶ理由は何ですか。 ビザの構造(MLTSSL ゼロ・Diploma 止まりでは 485 不可)は、どの学校でもまったく同じです。違いは2つ。(1) Angliss は観光・ホスピタリティ・食の専門特化校で、同じ学校の中に Diploma → 学士の編入経路があること。(2) メルボルンという大型イベント都市が現場になること。逆に学費は TAFE の同種コースより高めの設定です(例:TAFE Queensland の Diploma of Travel and Tourism Management は $15,200)。学士まで行く前提なら Angliss の一貫設計、Diploma 1年で区切る前提なら費用の安い選択肢との比較——というのが弊社の目安です。
Q. トラベルとイベント、どちらの Diploma を選ぶべきですか。 出口の構造が違います。旅行系(451612・142116)は CSOL・186DE 掲載で雇用主スポンサーの理論上の道が残る一方、業界はコロナ前の規模に戻っていません。イベント(149311)は CSOL・186DE 非掲載で雇用主スポンサーの道もほぼ閉じていますが、メルボルンでの現場経験の機会と、日本のイベント・MICE 業界(年収は高いが狭き門)での差別化という点では魅力があります。学士まで行くなら 485 の扱いはどちらも同じです。ご自身のゴールが「豪州就労」か「日本でのキャリア」かで選び方が変わります。
Q. 客室乗務員になりたいのですが、Cert III Aviation はどうですか。 Certificate III in Aviation (Cabin Crew)(A$11,000・6カ月)は、モック機内キャビンを使った訓練を含む入門資格で、Diploma of Travel & Tourism との1.5年パッケージ(A$28,900)もあります。ただし資格を取れば航空会社に就職できるという性質のものではなく、豪州の航空会社での就労には別途ビザ・採用の壁があります。詳細は航空・キャビンクルーコースのページをご覧ください。
Q. メルボルンで学ぶと、地方加点などビザに有利になりますか。 なりません。メルボルンは designated regional area の Category 1(Major Cities)で、シドニー・ブリスベンと同じ扱いです。地方学修のポイント加点や 491/494 向けの優遇はありません。メルボルンの価値は「イベント産業の現場と経験の機会」であり、ビザ上の優遇ではありません。
Q. 日本の旅行会社・イベント会社への就職に、Angliss の資格は効きますか。 業態によります。外資系ホテル・インバウンド・国際会議運営では「英語で現場を回した経験」が直接評価されます。一方、日本の旅行業で管理業務に就くには旅行業務取扱管理者(国家資格)が別途必要で、豪州の資格では代替できません。イベント業界は求人倍率0.54(job tag 掲載値)の経験者市場のため、在学中・卒業後にどれだけ実務経験を積めたかが問われます。応募先の業態から逆算して、コースと期間を設計することをお勧めします。

確認できなかったことWHAT WE COULD NOT VERIFY

弊社が公開情報から確認できなかった事項を列挙します。推測で埋めずに、確認できなかったと明記します。重要なものが含まれますので必ずお読みください。

コース・学費について

ビザ・職業リストについて

就職・待遇について

日本側について

上記のうちご自身の計画に直接関わる項目は、弊社から William Angliss Institute および関係機関に個別に照会いたします。無料カウンセリングでご希望をうかがったうえで、確認結果を書面でお返しします。

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学歴・職歴・英語力・ご予算・目標時期をうかがって、このコースが現実的かどうかを率直にお伝えします。合わないと判断した場合は、その理由と代わりの選択肢もお出しします。

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当社には Registered Migration Agent(登録移民代理人・MARN 0637738)が在籍しており、ビザに関するご相談は当該代理人が担当します。本ページはコース選びの参考としての一般情報であり、個別のビザ申請に関する助言ではありません。職業リスト(CSOL・MLTSSL・STSOL・ROL 等)、485 の各ストリームの要件、州推薦の条件、賃金基準(CSIT)、英語要件はいずれも随時改定されます。掲載内容は 2026年7月時点で公開情報から確認したものであり、ご検討の際は必ず最新の情報をご確認ください。学費・入学条件は William Angliss Institute の定めによります。とくに本分野は、Diploma 止まりでは卒業後の在留の選択肢が他分野より限られるため、渡航前に登録移民代理人へのご相談をお勧めします。

出典一覧SOURCES

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就職・待遇(日本)・日本の学校