AIが翻訳する時代に、人間の通訳者・翻訳者の価値は下がる——本当にそうでしょうか。機械翻訳が日常になった今、ビジネス交渉・医療・法務・行政といった「誤訳が許されない場面」では、言葉の背景にある文化・文脈・意図まで訳しきる人間のプロと、その力を国家が証明する資格の重みが、むしろ増しています。求められるのは英語力だけではなく、日本語の運用力と両言語の文化への深い理解。日本と経済的・文化的につながりの深いオーストラリアには、国家資格NAATIに直結する専門コースが多数開講されています。
オーストラリアでは、NAATI(National Accreditation Authority for Translators & Interpreters:オーストラリア通訳・翻訳資格認定機関)が通訳・翻訳の国家資格の査定・認定を行っています。NAATIはオーストラリア国内唯一の通訳・翻訳の国家資格で、政府関連の通訳・翻訳者として働く際には取得が必須であるだけでなく、民間企業でも高く評価されています。
通訳・翻訳者として仕事を得るためには、通常NAATIのCertifiedレベル以上の資格が必要とされ、資格を得るにはNAATIのCertification Testに合格しなければなりません。受験資格の確認は公式サイトで行えます。
→ NAATI公式・受験資格チェック(Eligibility Wizard)
NAATI認定の専門学校・大学・大学院の規定コース(Endorsed Qualification Course)を受講・通過することで、Certification Testの受験資格を得る王道ルート。→ 認定コース一覧(NAATI公式)
NAATI非認定の通訳翻訳資格(Advanced Diploma以上・AQF6相当)を持ち、次の基準を満たす:
※ 上記いずれかを満たすと、NAATIのCertification Testを受験できます。制度・要件は変更されることがあります(最新はNAATI公式サイトおよび無料相談でご確認ください)。
| 専門学校・TAFE | Diploma(ディプロマ)ではCertified Provisionalレベル、Advanced DiplomaではCertifiedレベルの通訳・翻訳者資格取得を目指します。 |
|---|---|
| 大学(学士) | Certifiedレベルの資格取得を目指せます。通訳・翻訳の理論・実践に加え、言語学的なアプローチ、通訳・翻訳の技術、専門分野の通訳・翻訳を学びます。 |
| 大学院(修士等) | Certifiedレベルから、会議通訳・上級翻訳者レベル(Advanced Certified)のコースまで。大学によってはCertified Specialist Interpreterを目指せるコースも。理論・技術や専門分野に加え、高度な通訳・翻訳業務に求められるビジネススキルも学びます。修士課程は研究方法(リサーチメソッド)もカバーされるため、資格と研究の両方を学びたい方におすすめです。 |
| Diploma | IELTS 6.0以上が目安 |
|---|---|
| Advanced Diploma | IELTS 6.5以上が目安 |
| 大学・大学院 | IELTS 6.5以上。大学院はIELTS 7.0以上あると通過率が上がります。アカデミック英語コースの受講を強く推奨 |
| 最終学歴 | 高等学校卒業以上 → Diploma / Advanced Diploma / Bachelorへ入学可。日本で学士号(4年制大学)取得済みの方 → Graduate Diploma / Masterへ進学可 |
大学院になると難易度は格段に上がります。多くの大学のMasterコースは1クラス平均20名程度。多言語の学生と共にレクチャーを受講し、チュートリアルで言語別に分かれて学びます。内容は通訳・翻訳の理論・技術に加え、この分野を言語学的に分析・研究しながら知識を深めるもので、インターンシップの機会もあります。
Master of Arts in Interpreting & Translationは世界的にも評判が高く、2006年に国際会議通訳者協会(AIIC)から世界で2番目に優れた通訳・翻訳コースとの評価を受けています。
学部から大学院まで通訳翻訳の課程が揃うのは西シドニー大学。学士号(Bachelor)から学べる唯一の大学です(下の専用項目で詳説)。
2019年度のQS世界ランキングでは、Linguistics分野で世界36位。通訳翻訳×応用言語学・TESOL・国際関係のダブルマスターも組めます。→ 応用言語学ページ
高校卒業から、そしてDiplomaからの編入でも。学部レベルで通訳翻訳の学位を目指せる唯一の選択肢です。
Bachelor of Arts (Interpreting and Translation)。オーストラリアの大学で唯一、学部から通訳翻訳を専攻できるコースです。3年間で通訳・翻訳の理論と実践、NAATI受験へつながる訓練を積みます。
Diploma of Artsを修了して学部2年次へ編入するルートも可能——これも通訳翻訳分野では唯一の仕組みです。学部直接入学より入学基準が柔軟なため、成績や英語力に不安がある方の現実的な入口になります。
※ 編入条件・単位認定は個別査定です。最新の条件は無料相談でご確認ください。
現在、通訳・翻訳コースを開講している主要大学は西シドニー大学・マッコーリー大学・モナッシュ大学・クイーンズランド大学・RMIT。このうち学部(学士号)から学べるのは西シドニー大学のみです(開講状況は変動します)。
高校卒業から直接、通訳翻訳の学位を目指せるのは西シドニー大学だけ。詳細ページ → 大学公式サイト →
※ コース名・開講状況・NAATI認定状況は変更されることがあります。出願時に最新情報を確認の上ご案内します。
TAFE系の通訳・翻訳コースは、現在主要どころでは開講されていません(TAFE NSW・TAFE SAは閉講。RMITのDiploma/Advanced Diplomaも終了し、現在は上記の大学院コースに移行)。開講状況は変動するため、最新情報は無料相談でご確認ください。